連載化! Dr.門野の転活悩み相談 あなたが受からない理由、診断します

転職活動の悩み、何でも相談してください

(株)リクルート 門野友彦

1985年リクルート入社。企業内教育研修などの営業、企業向け組織人事コンサルティングを担当した後、リクナビNEXTの前身であるリクナビキャリアや、スカウトシステムの開発、運営に携わる。現在は、新たな人材マッチングサービスの企画・検討に注力。転職活動カウンセリング経験も豊富。
ブログ http://blogs.yahoo.co.jp/tensyokucoach

2009年7月29日

特別企画
年齢、休職、リストラ…Dr.門野が“あえて”辛口アドバイス

転職活動の「深刻な悩み」に答えます!Part I

Dr.門野のカウンセリングには、全国から多くの応募が寄せられます。そのため、残念ながら皆さんにお会いすることができないのが現状。そこで、応募フォームにお寄せいただいた相談内容の中から特に多い「お悩み」を取り上げ、記事上で解決策を探ります。

「厳しい景況感を受け、今回はあえて辛めに、歯に衣着せず語りました。厳しいアドバイスもあるかと思いますが、転活に悩み、袋小路に陥っている方が、視点を切り替えるきっかけになれば…と願っています」(Dr.門野)

中高年に多いお悩み

職種経験が長く、即戦力として活躍できる自信があるのに書類すら通らない。年齢が高いのがネックなのでしょうか?

多種多様な営業経験があり、即戦力として戦えると自負しているが、書類選考すら通過しない。書類でアピールしているのになぜ?年齢が問題なのだろうか。

(50代男性、ほか同様の悩み多数)

Dr.門野の診断

実績数字などで「即戦力になり得る」ことを具体的にアピールしよう。給与額で応募先を線引きしない。入社後に給与UPを目指す道を考えては?

この年齢層の経験者に対しては、企業は「本当に即戦力として貢献してくれそうか」をシビアに判断します。年齢や経験に相応のポジションや役割を果たして担えるのかどうか、判断基準はどうしても厳しくなりがちです。

だからこそ、「今まで長らく培ってきたものは○○で、御社でこのように活かせます」と、具体的かつ明確に伝えることが重要です。例えば「営業一筋何十年」という人ならば、どれぐらいの業界・商品知識があり、営業個人として、そしてマネージャーとしてどれぐらいの実績を挙げ、どれほどの人脈を持っているのか、ここが具体的にわからないと、企業も判断のしようがないのです。

中高年の転職希望者は往々にして、年収額を非常に気にするケースが多いようですが、現状維持を必須条件にしていては応募先企業は見つかりません。このご時世、企業だってできれば、高い年収を初めから保証したくないですからね。自身の経験、スキルに自信があるならば、初年度の年収は下がるけれど、入社後に実績を挙げて給与アップを狙う…ぐらいの気概がほしいところ。腹をくくって、給与水準は低いが成長性のある企業にも目を向けていきましょう。

なお、求人案件自体が減っている事務系部門は、営業系よりも転職環境が厳しいのが現状。同職種での転職を希望するならば、企業規模、従業員数、給与水準、知名度などは関係なく、各種サイトや斡旋、ハローワークなどあらゆる手段を使ってとにかく数を当たりましょう。ただ、なかなか決まらず時間ばかりが過ぎていく…というのが一番よくないパターンなので、「○月いっぱいまで」などと期限を決めて臨むこと。この期間を過ぎたら、例えば営業や販売、サービス職など、比較的求人ニーズのある職種に目を向けましょう。畑違いだと思うかもしれませんが、仕事の本質はどの職種も同じ。今40歳だとしたら、あと20年間も働くのですから、これからの自身の人生と可能性を考え、もっと視野を広げましょう。

休職経験者に多いお悩み

前職は精神的な病気で退職。完治したので早く再就職したいのに、前向きな退職理由が伝えられずに落ちてしまいます…。

現在は健康状態も良好で、再就職活動を始めたものの、前職を辞めた理由が理由だけに、前向きな退職理由に結び付けられず、困っています。

(40代男性、ほか同様の悩み多数)

Dr.門野の診断

隠そうと思うと、しどろもどろになる。完治したことも含め、事実として応募書類の段階で伝えては?

精神的な病は、応募時にはなるべく隠しておきたいと思うのが本音でしょう。その気持ちはわかります。でも、私は開き直って、応募書類の段階から伝えたほうがいいと思っています。

職務経歴にブランクがあれば、たとえ書類が通過しても、面接の場で必ずその理由を聞かれます。最後まで隠し通せるものではありません。面接の場で不意に問いただされ、焦ってしどろもどろの答えになってしまうケースも多いようです。完治したのであれば、応募書類に「この期間は静養していたがすでに完治している」と記した上で、療養前の経歴を自信を持って伝えていいでしょう。その努力と実績を、酌んでくれる企業はあるはずです。ただし、記すときは簡潔に…が鉄則。くどくどと自分の話を書かないように注意しましょう。

病について記すことで、どうしても書類通過率は下がると思います。でも、そのうえで面接に呼んでくれた企業は、療養していた過去を認め、それ以前の経歴を評価しているということです。こうなると、面接でのやりとりがすごく楽になるはず。病気についていつ質問されるか…とビクビクすることもありません。あとは「以前の経験を活かして、御社で一から頑張りたい」との意欲を、胸を張って伝えればいいのです。完治したことを示す診断書を持参してもいいかもしれませんね。

一方で、組織で働くことにまだ不安があるようでしたら、ご自身のためにも無理して再就職するのではなく、「雇われない生き方」も選択肢に加えてはどうでしょうか。業務委託やFC経営など、自分のペースで働ける仕事を探すのも一つの方法です。

リストラ、倒産経験者に多いお悩み

会社都合で突然、失業の憂き目に。一刻も早く再就職したくて仕事を選ばず応募するものの、なかなか決まらず困り果てています。

住宅ローンはあるし、家族も養わなければならないので、一刻も早く転職先を見つけたい。片っ端から応募しているものの、書類すら通過しません。

(30代男性、ほか同様の悩み多数)

Dr.門野の診断

被害者意識は×。それを察した時点で企業の採用意欲は失せる。厳しい環境下で状況改善のためどう努力し、何を学んだのか書類で語ろう。

急なリストラや倒産…確かに不幸なことです。「なぜ私だけが…」と思っている人も多いでしょう。でも、会社の窮状を招いたのは、企業だけの責任ではありません。社員としてそこに属していた以上、すべての社員にいくばくかの責任があります。そこを自覚せずに、被害者のような気持ちになっていませんか?「倒産ですか。それは大変でしたね…」と同情し、採用してくれる企業はありません。たとえ採用担当者が個人的に思ったとしても、採用の理由には到底なりません。それどころか、「他責」の気持ちが少しでも見えた時点で、企業の採用意欲は一気に低下してしまいます。

だから、職務経歴書では、やってきた業務をただ羅列するだけではもちろんダメ。「会社にぶら下がっていた結果、こういう事態に陥ったのでは」とうがった見方をされてしまう恐れがあります。厳しい経営環境において、最後までどんな努力をしたのか、自分なりにどう頑張り続けてきたのか、そしてその失敗から何を学び、今後の仕事にどう活かそうとしているのか。この部分が応募書類の段階で伝わっていないから、選考に通らないのだと思いますよ。

厳しい転職相場であることを強く認識して、まずはご自身の中にある「受け身の姿勢」を一切なくしましょう。書類選考で他者に勝つには、例えば「倒産したのはある意味自分のせい。もっとこのように行動すればよかったと反省している」と語れるぐらいでないと。そこまで当事者意識を持ち、次の行動に活かせる人であれば、企業も「会ってみたい」と思うでしょう。

特別企画・PartII予告(8月19日UP)

■派遣経験者に多いお悩み…派遣切りに遭い、事務職の正社員として転職を目指すがなかなか決まらない。(40代女性ほか)

■20代の若手に多いお悩み…今の仕事は不満だけど、かといって何が向いているのかわからない。(20代男性ほか)

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伊藤理子
DESIGN
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もりいくすお
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