安定性を測る26のチェックポイント：構造変革業界の企業／リクナビＮＥＸＴ[転職サイト]

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15：	ここ数年で異業界から経営者を迎えたか

16：	リストラを行ったか。一度で終わっているか

17：	市場を絞り込めているか

18：	経営課題をオープンにしているか

規制に守られてきた金融業界や、業界の慣習が温存されてきた建設業界をはじめとして、構造が大きく変わりつつある業界は多い。今後の安定性はどこで見分ければいいの!?

　　金融、建設、通信、医療など、構造変革を迫られている業界に共通する特徴は、規制や慣習で守られていたために自由競争が阻害されてきた歴史があることだ。
　「そのため、供給過剰が続いている。顧客の数に対して、企業の数が多すぎるわけです。規制緩和や市場環境の変化で慣習を変えざるを得なくなったら、淘汰は避けられません」
とトーマツコンサルティングの井田修氏はいう。そこで重要になるのが、経営者の判断力や決断力だと指摘するのは、前出の小野氏だ。
　「市場がどう動いているかを真剣に考えて、自らの責任で決断できる力が必須。過去の慣習を捨てる勇気も必要です。業界の生え抜きで外の世界を知らない経営者よりは、異業界出身者の方が、思い切った手が打てることが多い。海運業界出身の、松井道夫・松井証券社長がその好例」

　もう１つの大切なチェックポイントは、市場を絞り込めているかということだ。
　「例えば、法人市場に注力するのか、個人顧客を対象にするのか、絞り込んだ顧客に対して最適のサービスを提供しようとする姿勢があるか、これらのことはぜひ確認したいポイント。個人市場に注力している銀行が、土日も営業する、インターネットサービスも始めるといった決断は、評価できます」（井田氏）

　今までにない発想でサービスを差別化することが、生き残りの必須条件。そこで重要になるのが、経営者の決断力だ。
　「ここ数年でトップが交代していれば、過去にとらわれない経営が期待できます」（井田氏）
　「異業界から経営者を迎えて成功しているケースもあります。顧客の不満足に応える新しい価値を提供する、慣習にとらわれない実行力があるかがポイントです」（小野氏）

	◆経営者を知るための参考書籍
	いずれも、生年月日や最終学歴、現職だけでなく、職務経歴の要約を読むことができる。図書館などで閲覧できるので、応募前に調べておくといいだろう。

　「人員削減や支店の統廃合などのリストラは、問題を先送りにしない経営姿勢として、評価できます。ただし、リストラが一度で終わっているかは、必ず調べてください。不良債権処理も同じ。思い切って一度に負の遺産を整理できている企業なら、リストラ後の１～２年のうちに収益は安定回復すると考えられます」（井田氏）
　一般紙や業界紙など、過去の新聞記事を３年ほどさかのぼって検索してみるといいだろう。合併した企業の場合には、合併前の各社についても調べることが大切だ。

　例えば金融業界なら、個人客に注力して土日も営業するといったサービスで優位性を高めている銀行など、特定の市場を対象とする戦略が評価できる。
　「どの市場に力を入れるのか、そのためにどんなサービス展開を計画しているのか、面接でぜひ質問してください。採用担当者がきちんと答えられれば、戦略が社内に徹底していると考えられます」（井田氏）
　小野氏も同様のポイントを強調する。事前調査も重要だ。業界紙などで競合動向も収集したい。

　「前例のない改革を実行するには、問題を直視する企業風土があるかも重要なポイント。今抱えている課題には触れずに、将来のことしか話さない経営者は、要注意です」（小野氏）
　経営計画を聞く際には、長期、中期、短期に分けた着実な設計がなされているか、将来のリスクを踏まえた計画かを見極めたい。

・企業リサーチのプロ	山縣聡氏	・株式運用のプロ	藤野英人氏
・成長企業発掘のプロ	小野将希氏	・経営コンサルティングのプロ	井田修氏