受給条件調べから求人情報収集、面接、そして円満退職へ

3カ月間の完璧スケジュール!ボーナスもらって転職成功

「転職するなら、ボーナスをもらってからにしよう」。そう考える人は少なくないが、仕事に振り回されるうち、転職のタイミングを失ってしまうことがままある。また、安易な行動をとったために思惑がはずれ、ボーナスを受給できなかったという例も。ボーナスをもらって転職するには、どんなことに気をつけ、いつ何をすればいいのか?賢い転職活動計画を立てて、ボーナスと転職の両方をゲットしよう。

2010年10月20日

<ADVISER>

辻 太一朗氏
1959年生まれ。京都大学工学部卒業後(株)リクルートに入社。人事部在職中に1万人以上の面接を担当する。99年、採用コンサルタントおよびアウトソーシングを手掛ける(株)アイジャストを設立。06年、(株)リンクアンドモチベーションと資本統合し、取締役に就任。10年、大学教育と企業採用の連携を支援することを目的に(株)グロウスアイを設立。

受給2カ月前:受給条件を調べて、スケジュールを立てよう

なぜ転職するのか、最初に自分を振り返って基本姿勢を固めておく。 転職のおおまかな流れをつかんでスケジュール表を作成すると、頭の中が整理できて行動に移しやすい。

(1)就業規則などで、自社のボーナス制度を把握する【退職準備】
・ボーナスの受給条件が、「支給日現在に在籍している者」になっていないか確認する
→なっていたら、退職日を支給日以降に設定する
・ボーナスの支給が、「退職予定者は除く」とされていないか確認する
→なっていたら、退職願は支給日以降に提出する
・ボーナスの査定には、今後の期待料が含まれていないか確認する
・ボーナスを満額受け取れる理想の退職日を割り出す

(2)ボーナス受給状況について過去の事例を確認する【退職準備】
・社内の情報通から、過去の前例(不支給となった例・トラブル)を聞く
・退職した人と今も交流があれば、退職前のボーナス受給についての話
(満額受け取ったか・注意すべき点)を聞く

(3)転職に際し希望する条件を絞り込み、さらに優先順位をつける【転職活動】
・職種や業界、仕事内容など、希望する条件を書き出す
・これだけは譲れないという環境や待遇などを明確にする

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(4)受給条件確認後、全体のスケジュールを立てる【転職活動】
・転職の流れと必要期間をスケジュール表に書き込む
・転職活動に必要な資金を確保する(交通費やスーツを新調する場合など)
・面接日に備えて、有給休暇の残日数を確認する

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アドバイザーチェック!自社のボーナス制度を再確認すること
バブル崩壊後、日本の企業では成果主義や年俸制を導入するところが増え、「ボーナス」に対する考えも随分変わってきました。ボーナスを受け取ってから退職したいのなら、再度、就業規則などで自社のボーナス制度や社内の前例を確認しておくほうが賢明です。 また退職日については、民法で退職を申し入れてから2週間後に労働契約を解消できることになっていますが、一般には就業規則などで1カ月前などとする企業が多いようです。後任者がすぐに見つからないような場合には、さらに引き止められる可能性もあることを考慮しておきましょう。

受給1カ月半前:求人情報を集めて、行動に移そう

スケジュールを立てたら、効率よく情報収集して意中の企業を探し出そう。興味を持ったら、即、行動に移すこと。これが限られた時間内で転職を成し遂げるコツだ。

(5)求人情報を収集する【転職活動】
・求人情報サイトや求人情報誌、新聞で探す
・リクナビNEXTスカウトに登録して、オファーを待つ
・人材紹介会社に登録する
・気になる企業のホームページを見て求人情報を得る
・気になる企業や業界の業績や給与水準などをインターネットや図書館で調べたり、
できる範囲で関係者から話を聞く

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(6)応募書類を作成して、応募する【転職活動】
・応募する企業に合わせて、自己PRポイントを整理する
・企業の求める人材像と自分のキャリアとの接点を見つける
・前向きな退職理由を自分の言葉で考える
・志望動機を論理的にまとめる
・履歴書およびレジュメを書く
・早めに応募する

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アドバイザーチェック!短期間の転職活動なら、数社を同時進行させること
中途採用の場合、面接を2〜3回行う企業が多いので、面接に行って次の連絡を待って…ということを繰り返すだけで2、3週間から1カ月かかってしまいます。特に伝統のある企業や、一度の求人に大量の応募者が集まるような人気企業、逆に採用枠の少ない職種募集などの場合は、企業も慎重に選考しますから時間のかかる傾向があります。従って、1社落ちてから次の求人を探すのではなく、同時進行で進められるよう、これはと思う企業があればすべて応募しておくことがポイント。

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受給1カ月前:いよいよ面接。内定をつかめ!

書類選考が通っていよいよ面接。在職中の応募者には、採用する企業も「いつから働けるのか?」という点を必ず聞いてくる。ボーナスをとるか転職をとるかという選択を迫られる場合もあることを心得ておきたい。

(7)面接および試験に臨む【転職活動】
・面接・試験当日に持って行くものを確認する
・具体的にどんな貢献ができるのかを考えておく
・入社できる時期について、今一度考える
・入社時期について、先方が難色を示した場合にどこまで譲歩できるか決めておく

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(8)内定!退職の意思表示および退職願の提出【退職準備】
・自分が理想とする退職日を決める
・直属の上司に、退職の意思表示をする
・退職願を書く
・上司に退職願を提出する
・退職日について、会社側と合意を交わす
・退職願が受理される

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受給後1カ月間:円満退職を目指して、引き継ぎをしっかりと

「内定が決まった!」とほっとしたいところだが、転職を成功させるには、まだ一山越さなければならない。今の会社をいかにして円満退社するか。こじれると転職そのものも危なくなるだけに、社会人としてベストを尽くそう。

(9)ボーナス受給!残務整理・引き継ぎ【退職準備】
・進行中の仕事の整理をする
・引き継ぎスケジュールを作成する
・誰が見てもわかるように、担当していた仕事の内容を書面にまとめる
・得意先などを回り、退職のあいさつと後任者の紹介をする
・あいさつ状を発送する
・健康保険証の返却など、退職にまつわる事務手続きを行う

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アドバイザーチェック!自分の希望をごり押しせず、円満退社を目指す
転職が決まったら、次の会社に気を奪われがちですが、現在の会社を円満退職することもないがしろにしてはなりません。世の中は意外に狭いものです。業種や職種が変わったとしても、どこかで元の会社とつながっていることも多々あるのですから、できるだけ円満退社を目指すことが大切。ボーナスをもらったらすぐに退職したいところですが、場合によっては、1カ月ぐらい退職日を先延ばしにしなければならないケースもあることを頭に入れておきましょう。上司が信頼できる人であれば、相談にのってもらうのもいいでしょう。

計画を立てる前に、まず確認!まずは就業規則で確認。スケジュールをしっかり組もう

ボーナスは、労働基準法上の賃金である給与とは異なり、それぞれの企業が独自の考えに沿って給付するもの。多くの企業では、就業規則や労働協約などでボーナス制度について詳しく取り決めているので、日頃からよく目を通しておきたい。就業規則のなかには、「支給日に在籍していないものには、ボーナスは支払わない」とか、「退職予定者はボーナスなし」と書かれている場合もあるので、退職をいつ申し出るかを十分検討する必要がある。 また、転職活動によっては、「内定」、「ボーナスの受給」、「退職願の提出」がスケジュール表上で重なり合うほど、短期間に集中してしまうこともあるだろう。ボーナスにこだわるなら、綿密な転職スケジュールを立てることが必要だ。

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