転職トップ > 転職成功ノウハウ > Dr.門野の転活悩み相談 > テクニカルサポートで転職先を探しているが、書類落ち続きの37歳
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(株)リクルートキャリア 門野友彦 1985年リクルート入社。企業内教育研修などの営業、企業向け組織人事コンサルティングを担当した後、リクナビNEXTの前身であるリクナビキャリアや、スカウトシステムの開発、運営に携わる。現在は、新たな人材マッチングサービスの企画・検討に注力。転職活動カウンセリング経験も豊富。 |
2013年8月28日

![]() 橋詰元也さん |
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大学卒業後、システム開発会社や精密機器メーカーなど4社でネットワーク開発やサービスエンジニア、テクニカルサポートなどを経験。会社の体制に不信感を覚え、最も経験が長いテクニカルサポート、ヘルプデスクで転職先を探しているが、書類落ちが続いている。 | |
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橋詰さんはテクニカルサポート、ヘルプデスクで転職先を探しているのですね。でも、書類選考の段階で落ちてしまうと…。(職務経歴書を見ながら)現在は、情報サービス会社にお勤めなのですね。なぜお辞めになりたいのですか?

今の会社の体制にすっかり不信感を持ってしまったことが原因です。もう37歳ですし、そろそろマネージャーを目指したい年齢です。テクニカルサポート担当者として顧客企業にも信頼を得ているし、実績も上げてきたため、前の部署では上司に「次の異動先では1年以内にサブマネージャー、2〜3年以内にはマネージャーになるだろう」と言われていました。しかし、この春に異動してきた今の部署では、いちメンバー扱いのまま。今の上司に昇進・昇格について質問したところ、「2〜3年内にサブマネージャー、5〜6年内にマネージャーに」と言われてしまって…。
5〜6年後だと、遅いということですか。
そのころ、私はもう42歳になっています。キャリアとしてかなり不利だと感じてしまいます。それに、社内には30代半ばでマネージャーになっている人がいる一方で、40代でもまだメンバーやリーダークラスのエンジニアも少なくないのですが、周りに聞くと「数年先の昇進を匂わされながらもなかなか実現していない」という40代が多いというんです。このまま今の会社にいても、先がないと思えてしまって…。
なるほど。書類で落ちてしまうということですが、どれぐらいの会社に応募しているのですか?

この春から活動を始めていますが、応募はまだ十数社程度という状況です。転職サイトだけでなく、転職エージェントにもいくつか登録しているのですが、応募できる求人が少なくて…。片っ端から応募はしていますが、ほとんど書類落ちです。
うーん、求人が少ないということは、今世の中的に需要が低いということであり、少ない求人に経験者が集まるから、どうしても競争は激しくなりますね。そんな状況下で、橋詰さんはライバルに競り負けてしまっているのだと思います。…今まで4社でいろいろな経験をしてきたようだけど、テクニカルサポート、ヘルプデスク以外に活かせそうな経験はありませんか?
以前、ネットワーク構築に関わった経験はあるのですが…資格を持っていないんです。最近、ニーズが高そうな情報セキュリティスペシャリストの資格取得を目指して勉強を始めましたが、現時点で履歴書に書ける資格はありません。
なるほど。ならば転職活動はいったん止めて、まずは資格を取ることに時間を割いたほうがいいのではないかな。
ええ?でも資格を取ってから活動を始めていたら、もっと年齢が上がってしまい、転職活動に不利にはなりませんか?
今の勤務先に不信感があるということですが、幸いにして、知名度があり安定していると思われる企業で、任されている仕事がおありなのですから、そこできちんと働きつつ、空いている時間を確保して資格を取るという戦略に変えたほうがいいと思います。目指しているテクニカルサポート、ヘルプデスクの求人が少ないのであれば、ネットワーク系など「ほかの職種を目指すための武器」を身につけるほうが先決です。
確かに…。でも、全く転職活動しないのも不安です。今の環境では、いつまでモチベーションが維持できるか心配で…。

では、転職エージェントのみに絞ってはどうですか?つまり、転職活動については、エージェントから紹介が来たら応募してみるという「待ち」の姿勢で臨み、一方で資格を取ることに注力して自分のレベルを上げる…という戦法でいくということです。
なるほど。正直言って、資格がないことが不利であると認識しながらも、会社を辞めたいという思いが先に立ち、無理に転職活動を続けていた感じです。でも、ほかに強力なウリがないから、書類で落ち続けるし…もやもやしていました。考え方を改め、自身のレベルアップに励みます。
それがいいと思いますよ。レベル上げの間に転職エージェントからいい求人を紹介されたら、それはそれでラッキーですからね。…あともう一つ。社内で順当に昇進・昇格するという道も、捨てないほうがいいと思いますよ。
…どういうことでしょう?
社内には、橋詰さんと同世代でも昇進・昇格している人がいるのですよね?ということは、何かしらの昇進・昇格の社内条件があり、それに適った人が上に行き、当てはまらない人がメンバーのままでいるのだと思います。その「条件」を、探るのです。橋詰さんは今の会社に入社して丸7年、その間にさまざまなプロジェクトを経験されていますね。多方面に社内人脈もできたのでは?私だったら、人脈の中からすでに昇進・昇格した人に片っ端から連絡して、「昇進・昇格するために今の自分には何が足りないのか、客観的にアドバイスしてくれないか」とお願いします。社内で上に行くために身につけるべき力がわかれば、それを磨きにかかればいい。そういう目標が立てられれば、仕事のモチベーションも今より上がるのではないかな。
なるほど…!その考えには至らなかったです。
資格取得によるレベル上げだけでなく、「社内における自分のレベル上げ」にも注力すれば、ビジネスパーソンとしてさらにスキルが磨かれ、橋詰さんの自信にもつながると思いますよ。
会社に対する不満ばかりが先だっていましたが、今回のカウンセリングで自身に足りない部分が明確になりました。本当は自分でもうすうす気づいてはいたのですが…ズバリと言われ腹決めできました。転職に逃げず、まずは資格取得と社内でのレベルアップに努め、自分自身にもっと自信を持てるようになろうと思います。(橋詰さん)

- EDIT
- 伊藤理子
- DESIGN
- マグスター
- ILLUST
- もりいくすお
- PHOTO
- 中恵美子