上流から携わる◆半導体自動搬送のITプロジェクトマネージャー

自動搬送装置をはじめ、さまざまな半導体製造装置を開発・設計・製造している村田機械。そのITを一手に担うのがITプロジェクトマネージャー（SSE）です。分かりやすく伝えるとしたら、IT業界のPM。プロジェクトの司令塔となる存在です。

開発の対象となるのは、各種装置に搭載するソフトウェア。上流から下流まで携われるのが大きな特徴です。顧客である各国の半導体メーカーと向き合う。要望を把握して、ソフトウェアの仕様を決める。費用や工数などを算出して、開発体制をつくりあげる。進捗を管理して、完了まで導く…。一気通貫してプロジェクトを担える魅力があります。

取り組む案件の規模が大きいのも、村田機械のSSEが持つ魅力のひとつです。たとえばある工場では、24時間・365日、休むことなく1000台以上の天井走行式無人搬送車・OHT（Overhead Hoist Transport）が稼働しています。そのプログラムに少しでも誤差があれば、大渋滞が生じ、製造が滞ります。そんなOHTのソフトウェア開発でPMのポジションを担うのがITプロジェクトマネージャーです。

これからの半導体製造においてカギを握るのは、ソフトウェア。0.1秒でも早く、ひとつでも多くの良品をつくるために、最先端技術を駆使した開発が求められるでしょう。ITエンジニアとして、常にスキルを磨き続けられるのも、SSEの大きな魅力です。

私たち村田機械は、世界中の半導体メーカーと強いつながりを持っています。自身が開発したソフトウェアを搭載した装置が各国の半導体工場で稼働して、モノづくりを支える。つくられた半導体がクルマやスマートフォンなどに搭載され、世界の人々の生活を支える。この醍醐味もまた、村田機械だからこそと言えます。

今、当社のもとには、自動搬送装置の開発依頼が世界各国から舞い込んでいます。あるITプロジェクトマネージャーは、ドイツのメーカーから「ぜひあなたにお願いしたい」と指名をいただいたり、韓国の企業から「今度、日本に行くので、ご飯でもご一緒したい」という話を受けたりすることも多いそうです。「世界中の人たちとタッグを組めるのは刺激的です」と彼は話します。

私たち村田機械は、国内29ヶ所、海外34ヶ所以上の拠点で構成されるグローバル企業。主要グループ企業数は16社。2023年3月期の売上高は単体で3,653億円、営業利益は638億円、営業利益率14％。2023年4月現在の従業員数は単体で4,027名です。

天井に設置した軌道を走行し、ベルト軌道で上下するホイスト機構により、保管設備や製造装置のローボードにアクセスするものです。どんなスピードでどう動くかは、すべてソフトウェアが制御しており、正確かつ緻密な動きを実現するために、SSEは重要な役割を果たします。

半導体の保管においても、多種多様な装置を開発しています。そのひとつがキャリア保管ストッカー。クリーンルーム内で半導体を一時的に保管するための装置です。製造装置の処理完了タイミングと次工程製造装置の処理開始タイミングのズレを吸収する目的を果たします。