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(株)リクルート 門野友彦 1985年リクルート入社。企業内教育研修などの営業、企業向け組織人事コンサルティングを担当した後、リクナビNEXTの前身であるリクナビキャリアや、スカウトシステムの開発、運営に携わる。現在は、新たな人材マッチングサービスの企画・検討に注力。転職活動カウンセリング経験も豊富。 |
2012年5月9日

![]() 宮沢佳奈子さん |
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大学卒業後、外資系食品関連メーカーに入社。販促担当として販促グッズやノベルティー制作に3年間関わる。経験を活かして販促か商品企画職として転職を目指しているが、書類、一次面接は高い確率で通過するものの、二次面接の段階でほとんど落ちてしまう。 | |
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3年間、外資系の食品関連メーカーで販促担当として働いています。同じ販促の仕事か、もしくは商品企画の仕事に就きたくて転職活動を続けているのですが、なかなか内定に結びつきません。30社近く応募して、10社以上の面接を受け、その半数以上は二次面接にも進んでいるのですが、二次面接から先に一向に進めなくて…。

なるほど。ご自身では、何が原因だと分析されていますか?
経験不足が原因なのではと…。販促の経験があるといっても、まだ販促計画の立案には携わったことがありません。業務の中心は、販促計画に則った、販促グッズやノベルティーの企画・制作になります。そのため、仕事内容は、販促というよりは、商品の企画に近いんですよね。そのため、応募先も、販促と商品企画職が半々ぐらいなのですが…。経験が「どっちつかずで中途半端」であることが、マイナス評価されているのではないでしょうか。
うーん、そうは思えないのだけどな。宮沢さんはまだ25歳。経験が浅いとはいえ、若いしポテンシャルがあります。転職経験もなく、まだ在職中である点もプラス評価です。何より、こうやって話していても、会話のキャッチボールはうまいし、表情もイキイキしていて、短時間でもコミュニケーション力の高さを感じます。そもそも、「経験が中途半端」と思うならば、面接には呼びませんよ。
ならば、ポテンシャルを感じて面接に呼んでもらったものの、もっとドンピシャな経験を持つほかの応募者に競り負けているという状況なのでしょうか?
そうかもしれませんが、同じ販促という職種でも会社ごとに仕事内容が異なるので、「ドンピシャな経験を持つ人」は世の中には少ないです。今まで受けた面接は、どんな雰囲気でしたか?

モノづくりの話や過去の成功体験の話をすることが多いのですが、和気あいあいとした雰囲気の中、会話が弾むことが多いです。でも落ちてしまうので、いつも「あんなに雰囲気が良かったのに、なぜだろう」と落ち込んでしまいます。
うーん、落ちている要因はそこかな…。宮沢さんはコミュニケーションを取るのがうまいから、上辺だけの会話で盛り上がって終わってしまっているのではないかな?例えば、「転職して何を実現したいのか」みたいな深い話には至っていないのでは?
言われてみれば…あまり深く突っ込まれたことはありませんね。今の仕事内容について聞かれることが多いので、それを説明していたら終わってしまうケースが多いかも。でも、それって私からはどうすることもできないですよね…。一体どうすれば…(悩)。
では、宮沢さんの「転職に対する思い」を教えていただきましょうか。そもそも何で、転職をしたいと思ったの?
今の会社はトップダウンの体制なのですが、トップが部下の意見を聞き入れないんです。例えば私が企画を立て、上司もメンバーも「これがいい」と推してくれた販促グッズ一つにおいても、トップが気に入らなければ却下です。もちろん、最終的に採否を決めるのはトップだとは思うのですが、現場のニーズを訴えても聞き入れてもらえず、全く趣向の違うものに修正させられ、空しくなってしまったんです。
なるほど…そういう理由だったのですね。では、宮沢さんが仕事の中で一番楽しいと感じるのはどんな時ですか?
同じ商品でも、見せ方一つ変えるだけで売り上げがガラリと変わる点が、とても面白いですね。メンバー皆で、販促の言葉一つをああでもない、こうでもないと議論しているときが、本当に楽しいんです。以前、販促グッズに入れる言葉を少し変えただけで、売り上げがグンと上がり、「商品の魅力を伝えるも伝えないも、販促の手腕なんだ」と実感したことがあるんです。販促担当として、皆で工夫を凝らし議論しながら、商品の魅力を最大限に伝える策を考えることで、購入したお客様に喜んでもらいたいし、会社の売り上げにも貢献したいと思っています。…でも、今の会社では、そのために工夫を凝らしたり、知恵を働かせることができないんです。

いいですね。その思いを、ぜひ伝えましょうよ。商品の魅力を、より消費者に正しく、広く伝えるために、皆で議論しながら最善の策を考えていいものを生み出したい。もっと工夫も凝らしたいし知恵も働かせて、販促担当者として成長し続けたい。しかし、残念ながら今の環境ではそれが叶えられない。御社において、商品に関わるさまざまな人の意見を聞き、議論を重ねながら、よりよい販促策を打ち出していきたい…。この「思い」の部分を、書類の段階で自己PRや志望動機として書いておくのです。そうすれば、面接でもその話を軸に、会話が進んでいくでしょう。
なるほど、書類に書いておけば、面接での会話の内容も変わるということですね?
その通りです。現状の書類も、悪くはありません。面接に呼ばれているのですからね。でも、職務内容や実績は丁寧に書かれていますが、「なぜ転職したいのか」「次の環境で何を実現したいのか」という「思い」の部分がありません。面接は、書類に書かれていることを中心に話が進むものです。仕事内容について質問をしていったら、ポンポンと会話が盛り上がって終わってしまい、肝心の「思い」の部分が伝わらないため「盛り上がったな」ぐらいしか印象に残らず、ほかの人に競り負けてしまった…というのが現状だと思います。「思い」を書類に入れ込んでおけば、面接での会話の内容も、印象も変わってくるはずですよ。
確かにそうですね。さっそく書類のまとめ方を見直してみます。
ぜひ。「思い」を語る宮沢さんは、今まで以上にイキイキしていましたよ。表情にも言葉にもハリがあり、魂がこもっていると感じました。きっと応募先企業にも、情熱が伝わるはずですよ。
経験のアピールばかりにとらわれていて、転職で何を実現したいのかという視点を忘れていました。自分でも、面接での会話に軸がない気がしていたのですが、今日の話で気付かされました。書類でも面接でも、「思い」を伝える努力をしたいと思います。(宮沢さん)

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