連載化! Dr.門野の転活悩み相談 あなたが受からない理由、診断します

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(株)リクルート 門野友彦

1985年リクルート入社。企業内教育研修などの営業、企業向け組織人事コンサルティングを担当した後、リクナビNEXTの前身であるリクナビキャリアや、スカウトシステムの開発、運営に携わる。現在は、新たな人材マッチングサービスの企画・検討に注力。転職活動カウンセリング経験も豊富。
ブログ http://blogs.yahoo.co.jp/tensyokucoach

2008年11月26日

今週の相談者

MRへのキャリアチェンジを目指すが、面接で落ち続ける山本さんの場合

山本洋一郎さん
(仮名・26歳)

プロフィール
旅行代理店の添乗員を3年間務めたが、先輩がMR(医薬情報担当者)に転身したことに影響を受け、自身もMRを目指すように。5月末に会社を退職し、本腰を入れて転職活動を始めるが、書類選考は通過するのに面接で落ちてしまう。失業期間も長くなり、焦る日々。
現状
  • ・営業職に興味があるが、今はMR職のみに絞って活動中。ほかには全く応募していない。
  • ・書類は8割方は通過する。しかし、だいたい一次面接で落ちてしまう。やはり未経験なのが響いているのだろうか。
  • ・失業期間に突入して、早5カ月。これ以上失業期間を延ばしたくなくて悩んでいる。
相談者:山本さんDr.門野

診断スタート

書類は通過するのに、面接で20社以上も敗退。未経験だからダメなの!?

MR(医薬情報担当者)への転身を目指して、5月に旅行会社を退職しました。それ以降、MRにターゲットを絞って応募しているのですが、書類選考は通るものの面接で落ちてしまうんです。今までにもう20社以上に落ちました。やはりMRは未経験ではダメなんでしょうか…。

応募書類は通過しているんでしょう?ならば山本さんのポテンシャルは評価されているはず。落とすためにわざわざ面接に呼ぶ会社はありませんから、「未経験だから」という理由ではなく、何か別の理由があるんだと思います。

では、面接に何か問題があるのでしょうか?自己アピールなど、一生懸命しているつもりなのですが。

面接では、どんなことを聞かれます?

うーん、いろいろありますが、「なぜMRになりたいのか」という質問はどの会社でも必ず聞かれますね。

では、山本さんはその質問にどのように答えていますか?実際に面接のときのように話してみてください。

理由は3つあります。営業先が医者という「その道のプロ」なので、仕事を通して自分自身も成長できると思ったこと。MR職に就いている先輩から、「山本は場の空気が読めるからMRに向いている」と言われたこと。そして、医薬品業界は景気不景気に左右されない業界であること。以上の理由から、MRを志しました。…このように答えています。

うーむ…受からない理由は、山本さんのその志望動機のせいですね(キッパリ)。

ええ!?そうなんですか?何が悪いのか、よくわからないんですけど…。

これが原因!

「志望動機」がすべて受け身で、本人の意志が感じられないのが敗因。事前のリサーチを怠らず、なぜその仕事、その会社なのかを熱く語ろう!

山本さんがそう答えたときの、面接担当者の反応はどうでした?

なるほど」とか「へー」とか、そういう感じですね。別に否定されたりすることもなかったので、普通に受け止めてもらえたと思っていたのですが。

いやいや、それは「この人、MRのことわかってないなあ」という反応ですよ。今の3つの志望理由、すべて「受け身」なんです。そしてどれもこれも、残念ながら「MRを目指す理由」になっていない

そ、そうですか!?

面接担当者の立場になって考えてみてください。「先輩から向いていると言われたから志望しました」という応募者を、ぜひ採用したいとまで思いますか?

言われてみれば…。きっと採用しないと思います…。

「先輩に言われたから受けているだけで、別にMRじゃなくてもいいのでは?」って思ってしまいますよね。ほかの2つの理由も同様。「医者から学べる、成長できる」という他力本願な理由は、志望理由として評価されませんよ。「この人はMRの仕事を安易にとらえている」と思われても仕方ありません。景気に左右されないというのも、別にMRに限った理由ではないですよね。なぜMRを志すのか、そしてなぜ当社なのか。その理由を企業は知りたいんです

確かに…。

山本さんは本当にMRの仕事がやりたいの?

MRに向いていると言われたのが嬉しくて、MRに注目するようになり、5カ月もそれだけを目標に頑張ってきたんです。でも、一生やっていきたい仕事なのかと言われると…そこまで深くは考えていなかったですね。

まずはその先輩に、MRの仕事の何が大変で、どういうところが面白いのか、どういう瞬間にやりがいを感じるのか、突っ込んで聞いてみるといいでしょう。どういう価値を世の中に提供する仕事なのかを理解して、それに共感できるかどうか、5年後10年後も続けられる仕事かどうか、判断しましょう。そのうえで、やっぱりMRを目指すと決めたならば、応募企業についてじっくり研究してから面接に臨むこと。どんな薬を扱っていて、どんな領域に強みを持っているのか。「MRならばどこでもいい」ではなく、「なぜこの会社のMRなのか」をしっかり語れるようにしましょう。

そうですね。もっとじっくり考えて、整理してみます。

もしも考えた結果、「別の営業職を目指す」ということになっても、同様ですよ。応募業界、企業についてのリサーチは怠りなく。面接でブランクについて聞かれたら、「ずっとMRを目指して頑張ったが落ち続け、本当にMR職に就きたいのかじっくり考えてみた。そして、○○が手掛けたいんだという思いに気付いた」と、回り道をしてしまったことを正直に伝えるといいでしょう

なるほど、わかりました!

山本さんは清潔感があるし、話し方もハキハキしているので、営業の適性があると感じます。自信を持って頑張ってくださいね!

診断を終えて…

志望動機に問題があるとは思っていなかったので、指摘してもらってよかったです。でも、できればもっと早く気付きたかった…(苦笑)。MRの仕事をもっとじっくり勉強して、自分の将来ももう一度考え直してみたいと思います。(山本さん)

EDIT
伊藤理子
DESIGN
マグスター
ILLUST
もりいくすお
PHOTO
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