輝く40代、50代になるために、今できること

今、企業において40代、50代のベテラン層の注目度が高まりつつある。ビジネスパーソンとして場数を踏み、豊富な経験とスキルを持ち合わせている点が評価されているという。将来高く評価される人材になるためには、今、何をしておくべきなのだろう?リクナビNEXTでは20代から50代までのビジネスパーソンに、仕事やキャリアについてのアンケートを実施。その回答から、「輝くベテラン層」になるためのヒントが見えてきた。

2014年3月12日

(調査概要)
調査方法:「リクナビNEXT 40・50代の転職意識に関する調査」インターネット上で実施
調査機関:楽天リサーチ
調査期間:2014年2月26日〜2月28日
調査対象:全国の25〜59歳のビジネスパーソン1400名(25〜29歳、30〜34歳、35〜39歳、40〜44歳、45〜49歳、50〜54歳、55〜59歳の各年齢層でそれぞれ200名。※40代、50代計800名)

■「今の会社で定年を迎えたい」40代、50代は74.1%。4人に1人は満足していない?

40代、50代ビジネスパーソンは、自分の仕事やキャリアに関してどんな思いを持っているのだろうか?今の環境の満足度を知るために、「あなたは今の会社で定年を迎えたいですか?」と質問したところ、「はい」と答えた40代、50代は74.1%となった。25~29歳の40.0%、30〜34歳の42.5%、35〜39歳の62.0%に比べると高い数値であり、多くの人が今の環境に満足していることがわかった。

ただ一方で、25.9%の人が今の環境に満足していないということも明らかになった。20代、30代に比べて定年までの時間が短いにもかかわらず、「できることならば、今の会社を辞めて新しいフィールドに踏み出したい」と考えている人が4人に1人いるということになる。

「あのとき転職しておけばよかったと思ったことがありますか?」との問いも投げかけたところ、40代、50代の32.8%が「ある」と回答。その理由として多かったのは、1位「自分の好きな仕事に就けていたのではないかと思うから」(57.3%)、2位「自分のスキル(専門性、マネジメント能力など)を存分に発揮できていたのではないかと思うから」(47.3%)、3位「新しい仕事に挑戦できる環境にいられたのではないかと思うから」(46.6%)という意見だった(複数回答)。年収よりも、好きな仕事に就いて思う存分力を発揮したいという気概がある人が多いようだ。

■輝く将来のために…40代、50代からのアドバイス「どんな仕事にも挑戦を」「社内外の人脈を大切に」「ヒューマンスキルを磨こう」

「仕事で輝ける40代、50代」になるためには、今、どんな努力をすればいいのだろうか?
40代、50代ビジネスパーソンに「40代になっても活躍できる人材になるために、若手のうちにすべきこと」を聞いたところ、自らの体験を踏まえたさまざまなアドバイスが寄せられた。

<自分の範囲を決めず、まずはどんな仕事にも取り組むべし>

「好き嫌いすることなく、どんな仕事もとりあえずやってみて経験値を上げておく。謙虚な気持ちで業務をこなしていけば、今後何が起きても対応できるだろうし、さらに成長することもできると思う」(43歳・男性)
「やらされ仕事でも何でもとりあえずやる。経験は財産」(43歳・男性)

<社内外の人脈を広げよう>

「社内のブレーンとの関係性、先輩との交流を大切に仕事以外の付き合いも大切に。仕事以外の勉強もしていくと、知識が偏らず協調性など大切なことが身につく気がする」(49歳・女性)
「自分の働く業界だけでなく、全く畑違いと思えるような業界についてもどんどん知識を広げていくといいと思う。他業種の知人を作るのも一つだし、可能であればアルバイトしてみるのもいい。とにかくいろいろなことを知っていればその時は無駄に思えても何かの拍子に役立つときが来る」(49歳・男性)
「積極的に社外の人と交流し、井の中の蛙にならないこと」(43歳・男性)

<失敗は財産。新しいことにどんどんチャレンジを>

「ワンパターンな仕事をせずに、常に変革を求めて仕事したほうが良い。より多くの業種、部門で働いたほうが『仕事』を客観的に見られる能力が身につくと思う」(41歳・男性)
「失敗を恐れず、何事にもチャレンジすれば、経験値が高められる」(44歳・男性)

<自分だけでなく、周りも見て行動を>

「目の前の仕事に集中しすぎないで、常にまわりを広く見て、自分の資質向上に役立てる。『自分をクビにしたら困るのは会社だ』といえる能力を身につけるつもりで、常にいる」(57歳・男性)
「現在の部署だけでなく、総務を含め会社全体の動きを学んでおくこと。会社をトータルに視られる良い経営者や幹部になれると思います」(44歳・男性)
「自分の仕事が会社にどのように貢献しているかを良く考えること。自分の給料がどこから来ているかを考えると無駄な仕事はできなくなるはず」(54歳・男性)

<若いうちに、ベースとなるヒューマンスキルを磨こう>

「コミュニケーション能力は身につけていたほうがいい。自分の意見だけでなく、他人の意見を引き出し、まとめることで一つ上の仕事ができるようになる」(45歳・女性)
「ビジネスパーソンとしての、どこでも通じる基本動作。年を取ると覚えられず、また、教えてくれる人もだんだんいなくなる」(46歳・男性)
「テクニカルスキルとヒュ−マンスキルを、いかにバランスよく持っているかでしょう。最近は、前者に長けている一方で、後者がダメな『頭でっかち人間』が多すぎます」(53歳・男性)

失敗を恐れず、さまざまな仕事にチャレンジしてこそ経験値が上がる。社内外に広く目を向けることで視野が広がったり、思わぬ気づきが得られる…など、長く活躍して来たベテランならではのリアルなアドバイス。輝くビジネスパーソンになるための方法として、実行してみてはどうだろうか。

■経験とスキルを磨き、40代、50代で「銀たま採用」されるという方法も

転職市場においては、社会人経験の長い40代、50代ならではの「いぶし銀スキル」を評価する「銀たま採用」の動きが高まっており、今後も需要は増えると予想されている。
>>関連記事:“35歳転職限界説”に大変革!?2014年トレンドは40代・50代の銀たま採用

「輝く40代、50代」を目指してスキルと経験を積み、将来的に「より力を発揮できる場所」へと転職し、新たなステージに挑む…という選択肢も考えられそうだ。
今回のアンケートでは、40代、50代で転職を経験した人の割合やその満足度、評価されたスキルなども明らかになった。その結果を、以下で紹介。将来を考える上での、参考材料にしてほしい。

■「40代、50代での転職経験者」は、40代、50代の18.9%

■40代、50代転職経験者の61.3%が「転職して満足」

■40代、50代での転職の際に評価されたと思うスキル・マインドは、@業務処理能力、A責任感、B人柄・性格の良さ

■40代、50代が転職時に最低限必要とする年収は320〜617万円。東海地区の水準が高い

■「キャリアや転職について相談する相手がいる」40代、50代は27.0%。配偶者がトップ

若手ビジネスパーソンから見ると、「キャリアの終盤」のように感じられる40代、50代だが、実際は「仕事人生まだまだこれから。仕事をもっと楽しみたい」と将来を意欲的に捉えている人が多いことがわかる。
つまり、「仕事人生の折り返し地点」は40歳ごろであり、まだまだ先は長い、ということ。40代はもちろん、50代からだって新しい挑戦ができるし、実際に挑戦して活躍している人も多数存在する。
若手に比べると、配偶者や子ども、両親など家族を背負わねばならない人が多く、住宅ローンなど金銭面の負担も重くのしかかる年代であるため、自分のキャリアだけを考えるのは難しいかもしれない。しかし、40代、50代になってもさまざまな選択肢があるということを覚えておけば、これからのキャリアの積み方も変わってくるだろう。

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伊藤理子
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