安定性を測る26のチェックポイント：老舗企業／リクナビＮＥＸＴ[転職サイト]

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11：	商品開発や組織改革に積極的か

12：	トップシェアまたはロングセラーの商品があるか

13：	役員や管理職に若手が登用されているか

14：	借入金は多すぎないか

帝国データバンクによれば、2002年度の全倒産件数のうち、創業30年以上の企業は約27％。構成比は過去最高だ。老舗でも安心できない今の時代。チェックポイントはコレだ！

　帝国データバンクが経営データを収録している123万社のうち、創業して30年以上経ち、直近の２期連続で増収増益を実現した企業は1312社。特徴から、老舗の安定企業の法則が見えてくる。同社の山縣氏が指摘するのは次の５つだ。　「１つ目は、トップシェアやロングセラーの商品があること。２つ目は、研究開発に積極的なこと。３つ目は、コスト削減意欲が高いこと。４つ目は、時流に乗れていること。最後が、地域密着型であることです」

　「伊勢の『赤福』で有名な株式会社赤福がその好例。約300年という歴史のある商品を持つ会社ですが、赤福の味を時代によって変化させているのは意外に知られていない事実。赤福の経営者が『時代に合わせて変化しているからこそ、変わらぬ味だと支持される』といっていましたが、これは非常に重要なポイントです」（藤野氏）
　また、歴史の浅い企業に比べて老舗企業は、経営資産を安定的に保有していると見られがちだが、近年の資産価値の下落により、含み損を抱えているケースもある。
　「上場企業なら、財務諸表上の安定性の指標である自己資本比率は、確認しておいた方がいい。データが公開されていないなら、面接で借入金がどのくらいあるか質問することをお勧めします」（藤野氏）

　老舗企業には、古い価値観にとらわれずに、時代のニーズに対応する力が不可欠だ。
　「会社のサイトで特に注目してほしいのは『沿革』や『ニュースリリース』。新製品が年にいくつ開発されたか、組織変更を積極的に行っているかを見てください」（藤野氏）
　「新聞の人事異動欄も見てみると、その業界や会社が何に注力しているかが分かる。その方向性が時代に合っているかを、チェックするようにしてください」（山縣氏）

　市場で支持されている商品があることで、ニーズに応える力がある程度推測できる。
　「業界誌や書籍などで、さまざまな製品のシェアが報告されています。目を通しておくといいでしょう」（山縣氏）
　「誇れる商品があるなら、会社のサイトで必ず宣伝しているはず。検索サイトで商品名を入力し、どんな評判が流れているかも調べたいポイントです」（藤野氏）
　下調べをもとに、なぜトップシェアやロングセラーを実現できているのかを面接で質問するようにしたい。
　『シェアＢＯＯＫ 2004』（週刊東洋経済　臨時増刊）では、食品、日用品、自動車、通信、サービス、金融など142品目のシェアを掲載している。

『シェアＢＯＯＫ 2004』
（週刊東洋経済　臨時増刊）では、食品、日用品、自動車、通信、サービス、金融など142品目のシェアを掲載している。

　マネジメント層が、業界の慣習にとらわれることなく時代に敏感であることは、非常に重要なポイントだ。
　「年齢だけでなく、ここ10年くらいの間に経営陣に新たな顔ぶれが加わったか、社外や異業界から幹部を迎えているかは、ぜひ確認してください」（藤野氏）
　「固定費のうちウエートの高いのが人件費。幹部が若いなら、成長企業であり、低コスト経営ができているともいえます」（山縣氏）

　「老舗企業の場合、創業期や拡大期の企業と比べると、売り上げや利益の伸びは低くなり、高コスト体質になる傾向があります」（山縣氏）
　特に確認したいのが借入金の額だ。
　「適正水準は業界で異なりますが、借入金が売り上げよりも多いのは危険信号。質問することをお勧めします。上場企業なら事前に決算短信を調べておくといいでしょう」（藤野氏）

・企業リサーチのプロ	山縣聡氏	・株式運用のプロ	藤野英人氏
・成長企業発掘のプロ	小野将希氏	・経営コンサルティングのプロ	井田修氏