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『伝え方が9割』著者が伝授!効果が上がる伝え方〜社内編
この提案はどうしても通したい、言いにくいことを伝えなければならない、相手に負荷が大きいことを頼みたい…。このような局面で、どんな言葉を選べばいいのか迷った経験はありませんか?言葉の選び方ひとつで、その後の展開は大きく変わるのです。ベストセラー『伝え方が9割』の著者である佐々木圭一氏に、相手を動かす伝え方を伝授してもらいました。
2013年10月16日

佐々木氏に聞く、なぜ、「伝え方が9割」なのか?
「伝え方ひとつで、その後のパフォーマンスがガラリと変わる」
佐々木圭一氏
コピーライター、作詞家、大学非常勤講師。日本人で初めて米国の広告賞「One Show Design」でゴールドを獲得するなど国内外で51のアワードを獲得。2013年2月に発売された著書『伝え方が9割』(ダイヤモンド社)が41万部(2013年9月現在)のベストセラーに。
ビジネスは、伝え方がすべてです。顧客に契約してほしい、上司に評価アップのお願いをしたい、同僚に自分の仕事を手伝ってほしい…伝え方によってYesに振れるか、Noに振れるか、大きく変わります。
ビジネスパーソンの皆さんに注意してほしいのは、「言いたいことをストレートに伝えても、伝わらない」ということ。例えばですが、Noと言われそうな相手をデートに誘おうとしたとき、「デートしてください」と伝えても断られて終わりですよね?でも、「驚くほどうまいパスタの店があるんだけど、行かない?」と伝えたらどうでしょう?自分の気持ちだけでなく、「驚くほどうまいパスタが食べられる」という相手のメリットを考えた言葉に変えるだけで、相手がYesという確率は高まります。
ポイントは、「相手の目線で考え、言葉にする」こと。NoをYesに変える答えは、常に相手の中にあります。相手の頭の中を想像し、相手がメリットと感じるお願いの仕方を作り出すのです。そのときに役立つのが、次に挙げる7つの切り口です。7つのうちのどれか、もしくはいくつかを組み合わせて、伝え方を考えてみましょう。
●相手の返事を「イエス」に変える「7つの切り口」
では、実際に「伝え方に困っている」ビジネスパーソンの悩みを、7つの切り口のいずれかで解消していきましょう。もちろん、100%Yesとはならないかもしれませんが、Yesと言ってもらえる確率はストレートに伝えるよりもグンと高まるはずですよ。
【実践!社内編】7つの切り口の組み合わせでスッキリ解決!
「この言いにくい言葉、どう伝える?」
●「希望する別の部署へ異動願いを出したいが、目を掛けてくれている上司にどう伝えればいいでしょうか?」(26歳・SE)
つい言ってしまいがちな言葉
×「どうしても○○部の仕事がしたいので、異動させてください!」
ずっとあなたに目を掛け、期待してくれていた上司に、ストレートに異動を願い出てしまっては、少なからず相手を不快にさせてしまいます。気持ちよくYesとは言ってくれないでしょう。そこで使う切り口は「4・認められたい欲」です。
◎「山田さんから学んだことを、別の部署で試してみたいんです!」
上司である山田さんをリスペクトし、感謝を示した言葉になっているため。冒頭に「山田さんにだけしか相談できないのですが…」と付け加えると、さらに「5・あなた限定」も加わり、相手の心をより強く動かすことが可能になります。
●「自分が挙げた成果を上司に認めてほしい。正当に評価もしてほしいけれど、成果が数字で示しづらいのでどうアピールしていいかわかりません」(27歳・品質管理)
つい言ってしまいがちな言葉
×「私は今期、○○を実現しました。もっと評価してください!」
営業職のように仕事の成果を数字で明確に示せるならばいいのですが、示しづらい事務系職種の場合は伝え方に悩みますね。かといって、「評価して!」という自分目線だけでのゴリ推しでは、相手の心は動かせません。
◎「こんなこと山田さんにしか相談できないのですが、私の仕事って成果が数値で見えないじゃないですか。どのように伝えたらいいのでしょう?」
◎「山田さんに学ばせていただき、今年度は業務改善をすることができました。ありがとうございます。山田さんにも、ぜひこの結果についてご意見をいただければと思っております」
前者は、「5・あなた限定」言葉で相手を引き込んだ上で、クエスチョン形式で「成果の伝え方を、上司にも考えてもらう」方法です。一緒に考えてもらうことで、あなたの成果をより上司に認識してもらいやすくなるというメリットもあります。
後者は、「4・認められたい欲」、「7・感謝」を取り入れたレシピ。そのうえで意見を求めることで、あなたに対する評価の言葉を引き出しやすくなります。
●「やる気がなく協調性も薄い後輩。彼のモチベーションを、何とか上げたい!」(28歳・営業)
つい言ってしまいがちな言葉
×「みんな頑張っているんだ!お前も頑張れ!」
やる気のない人に、一方的に「頑張れ」とたきつけたり、「何でお前はできないんだ」と怒っても、効果は期待できません。相手が面倒くさいと思っていたり、やる気が出ないときに効果を発揮するのが、「6・チームワーク化」です。
◎「鈴木には期待しているんだ。一緒に目標達成のために頑張ろう!」
人はもともとコミュニティを大切にする動物。誰かが一緒にやるならば、多少面倒くさいと思っていても動くものです。「期待している」という言葉で「4・認められたい欲」を刺激したうえで、「一緒にやろう」と促すことで、相手の行動を喚起するレシピになっています。
今回は、上司や後輩など、社内の人物に対しての「伝え方」例をご紹介しましたが、次は取引先など社外の人に対する「伝え方」を考えてみましょう。続きは後編「社外編」で!
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- EDIT&WRITING
- 伊藤理子
- PHOTO
- 刑部友康