企業において、女性を管理職に抜擢する動きが、徐々に高まりつつある。ただ、男性に比べると管理職の絶対数はまだ少なく、ロールモデルも少ないため、「管理職の仕事は荷が重いのでは?」「体力的に辛い場面も多いのでは?」と不安に思う女性ビジネスパーソンは多いようだ。そこでリクナビNEXT編集部では、30代の男女ビジネスパーソン668名にアンケートを実施。今の仕事に対する姿勢や想い、努力を調査したところ、さまざまな項目において男女の差が明らかになった。
2014年8月11日
(調査概要)
調査方法: |
「リクナビNEXT 30代ビジネスパーソンの勤務時間や仕事に対する意識、ビジネスに関わることでかけている費用等についてのアンケート」インターネット上で実施 |
実施期間:2014年6月14日〜6月18日
調査対象:30〜39歳のビジネスパーソン668名(男性328名、女性340名)
*「管理職」:課長以上の役職につく正社員・契約社員、「非管理職」:係長までの正社員・契約社員
■女性管理職のほうが「評価に満足」。仕事のやりがいも楽しさも、総じて高い
まずは、「会社からの評価」や「働く環境」についての考えを聞いてみたところ、総じて女性管理職のほうが「満足度が高い」ことがわかった。
■勤務形態・待遇・評価についての考え
*管理職の結果

〈参考:非管理職の結果〉

「会社からの評価(賞与が高い、上司からの信頼など)に満足している」と答えた人は、男性が38.3%に対し、女性は54.6%と、16ポイントもの差がついた。「ワークライフバランスがとれている」と答えた人も、男性34.4%、女性50.7%と大きな開きが出た。
「職場環境(勤務地、社内のインフラ、福利厚生など)に満足している」という回答も、男性が46.8%であるのに対して女性は57.3%だった。
女性管理職のほうが、「仕事ぶりを評価されている」という実感があり、職場環境にも居心地の良さを感じているようだ。かつ、「男性に比べてワークライフバランスがとれている」という回答結果からは、仕事とプライベートのバランスがうまくとれており、イキイキ働けているという現状が見えてきた。
続いて「仕事に対する意欲」に関する質問を投げかけたところ、こちらも男女で大きな差がついた。
「仕事が楽しい」と答えた人は、男性42.2%に対し、女性は52.0%と過半数の人が「楽しい」と感じていることがわかった。「やりがいがある」との回答も、男性が50.6%であるのに対し、女性は58.7%と高かった。
そして、「成長実感がある」との回答も、男性40.9%に対して女性は46.7%と高く、総じて女性のほうが仕事に対して楽しさ、やりがい、成長実感を覚えているという結果になった。これらの回答からも、女性管理職のほうが現場でイキイキと輝き、活躍している比率が高いことがうかがえる。
■仕事に対する意欲
*管理職の結果

〈参考:非管理職の結果〉

■ビジネススクールなど「自己投資額」も女性管理職のほうが多い傾向
「ビジネスに関する自己投資額」も聞いてみた(すべて月額)。 「ビジネススクールへの参加費用」の平均額は、男性が1,500円であるのに対し、女性は9,900円と、その額に大きな差がついた。ビジネス関連の書籍購入費も、男性4,200円に対して女性は6,000円だった。女性管理職のほうが、ビジネススクールの参加や、ビジネス書籍を購入するなど、スキルアップに対する投資と努力を惜しまないという傾向が見えてきた。 なお、「社内の人との付き合いにかける費用(勤務時間外)」は男性が10,200円、女性が8,700円となり、社内コミュニケーションに対しては男性管理職のほうがお金をかけていることがわかった。一方で、「社外の人との付き合いにかける費用(勤務時間外)」では男性8,300円、女性9,200円と、女性のほうが多くなり、男性に比べて女性管理職のほうが、「社外での人脈形成」にお金をかけていることがわかった。 |
■ビジネスに関わることでかけている費用(月)*管理職の結果 ![]() 〈参考:非管理職の結果〉 ![]() |
これらの回答から、女性管理職のほうが仕事に対する満足度が総じて高く、やりがいも楽しさも感じている背景にはスキルアップや人脈形成に関する努力や投資があるようだ。
女性管理職は、ビジネススクールやビジネス書購入といったスキルアップに対する投資と努力をしており、それが実を結んだ結果だからこそ、自身の役割やポジションにやりがいや喜びを感じ、イキイキ活躍できている人が多いのではないだろうか。
■現在、必要だと思うビジネススキル・マインド(複数回答)

※ゼロベース思考とは:既存の習慣や常識にとらわれることなく、ゼロの状態から事象を捉える思考法
〈参考:非管理職の結果〉

ちなみに、「現在、必要だと思うビジネススキル・マインドは?」という質問に対し、男性管理職の回答で一番多かったのは「ストレス耐性(42.2%)」だったが、女性管理職は「チャレンジ精神(48.0%)」だった。この回答からも、女性のほうが「管理職を目指して前向きに努力し、管理職になった後も前向きな気持ちでモチベーション高く働けている」現状が見えてくる。
政府の女性活躍支援により、女性が管理職になるチャンスは今後さらに高まるだろう。仕事において、今よりさらに大きなやりがいや醍醐味を感じたいならば、「女性管理職」を目指すのも一つの方法だといえそうだ。
《参考情報》
■平均勤務時間(日) |
■平均残業時間(日) |
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《調査対象》
■既婚者の割合 |
■子供有りの割合 |
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■役職*管理職のみの結果 |
■平均転職回数 |
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