転職審査会GOorSTOP
環境編 今の会社や環境に耐えられない!そんな理由で退職してもいい?
転職を意識はしているものの、その選択が正しいのかイマイチ自信がもてない……。そんな悩める転職希望者に、プロがズバリ判定を下すこの企画。第1週目は、職場環境や社風に悩みを抱える3人の登場です。
審査員: キャリアアドバイザー 佐藤 孝夫氏
佐藤さん広告代理店勤務を経て、人材ビジネスの会社で人財開発に携わる。その後、巨l夢工房を設立。採用・就職に関するコンサルティング、各種研修の企画などを手がける。主な著書に『20代の転職』(全日出版)がある。
経営トップの交替で会社が傾くのが目に見えている……
F・Hさん(32歳):大学卒業後、大手住宅メーカーに入社。在職中、7年にわたり一貫して営業に携わり、新規開拓からルートセールス、プロジェクトリーダーを経験。その後、ディベロッパーに転職し、現在は法人営業や新規事業の立ち上げを担当する。
現状次期社長には経営力ナシ。利益が全ての社風にも違和感が。
今の会社は、不動産業界にありがちなオーナー会社です。次期社長となるのはオーナーの娘で、その人とは1年近く一緒に仕事をしたんですが、どう考えてもトップの器ではありません。会社が傾くのは目に見えており、このまま沈む船に乗っているのはいかがなものかと……。
また、私がこの仕事にやりがいを感じるのは、お客さまの立場に立って一生に一度の買い物のお手伝いができるからです。利益最優先で顧客を省みない社風にも不満を感じています。





希望風通しのいい会社で今の仕事を続けたい
戸建て、法人向け物件、新規開拓にルートセールスと、様々な切り口から一貫して携わってきた不動産の営業という仕事には愛着を感じており、次の仕事もその範囲で選ぶつもりです。ただし全てがトップの社長の一存で決まるのではなく、もっと風通しのいい会社、中身次第でちゃんと意見が認められるような会社を希望しています。
また、同じ理念に向かって社員全員で力を合わせるような環境で働きたいですね。理念やビジョンを仲間たちと共有することで、私もより一層仕事に打ち込めるんだと思います。



審査のPOINT
社風に違和感を感じていること。しかもそれが、お客様本位の自らの考え方に反するからこそであるという点に、転職の必然性が読み取れるだけでなく納得感もあります。
単に10年間、経験を重ねたのではなく、不動産営業の中でも幅広い仕事を経験しているのは大きなアピール材料。新たな課題を与えてもきちんとクリアしていると、人事も高く評価することでしょう。
確かにF・Hさんが求めているのは、今の会社とは対極的な環境と言えそうです。今の会社にいる限り、理想の環境を手に入れるのは不可能に近いでしょう。
判決
GO 不動産営業の全てをマスターした今こそ、転職適齢期
まずは転職実現性という意味で、F・Hさんの経験、仕事へのスタンスは評価できます。あくまでお客さまのために、という姿勢にしても、理念やビジョンを共有して働きたいという考え方にしても、その前向きさを人事は必ず評価してくれるはずです。
戸建ても法人向けの物件も扱い、新規開拓もルートセールスも経験。新規事業の立ち上げにも携わっている──不動産の営業という仕事の枠の中では一通りの経験をすでに積んでおり、今こそこの実績を引っさげて次のステップに進むべきでしょう。いわば、転職適齢期にあると判断できます。
転職活動者にも聞きました。GO or STOP?
STOP 26%
あなたが会社の右腕になるチャンス。経営者になったつもりで頑張れば良い。
環境のせいにしているなら、次も同じようなことになり転職は意味がない。
GO 74%
モチベーションを保つことができない場所で経験を重ねても、得られるものは少ない。
年齢的に、いま決断しておかないと厳しいかな。だんだん物入りになってくるし。
もう今の上司にはついていけない……
K・Tさん(24歳):大学卒業後、OA機器の販売会社に入社。営業アシスタントとして、商談やイベントでもデモンストレーション、カスタマーサポートなどを担当している。
現状上司から、同でもいい仕事を便利屋的に押し付けられ・・・
部署内のサポート役という立場をいいことに、直属の上司から便利屋的な扱いを受けています。仕事自体も言うならば誰にでもできること。転職活動でアピールできるだけの経験を積んでいないのは不安なんですが、じっと耐えて異動を待つよりも第2新卒で通用する今のうちに、と思い悩んでいます。
希望プロ集団で、自分にしかできない仕事を!
誰かに甘えることなく、プロ意識のある自立した人が集まるような組織で働いてみたいですね。また仕事に関しても、専門性が高く自分にしかできない取り組みができる仕事、具体的には企画職などを希望しています。
入社2年半ともなれば、転職市場では立派にキャリアと見なされることもあります。「第2新卒で通用する今のうちに」という、甘えの見られる認識だけでは通用しないでしょう。
一口に企画といっても、モノを企画するのと、システムを企画するのとでは、かなりの幅があります。企画の中でもどんな仕事にチャレンジしたいのか、明確にする必要があるでしょう。
STOP 自分のやりたいことをハッキリさせるまであと半年我慢してからでも遅くない
在職2年半と3年では人事の受ける印象もずいぶん違うもの。せっかく2年半耐えたんですから、もう半年我慢してはどうでしょう? そしてその半年を、情報収集などにあて、どんな業界で何の企画をやりたいのか、という今後のビジョンを明確にするんです。目標が明確でないかぎり、それを手にするまでの戦略も確立しません。今の状態で転職活動を始めたとしても、成功の可能性は低いと言わざるをえないでしょう。
転職活動者にも聞きました。GO or STOP?
STOP 71%
年齢的にも、浅く広く経験をして間口を広げるためにも便利屋は悪くない位置。
どんな会社でも上司は選べない。やりたいことが具体的でないと、厳しいのでは?
GO 29%
自分のコアとなる技術が身につかないのであれば、現職にとどまるのは時間の無駄。
若いうちに能力を磨かないとダメになる。第2新卒のうちに方向転換したほうが長い目でみたら得策と思う。
やっぱり自分には大企業は向いていない……
U・Sさん(32歳):大学卒業後、大手機械メーカーの会社に入社。以来、10年にわたり自動車機器部門で営業を担当する。今年に入って本社勤務となり、激務によりドクターストップが。半年間の療養期間を経て、職場復帰したところ。
現状激務続きで体調を崩す。復帰後は閑職に追いやられ・・・
いかにも大企業病に陥っている今の会社の社風に、ウンザリしています。例えば毎日終電が当たり前の環境で、例え自分の仕事が終わっていても、すぐに帰ることは周りの目が許さないんです。そんな環境で頑張りすぎたのが祟って、体調を壊し先日まで半年間の療養生活を送りました。その後も、復帰したはいいんですが、社内の花形的な部署から閑職に追いやられる始末です。

希望これまで通りの仕事をもっと小回りの利く会社で
10年もキャリアを重ねた自動車部品に関する営業の仕事は続けるつもりです。でもこれまでとは反対の環境、つまり大きな組織の歯車となるのではなく、もっと小回りの利く組織で思う存分仕事に打ち込みたいです。ただ、体を崩したことや異動があったせいで、すっかり自信を失っており……。
体調を崩しての左遷とは、前向きな理由とはいえませんが、一方で非常事態ともいえるでしょう。転職のきっかけとするには十分な理由です。ただ、それを人事がどう受け取るかは別問題。左遷云々に触れるより、大企業の風土に馴染めないというところをアピールするのが得策ですね。
これまで10年間、営業の経験を積んだことは、転職での武器になるはずです。自信をなくす気持ちはわかりますが、大企業ならではの大きなプロジェクトに関わったなど、冷静に自分のアピールポイントを振りかえってほしいですね。
判決
GO 再挑戦のチャンスを待つより、転職した方が問題解決には早いかも…
確かに今の会社で汚名返上のチャンスを待つよりも、転職に踏み切った方が早く問題を解決できるでしょう。現状への不満が大企業ならではの環境に起因するだけに、次の職場として風通しのいい小さな会社を想定するのも正解です。元はといえば花形の部署にいたような人材。求める環境さえ手に入れれば、かつてのように第一線で活躍できるはず。ただし、大きなプロジェクトに関わりにくくなるなど、大企業ならではのメリットを失うリスクは自覚しておきましょう。
転職活動者にも聞きました。GO or STOP?
STOP 22%
小さい企業の方が一人当たりの負担も大きく、手当も薄いのでは? 自分も十数人の会社で、週に2、3日徹夜…。
健康管理も仕事のうち。自分の仕事が終わって帰れる状況なら、帰ってしまえ!
GO 78%
健康な体あってこその仕事。体を優先すべき。やめるのが正解だと思います。
やる気があり仕事に打ち込める環境に転職するという前向きな理由なので。
第2回 キャリア編:第2新卒、異業界転職… 後悔しない決断のポイントは?

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