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(株)リクルートキャリア 門野友彦

1985年リクルート入社。企業内教育研修などの営業、企業向け組織人事コンサルティングを担当した後、リクナビNEXTの前身であるリクナビキャリアや、スカウトシステムの開発、運営に携わる。現在は、新たな人材マッチングサービスの企画・検討に注力。転職活動カウンセリング経験も豊富。

2013年12月25日

今週の相談者

アルバイト、派遣などで4社を経験。正社員になりたい28歳川端さんの場合

川端美登里さん
(仮名・28歳)

プロフィール
大学卒業後アパレル会社に就職したが、体調不良で数カ月で退職。その後、アルバイトや派遣で3社を経験する。30歳になる前に正社員になりたいと考え、アルバイト先を退職し転職活動に本腰を入れているが、書類落ちが多く、面接に進んでも一次から先に進めない。
現状
  • ・初めの会社は正社員だったが、その後勤めた会社では派遣、アルバイトという立場だった。ずっと一般事務を担当してきたので、あらゆる業界の一般事務に応募しているが、書類通過率は2割以下、面接に進んでも一次落ちばかりという状態。
  • ・経験は事務で統一されてはいるものの、いろいろな職場を転々としてきたので、自信を持って「これが私のスキル」と言えるものがない。
相談者:川端さんDr.門野

診断スタート

転職回数が多いうえブランク期間もあるのが、やはりネックなのだろうか…

川端さんは、新卒で就職した会社を3カ月でお辞めになっているのですね?その後、派遣やアルバイトを転々とするようになったと。

はい。アパレル会社に就職して店舗配属となったのですが、ぎっくり腰になってしまって…。しばらく動くこともできず、治療に専念するためやむなく退職しました。その後は派遣社員として2社を経験しましたが、いずれも1年以内で退職。直近は、社団法人で一般事務アルバイトを1年半担当しましたが、30歳になる前に正社員になりたいと思い、先月退職しました。

なるほど。合間に数カ月単位でブランク期間がありますが、この間は何をしていたのですか?

デパートの洋菓子売り場で、短期アルバイトに就いていました。

ならば、それは書類に書いておいたほうがいいですね。…そして直近の職場である社団法人を辞め、今は転職活動一本で頑張っているのですね。

はい。ずっと一般事務をしてきたので、業界は問わず一般事務の募集に片っ端から応募しています。この1カ月で100社以上に応募したと思います。でも、面接に進めたのは20社弱。しかもほとんど一次面接の段階で落ちてしまっています。やはり転職回数が多いことがネックなのでしょうか…面接でも「経験社数が多いね!」と言われることが多くて。

それに対して、何と答えているのですか?

1社ずつ、退職理由を正直にお伝えしています。1社目はぎっくり腰でやむなく、2社目は契約更新の際に男性しかいない営業所への異動を打診されたため、3社目は毎日終電近くまで働かねばならない忙しい職場で腰を据えて働けないと思ったから、そして4社目は、正社員になるため転職活動に本腰を入れようと退職した、とお話ししています。

なるほど…(熟考)。

転職回数は変えようがないので、正直にお伝えしたうえで、事務経験が活かせるということと、次は定年まで腰を据えて働きたいと思っているという前向きな気持ちを伝えています。それでも落ちてしまうので、もうどうすればいいか…。

基本的に、28歳はまだポテンシャルが買われる年齢です。4社の経験があり、ブランクもありますが、ずっと働き続けているのは評価材料。転職回数の多さはそこまでネックにならないはずですよ。

ではなぜ、うまくいかないのでしょうか…。

まず、先ほど教えていただいた「退職理由」は見直したいですね。そして、応募書類も手直しをしたほうがよさそう。特に自己PRとして書かれている「負けず嫌い」「最後までやり切る力」などは変えたいですね。「28歳という年齢の割には薄い」と感じてしまいます。

どうやって直せばいいのでしょう??

これが原因!

退職理由は「伝え方一つ」でネガティブにもポジティブにも捉えられる。ネガティブな理由の裏にある「次の職場への思い」を伝えよう。自己PRが思いつかないときは、仕事へのこだわりを整理するといい

伝え方一つで、相手の受け取り方はガラリと変わります。プラスの印象を与えるのも、マイナスに取られてしまうのも、伝え方次第なのです。退職理由を正直に伝えるのはいいのですが、川端さんの退職理由の場合、ネガティブな印象を与えてしまっている可能性があります。

え、そうですか…!?

例えば、2社目の退職理由は、「男性ばかりの職場はイヤ」と捉えられる可能性がありますし、3社目は「残業がある会社で働きたくない」と受け止められるかもしれません。でもきっと、そこまで思ってはいないですよね?

はい。2社目は、男性ばかり10人ぐらいの事業所だったため、女性が働きにくい環境だと思ったんです。変な話、洗面所にも行きにくいですし…。3社目も、残業は厭わないですが、ほぼ毎日終電近くなるのはちょっと…。最寄駅からの帰り道もこわいし、せめてもう少し早めに帰りたいと思っただけなんです。

ならば、「女性がイキイキと働ける環境で、長く働きたいと思ったから」「繁忙期の残業は厭わないが、毎日終電まで働く環境ではなく、21時ぐらいまでに退社できる環境に移れば毎日健康的に、かつ安心して通勤できると思ったから」などと言い換えることができそうですね。

はい。おっしゃる通りです。…そのような言い方にすると、仕事に対して前向きな印象を受けますね!

今の話は、転職回数の多さもフォローすることができます。…さまざまな職場に勤めながら、自分が最も活躍できる場所はどこか、探し続けてきた。少し回り道をしたかもしれないが、その結果、「女性がイキイキと働ける環境がある会社」「ただ長時間ダラダラ働くのではなく、ワークライフバランスを実践しながら効率的に働ける環境がある会社」でできるだけ長く働きたい、と気づくことができた。御社にはその環境があり、腰を据えて働けると思い、応募した。…このように伝えれば、転職回数の多さをポジティブに捉えられる可能性が高まります。応募書類にも、記しておくといいですよ。

確かに!ありがとうございます。さっそく志望理由を練り直します。ただ…自己PRは悩みどころです。一般事務として、上司から振られた仕事をExcelやAccess、パワーポイントなどを使ってこなしてきただけなので、胸を張って「これが私のスキル」とアピールしづらくて…。

ピンとこないのであれば、「仕事をするうえでこだわっていること。譲れないこと」から考えるといいですよ。

うーん…そんなに強いこだわりはないのですが…。上司や先輩に仕事を振られたら、まずはできるだけ納期より早く完成させ、チェックする時間を確保するようにして、「これなら大丈夫」と自信を持てるものを渡すようにしています。どんな小さな仕事でも、クオリティにこだわりたいですし、ミスがなければ、発注側も安心して私に仕事を任せることができるので、結果的に組織がうまく回ると思うんです。

いいですね!川端さんが仕事にプライドを持ち、一つひとつの業務に責任を持って取り組んできたことが伝わります。相手の目線に立って物事を考えることができるのも、アピールポイントです。このような仕事へのこだわりを自己PRにすると、川端さんの「仕事に対する取り組み姿勢」が伝わり、自社で活躍するイメージをリアルに抱いてもらうことができますよ。

ありがとうございます!応募書類も書き直します。

診断を終えて…

転職回数が多く、そもそも自分のスキルに自信がなかったうえに、書類落ち、面接落ちが続いて、すっかり自信を失っていました。今回のやり取りの中で、自分がどんな環境で働きたいのか整理できましたし、自分のこだわりも再認識することができました。まずは前向きな気持ちに切り替えて、心機一転頑張りたいと思います。(川端さん)

EDIT
伊藤理子
DESIGN
マグスター
ILLUST
もりいくすお
PHOTO
中 恵美子

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