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(株)リクルート 門野友彦 1985年リクルート入社。企業内教育研修などの営業、企業向け組織人事コンサルティングを担当した後、リクナビNEXTの前身であるリクナビキャリアや、スカウトシステムの開発、運営に携わる。現在は、新たな人材マッチングサービスの企画・検討に注力。転職活動カウンセリング経験も豊富。 |
2009年10月28日

![]() 竹内友美恵さん |
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派遣会社に正社員として入社し、都内の営業所で人事総務、営業事務など内勤業務全般を担当。その中で人事業務を志望するようになり、4年目に異動が叶ったが、業績不振による事業縮小で1年後退職。人事総務職に絞って応募を続けるが、なかなか面接を突破できない。 | |
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前職は急成長中の派遣会社。組織の体制が整っておらず、社員はもちろん登録いただいている派遣スタッフの方も安心して働けない環境でした。私は営業所で管理業務全般を任されていたのですが、「自ら人事制度の整備に関わり、みんなが気持ちよく働ける環境を作りたい」と思うようになったんです。そして、4年目にようやく本社の人事部門に異動が叶ったのですが、急激な業績不振で大量に人員削減が行われまして…。人事経験わずか1年で、退職せざるを得ませんでした。
なるほど、それは残念なことですね。ということは、現在は人事職を中心に応募しているのですか?
そうです。でも、経験が浅いせいか、書類通過率は3割程度だし、面接に至ってもなかなか先に進めないんです。面接の雰囲気はどこもいいし、手応えがあったと思った会社にも落ちてしまって、落ち込み気味です…。

このご時世で書類通過率3割は、すごいことですよ。経験が浅いことが、一番のネックとは思えません。しかも、竹内さんは笑顔がさわやかだし、ハキハキとした話し方も好印象です。なのに先に進めないのであれば、何か別のところに理由があるのかもしれませんね。…面接では、主にどんなことを聞かれますか?
うーん、今までの業務内容、志望理由、あと「人事の仕事についてどう思う?」とか「なぜ人事なの?」というのもよく聞かれますね。
「人事の仕事についてどう思う?」という質問には、どう答えていますか?
企業の中で、社員の皆さんをサポートする仕事であり、ここが崩れると会社の根幹が崩れてしまうとても重要で責任ある仕事だと考えています――ざっくりいえば、このようなことを話しています。
わかりました。では「なぜ人事なの?」という問いには?
働く社員、スタッフ全員に、安心して働いてもらいたい。そのために何を改善すべきか考え、尽力する仕事にやりがいを感じています。皆さんの働き心地向上のためにサポートする仕事が、私には向いていると思っています。…こんな感じでしょうか。
なるほど。人事総務職に絞っているということですが、どういう企業に応募しているのですか?
実際に自分で利用したり、もしくは身近に感じられる商品やサービスを扱っている企業中心にアプローチしています。でも本音は、人事職だったらどんな企業でもいい。前の会社では相当な激務をこなしていましたから、どんな会社でも頑張れると思うんです。
気持ちはわかりますが、「どんな企業でもいい」という前提だと志望動機があいまいになり、人事の心に訴えるものにはなりません。「別にうちの会社でなくてもよさそうだ」と思われてしまいます。ある程度ターゲットを絞ることも大切ですよ。また、面接時の受け答え内容にも、改善余地がありそうですね。
ええっ?答えの内容が原因なんですか?
先ほど人事の仕事についてどう答えているかうかがいましたが、とても優等生な回答でしたね。これぞ模範解答!という感じで、竹内さんの個性が見えない。「間違った答えではないけれど、印象に残らない」「別にこの人でなくてもいいよね」とジャッジされてしまったのかもしれません。
優等生すぎる、ですか…。
竹内さんは、なまじ話し方が上手なだけに、「用意してきた答え」と取られてしまう恐れがありますね。話し方も、内容も、ソツがなさすぎるんです。一方で、先ほど私に話してくれた「体制が整っていない会社で人事制度を自ら整備して、社員が安心して働ける環境を作り上げたい」という言葉は、竹内さんの「心からの声」という印象を受けましたよ。
うまく伝えようと思うあまり、ソツがなくなっていたのですね…。
ええ。そして、先ほどの思いを軸に、応募先企業も選んでみては?
??

体制を整えている最中であり、人事業務全般を見られる企業。つまり、創業して比較的日が浅い、成長中のベンチャーなどが当てはまります。こういう企業ならば、竹内さんの志向に合っているし、力を発揮できるのでは?タフな環境で鍛えられた経験も活かせるでしょう。一方で、先ほど挙げていた、一般的に知られている商品やサービスを扱っている会社は、すでにある程度体制ができあがっているはず。そんな会社が人事を採用するときは、欠員補充か、人事体制の抜本的改革に着手するためか。いずれにしても、竹内さんの経験では、荷が重すぎるはず。応募したところで、経験の長い人に競り負けてしまいます。
そういえば、面接に進めた会社は、ほとんどが若い会社でした。…でも、志望動機として「体制が整っていないから私が整備したい」と言うべきってことですか?そんなこと伝えてムッとされたりしないかな…。
リスクはゼロとは言いませんが、該当する企業であれば、そういう気概のある人こそほしいと思っているはず。何より、竹内さんの「心から出た言葉」なのですから、個性があふれるし熱意も伝わります。例えば「これから体制を整えていく時期だと思うので、御社に入社してその整備に尽力したい」などと伝えてはいかがですか?竹内さんは人事の仕事に並々ならぬ思いを持っているのでしょう?
もちろんです。前の会社では、管理部門は非生産ラインという評価を受けていました。だから、コストを意識しながら体制を整え、営業プロセスの業務改善などにも関わって「さらに利益を生み出せる管理部門」を目指したいんです。
いいじゃないですか!「効率化にも貢献できる人事を目指す」なんてなかなか言えませんよ。そのことも併せて伝えましょう。竹内さんに対する印象が強まり、面接通過率も上がると思いますよ。
そうですか。だといいなあ…。
応募書類も少し工夫しましょう。3割がた通っているというから、今のままでもいいのですが、少しでも通過率を上げるために、人事に対する「思い」の部分を書類にも盛り込みましょう。今の書類は、やってきたことをきれいにまとめてはいるけれど、メッセージ性に欠けます。職務経歴書は、今まで歩んだ道と、次に目指す道をつなげるためのPRツール。現状では、有効なツールになり切れていないのがもったいない。
どうやって盛り込むべきですか?
体制が整っていない環境で生まれた問題意識と改善意欲、さらに効率化に尽力し利益も生み出せる部門にしたいという向上心。これを自己PRとしてまとめると、注目度はさらに上がります。具体的に改善したことがあれば、その事実と具体的な数値も入れれば、より竹内さんの働きぶりがイメージしやすくなります。「会ってみても損はない」と思わせることができますよ。


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- 伊藤理子
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- もりいくすお
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