転職トップ > 転職成功ノウハウ > Dr.門野の転活悩み相談 > 41歳、次を最後の転職にしたいが、転職先を決めかねている
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(株)リクルートキャリア 門野友彦 1985年リクルート入社。企業内教育研修などの営業、企業向け組織人事コンサルティングを担当した後、リクナビNEXTの前身であるリクナビキャリアや、スカウトシステムの開発、運営に携わる。現在は、新たな人材マッチングサービスの企画・検討に注力。転職活動カウンセリング経験も豊富。 |
2014年7月23日

![]() 佐々木典子さん |
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不動産会社とIT関連会社で営業事務、金融会社で営業事務と経理を担当。仕事内容にやりがいを見出せず、事務系職種での転職を考えている。幸いにして初めに応募したITベンチャーの面接が進んでいるが、「本当にここでいいのか?」と悩んでいる。 | |
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佐々木さんは、現在金融会社の経理部門にお勤めなのですね。そして今、転職を考えておられると。理由を教えていただけますか?
はい。今の会社は3年目になります。入社時は経験の長い営業事務として入社したのですが、1年後に経理部門が手薄だという理由で異動になってしまいました。2年近く頑張ってきましたが、経理の仕事にやりがいを感じられずにいます。そもそも、会社の保守的な雰囲気にもあまりなじめなくて…。

(応募書類を見ながら)1社目の不動産会社、2社目のIT関連会社とも、若くて勢いのある会社ですね。今の会社とは、かなりタイプが違うような。
そうなんです。私が働いていたころは、2社ともまさに成長過程にあり、非常にアグレッシブでした。働いているスタッフもみんなイキイキしていて、毎日がとても刺激的だったんです。1社目から2社目への転職は、営業事務としてのステップアップが目的で、実際、商談同行や営業事務部門の取りまとめなどさまざまなことを任され、成長できたと思います。
では、今の会社に転職した理由は?
2社目の会社が、一時的に業績不振に陥り、大規模なリストラを行ったのです。当時私は38歳だったので、「これからは業績の浮き沈みが少ない堅実な会社で、腰を据えて働こう。次を最後の転職にしよう」と決意し、今の会社を選びました。…確かに、業績は堅調なのですが、会社も社員もみんな保守的で、ぬるま湯のようなんです。物足りなさを感じていたところに、意に沿わない異動が重なり、再転職を決意しました。
なるほど、よくわかりました。営業事務を含む管理部門で、転職先を探しているとのことですが…。
はい。実は、初めに応募したITベンチャーから面接に呼ばれ、すでに二次面接まで進むことができました。管理部門のリーダー的な役割なのですが、とんとん拍子すぎてびっくりです。来週には社長面接がありますが、ほぼ意思確認だと言われています。
すごいじゃないですか!何も悩むことはないじゃない(笑)。
実は…面接に進んだのを機に、口コミサイトを見たり、知り合いをたどって社員のかたの声を聞いてもらったりしたのですが、社長がかなりワンマンで、朝令暮改はザラなのだそうです。そんな環境下で、果たしてやっていけるのかどうかと…。また、これは面接の場で聞いたのですが、今回の募集職種である管理部門のリーダーは責任ある役割であり、事務方ながらミッションが付与され、それが達成できないと評価に関わるそうです。それに、近い将来にはマネージャーを目指してほしいとの意向があるようです。今までずっとサポート的な役割だったので、私にミッションが達成できるのか、そもそもそんな責任ある役割が担えるのかどうか…自信がありません。
やっぱり、悩むことなんてありませんよ。今の環境がつまらないならば、新しいところに飛び込んでみたほうがいいのでは?
え!?だ、大丈夫ですかね…??
まず「役割が担えるのかどうか不安」という点についてですが、内定が出れば、それは佐々木さんの経歴や面接でのやり取りを通して、「この人ならばこのポジションでやれる」と企業側が判断したということ。ほぼ内定状態にあるならば、その点は不安に思わないでも大丈夫でしょう。

そうですか…もしそう判断してくれるのであれば、頑張りたいという気持ちはあります。
そして、「社長がワンマンで朝令暮改」の件ですが、今の時代に朝令暮改は、私は悪いことではないと思います。変化の激しい時代に、潮目を見ながら戦略を随時変えていく姿勢は、環境適応に優れていて生き残りやすい企業であると判断することもできます。経営者の資質を見て、最終判断するといいですよ。もう社長には会いましたか?
ごあいさつをした程度です。来週の社長面接では、じっくりお話しすることになりそうですが。
面接は選考の場ではありますが、佐々木さんが企業、経営者を見極める場でもあります。言うことがブレていないか、将来のビジョンを明確に描けているか、そして「信頼できそう」と思えるかどうか…を確認し、「この経営者でいいのか」を見極めてください。
わかりました!自分の目で、最終判断しようと思います。…あともう一つ、心配事があるんです。ITベンチャーなので、かなり労働時間が長いそうなんです。忙しい時は、連日終電になる場合もあるそうで…。今の勤務先は、遅くても19時には帰れるので、体力的についていけるかも、少し不安です。
これは個人的な意見になりますが、仕事が楽しければ、時間の長さってあまり気にならないものではないかな?逆につまらない、やりがいを感じない仕事だと、17時の定時を待つのですら苦痛なものです。1社目、2社目は、かなり忙しい環境だったと推察しますが、それでもイキイキ楽しく働いておられたのであれば、早晩慣れるのではないでしょうか。…初めはちょっと辛いかもしれないけど、リハビリ期間と思って頑張ってみては?もちろん、無理のしすぎは禁物ですが。

おっしゃる通りです。今は19時退社でも、1日が長く感じられて困っています。1社目、2社目とも仕事がすごく忙しくて、期末にはタクシー帰りが続いたほどでしたが、毎日すごく楽しかったし、ワクワクできたんですよね…。
ならばきっと大丈夫。それに、管理部門のリーダーとしてお入りになるのですから、自分の手で業務効率化を進め、残業時間を減らすことも可能だと思いますよ。ぜひ頑張ってみてください。
応募先企業の期待にこたえられるのか不安でしたが、「内定が出たら、それはできると判断されているということ」と言われ、視界が晴れました。最後の転職にしたいという想いから、勤務時間などにも捉われていましたが、それよりも重視していたのは「やりがい」だったはず…と再確認もできました。社長面接で、社長のビジョンや想いなどを自分の目で確認し、決めたいと思います。(佐々木さん)

- EDIT
- 伊藤理子
- DESIGN
- マグスター
- ILLUST
- もりいくすお
- PHOTO
- 平山諭