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リクナビNEXTジャーナル

キャリア・ビジネスの情報満載【リクナビNEXTジャーナル】

会社で生き残っていくための「2つの働き方」

12万部を超えるベストセラーシリーズとなった『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社、小学館文庫)。その著者である俣野成敏さんに、「ビジネスパーソンの仕事への向き合い方」についてお話しいただくこのコーナー。第6回の今回は、「厳しい世の中で、“選ばれる”人材になるための働き方」についてです。 

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こんにちは。俣野成敏です。

本日は、「サラリーマンがこれからますます厳しくなる社会で生き残っていくためには?」について考えてみたいと思います。 

現在、企業の間では、海外を含めた熾烈な価格競争や人材獲得合戦が繰り広げられています。このような時代は、サラリーマンといえども、これまでのように「与えられた仕事をただ返す」だけでは、いつリストラの対象にならないとも限りません。厳しい世の中で「選ばれる」ためには、自ら主体的に行動していくことが求められます。

私は、これからはサラリーマンも「積極的に会社に残っていく時代」だと考えています。それは、「会社に雇ってもらう」という従来の考え方を改め、戦略的に「会社に残ることを選択する」ということです。

 

「サラリーマンの危機」を乗り越えるための“2つの働き方”

サラリーマンが会社で生き残っていくためには、2つの働き方があると思います。ひとつは「独立を前提に働く」こと。もうひとつは「徹底的に勝ち馬に乗る」ことです。まず、「独立を前提に働く」について説明しましょう。

 

もともと、サラリーマンとは属している会社の名前を使い、会社が用意したサービスを販売するか、もしくは販売するための後方活動を行うことが主な仕事です。サラリーマンは社名の他にも、ブランドや知的財産、人材や各種設備など、社内に用意されているものは、基本的に使用していい立場にいます(こうした会社の資産を「リソース」といいます)。 

リソースとはもちろん、自分が会社の商売の一翼を担う時のみ使っていいものですが、仕事を通じて得た経験は自分のモノになります。ですから、会社を「いずれ独立するための実験の場」と見なして、会社の売り上げに貢献しながら、「この経験を、独立後の商売に応用できないか?」と意識して行動するのです。自分の将来のために経験を積むというのが、会社で「独立を前提に働く」の意味です。

ここで最も大切なことは、お世話になっている会社に学びを得る以上の価値を提供するということ。サラリーマンから独立して卓越した結果を出している人で多く見受けられる特徴は、

1.サラリーマン時代の限られた年数の内に定年まで残る人以上の価値の提供が済んでいるか?

2.卒業した後に十分な恩返しができているか?

のどちらか、もしくは両方です。

 

社内で自分の希望を叶える鍵となるのは「上司の存在」 

それでは、会社に残るためのもうひとつの働き方である「勝ち馬に乗る」についてですが、これは「上司のゴマをする」ことを指しているのではありません。「上司の力をテコの原理にして、自分の希望を叶える」ということです。通常、上司は自分よりも多くの権限を持っているものですから、その力を借りれば、より大きなことにチャレンジすることができます。

一般に、社員は会社で人事考課によって査定され、評価が決められています。ということは、この数字が基準である以上、仕事でいい評価を得たいと思ったなら、基本的にはこれを上げるしかありません。つまり、あなたがどのような希望を持っているにせよ、会社で働く以上、その希望は「自分ひとりの力では叶えられない」ということです。 

こう書くと、「そんなの当たり前」と思う方もいるかもしれませんが、実際に「評価が上がるための行動をしている」人となると少数に限られます。たいていは、ただ仕事をいわれた通りにやるだけだったり、中には感情的な理由から、上司に非協力的な態度を取ったり、ということが意外に多いものです。

 

先ほど、「独立を前提に働く」のところでもお話したように、自分にとって大切なのは経験です。仕事の経験は仕事がなければできず、その機会をくれるのは、基本的には上司なのです。

 

「偶然」を「必然」に変える方法 

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上司を好き嫌いで判断し、ただひたすら自分とウマの合う上司に当たるのを願うことは、宝くじが当たるのを祈るようなものです。次の異動でよい上司に当たるのかどうかというのは、偶然の結果に過ぎません。自分の希望を実現していくためには、「偶然を必然に変える」必要があります。

 

私がサラリーマンだった頃の話をしましょう。当時、私は役職もなく、メーカーで輸出入の仕事をしていました。ある時、自分の部署の担当役員が変わった際に、その役員から部員全員に向けてある指示が出ました。 

その役員は「みんなが普段感じている、この部署の改善点を提案して欲しい。役職の有無に関わらず、箇条書きで構わないから、全員書いて出すように」といいました。

これを聞いた周りの反応は、「この忙しい時に」とか「役員の気まぐれにいちいち付き合っていられない」というのが大半でした。しかし私は、「これは面白い」と思ったのです。自分からみて雲の上の存在の上司が平社員の私を含めた考えを聞いてくれるというのですから。「部署全体のことを考えて提案して欲しい」と意見を求められたのは初めてだったので、普段から感じていたことを熱を入れて提出しました。

すると後日、みんなの前で「俣野が書いた意見が一番よく書けていた。この中のいくつかは、早速実行に移そうと思う」といわれ、以後、その上司にはたびたび目をかけていただきました。この取り組みにより、のちに生業の1つとなる「ビジネスを俯瞰してコンサルティングする」という自分自身の才能の目にも気づくことができました。

 

偶然を必然に変える力とは、結局のところ、自分が「普段から仕事とどう向き合っているのか?」という姿勢の裏返しなのだと思います。仕事と真摯に向き合い、与えられた条件の中で「今の自分に何ができるのか?」と考え行動することが、幸運を引き寄せる鍵となるのではないでしょうか。確かに、人生の多くは偶然ですが、自ら行動することによって、それを必然に変えることは可能なのです。

 

人事考課の数字を上げるには?

それでは、「仕事に対する真摯な姿勢」がどういうことかというと、それは「相手の期待に応える」ということです。期待に応えるべき相手とは、直接的には自分の上司になるでしょうし、間接的には取引先や顧客がそれに当たるでしょう。自分の「人事考課の数値を上げる」とは、簡単にいってしまえばこうした人たちが持っている「自分に対する期待値を上回る」ことです。

もしかすると、これをお読みの方の中には「相手の期待が上がった結果、自分がそれに応えられなくなるのではないか?」と恐れる人がいるのかもしれません。しかし私は、「相手の期待値はどんどん上げるべき」だと考えます。多くの人が、「そんな高い期待に応える自信がない」と思うものですが、相手の上がり過ぎた期待は、その分だけ「条件を付ければいい」のです。

通常、部下に大きな期待を寄せる上司は、心の中で「失敗する可能性」と「成功する可能性」を秤にかけています。その結果、「成功する可能性の方が高い」と感じて仕事を依頼してくるワケですが、任せるのが大きな仕事であればあるほど「部下ひとりでは対処しきれなくなる」ことは、相手もうすうすわかっています。ですから、成功の確率を上げるための条件をこちらから提示するのです。

成功するための条件とは、期限の猶予をもらうことであったり、予算を付けてもらうことだったり、他のスタッフをメンバーに加えてもらうことなのかもしれません。もしくは、重要な仕事を引き受ける代わりに、誰でもできる仕事を他の人に割り振ってもらうことなども考えられるでしょう。

いずれにしても、相手がこちらに寄せてきた高い期待を自分から下げてはいけません。それよりは、「この目標を達成するためには、今がこういう状態ですから、これだけのモノが必要です」と交渉して条件を勝ち取ることです。大事なことは、「ひとりで何とかしようとする」のではなく、「会社全体の力で大きな期待に応える」ことです。自分自身はもちろん、上司すら会社のリソースと考え、会社に貢献することが仕事の本質なのですから。

【プロフィール】

俣野成敏(またの・なるとし)

ビジネス書著者/投資家/ビジネスオーナー

大学卒業後、シチズン時計(株)入社。31歳の時にアウトレット流通を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、さらに40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社、小学館文庫)『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)のシリーズが共に12万部を超えるベストセラーに。近著では『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』(日本経済新聞出版社)が8刷となっている。著作累計は33万部超。2012年に独立後は、複数の事業経営や投資活動の傍ら、私塾『プロ研』を創設し、マネースクール等を主宰する。メディア掲載実績多数。『ZUU online』『MONEY VOICE』『リクナビNEXTジャーナル』等にも寄稿している。『まぐまぐ大賞2016』で1位(MONEY VOICE賞)を受賞。

俣野成敏 公式サイトはこちら