7つの切り口の組み合わせで、相手の反応が激変

『伝え方が9割』著者が伝授!効果が上がる伝え方〜社外編

この提案はどうしても通したい、言いにくいことを伝えなければならない、相手に負荷が大きいことを頼みたい…。このような局面で、どんな言葉を選べばいいのか迷った経験はありませんか?言葉の選び方ひとつで、その後の展開は大きく変わるのです。ベストセラー『伝え方が9割』の著者である佐々木圭一氏に、相手を動かす伝え方を伝授してもらいました。今回は「社外編」をお送りします。

2013年10月23日

佐々木氏に聞く、なぜ、「伝え方が9割」なのか?
「伝え方ひとつで、その後のパフォーマンスがガラリと変わる」

佐々木圭一氏

佐々木圭一氏
コピーライター、作詞家、大学非常勤講師。日本人で初めて米国の広告賞「One Show Design」でゴールドを獲得するなど国内外で51のアワードを獲得。2013年2月に発売された著書『伝え方が9割』(ダイヤモンド社)が41万部(2013年9月現在)のベストセラーに。

なぜ、ビジネスにおいて「伝え方」が大切なのか?伝え方ひとつで、相手の返事がYesに振れるか、Noに振れるか、大きく変わるからです。
前回、「社内編」でも詳しくお伝えしましたが、Noと言われそうなお願いをYesに変えるために必要なのは、以下の3ステップです。

Step1:自分の頭の中を、そのまま言葉にしない。
Step2:相手の頭の中を想像する。
Step3:相手のメリットと一致するお願いを作る。

Noと言いそうな相手に、言いたいことをストレートに伝えたところで、断られて終わりです。相手の頭の中を想像し、相手もメリットだと感じるお願いの仕方を作り出すのがポイントです。
そのときに役立つのが、次に挙げる7つの切り口。これらを使って、実際に「伝え方に困っている」ビジネスパーソンの悩みを解消してみましょう。前回は社内の方を対象にしていましたが、今回は社外の人に対して言いにくいことを伝えるケースです。100%Yesとはならないかもしれませんが、Yesと言ってもらえる確率は、ストレートに伝えるよりもグンと高まるはずですよ。

●相手の返事を「イエス」に変える「7つの切り口」

【実践!社外編】7つの切り口の組み合わせでスッキリ解決!
「この言いにくい言葉、どう伝える?」

●「自分の不注意で、受注量を1ケタ間違えてしまい、大量の納品物をクライアントに送りつけてしまった。契約打ち切りの危機…どう謝ればいいでしょう?」(26歳・営業)

つい言ってしまいがちな言葉
×「申し訳ありません!契約は何とか継続いただけないでしょうか…?」
ただ謝るだけでは、信頼を回復するのは難しいものです。また、契約を継続してほしい気持ちはわかりますが、この言い方では自分都合すぎて、相手の怒りが増すだけです。ここで使うと効果的な切り口は、「3・選択の自由」です。

◎「このたびは本当に申し訳ありません。お詫びをしたいのですが、次の商品を割引で納品させていただくか、無料サンプルを多めにおつけするか、どちらがよろしいでしょうか?」

人は、2つ選択肢があると比較がしやすく、ついどちらかを選んでしまうものです。この場合は、いずれも相手にメリットがある提案であるうえ、選択の自由を作ることで相手のダブルメリットになります。しかも、相手がどちらかを選んだ瞬間に、「契約は継続」になります。
この方法は、営業提案の際にも活用できます。「この案はどうですか?」と1つの案を提示するより、「A案とB案ありますが、どちらがよろしいでしょうか?」というほうが、人の「選びたい欲」を刺激し、相手が決断しやすくなります。


●「個人宅への飛び込み営業をしていますが、門前払いばかりで全然話を聞いてもらえません。まずは話だけでも聞いてほしいのですが、どうすればいいでしょうか?」(25歳・営業)

つい言ってしまいがちな言葉
×「○○のご案内に参りました。まずはお話だけでも聞いてくださいませんか?」
相手にとっては、あなたは「招かれざる客」です。「話だけでも聞いてくれ」とこちら側の意思ばかりを押しつけたところで、相手の心は動かせません。

◎「消費税率の引き上げにより、何もしないと1カ月あたり1万円も、支出が増えるらしいです。そこで、家計を守るためのいいお話をお持ちしました」

「2・嫌いなこと回避」を取り入れたレシピです。相手のメリットを想像しながらも、嫌いなことから入っていき、「これは嫌いでしょ?だから回避する選択をしましょう」という切り口で相手の心に訴えます。
これで全員が話を聞いてくれるとまではいかないでしょうが、「話を聞くことがメリットだ」と感じる人は、以前の方法よりは確実に増えると思いますよ。


●「あまりお酒が強くないのに、取引先から頻繁に飲みに誘われます。少し苦手なタイプだし、誘いを体よく断りたいのですが…」(28歳・コンサルタント)

つい言ってしまいがちな言葉
×「すみません。今日は予定があるので、行けません」
もちろんこの断り方でも相手は納得するでしょうが、「行けない(行きたくない)」という自分都合だけを押しつける言い方では、クライアントとの関係性に影響が出る恐れが少なからずあります。ここは相手のことを考えたうえで、相手が気持ちよく納得できるよう「1・相手の好きなこと」「5・あなた限定」の要素を盛り込みましょう。

◎「中野さんには、ぜひ健康でいていただきたいんです。最近、仕事でご無理しすぎだと思うので、今日ぐらいは家に帰ってゆっくりしてください」

「親しいクライアントに健康でいてほしい」という「5・あなた限定」言葉で相手を引き込んだ上で、「仕事でご無理しすぎ」という言葉で「相手のことを気づかっている」姿勢を盛り込みました。取引先の中野さんに対して、「あなたに断られた」という印象ではなく、「あなたに気づかってもらった」という気持ちのいい印象を与えることができます。


いずれの伝え方も、ポイントは「相手の目線で考え、言葉にする」こと。NoをYesに変える答えは常に相手の中にあるということに留意するだけでも、相手の受け取り方が変わり、行動も変わります。今まで以上にいい関係性が築けるはずですよ。
 

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