将来は税理士になろうと考えていた北阪さん。実務経験を積むべく、地元・大阪の会計事務所を就職先に選んだ。10社程度の担当企業を持ち、決算業務や財務、会計業務をこなす日々が続いたが、ある日、事務所で新しい会計システムを導入することになり、その導入担当者に任命された。
「システム会社の担当エンジニアとの折衝のほか、新システムの社員トレーニングもすべて行いました。通常業務をこなしながらだったので業務は毎日深夜におよび、週末もほとんど休めませんでした」

疲れ果て、システム導入後に退職。しばらく体を休めながら、次の目標を「会計システム開発会社のエンジニア」に置いた。激務の中、システム会社の担当エンジニアの仕事に魅力を感じていたためだ。
「会計に関する知識だけでなく、コミュニケーション能力、対人折衝能力なども重要で、ビジネスパーソンとしての総合力が身に付く仕事だと思えたんです」

短期留学でビジネスの基礎と語学力を身につけ、帰国後は経理の派遣社員として働きながら転職先を探し、希望通り業務系ソフト開発会社にSEとして採用された。しかし、入社後思わぬ事態に遭遇する。
「人手が足りないから、しばらく営業をやってほしいと言われたんです。自分に営業適性はないと思っていましたが、無下に断るのではなく、やるだけやってみようと考え直しました」

意外にも、北阪さんはすぐに頭角を現した。経理の知識が豊富な北阪さんは、顧客が経理上抱えている悩みを理解し、きめ細かい提案ができたのだ。結局3年にわたって営業として働き、成績は常にトップクラス。ところが、ある日を境に、将来に対する不安が北阪さんの中に募っていった。
「扱っていた会計システムは主に中小企業向けでしたが、一時、大手企業向けシステムの再構築案件を担当したことがあり、その大手企業向けコンペでライバル社のプレゼンを見て愕然としたのです。システムのレベルも私のプレゼン能力も、すべてが劣っていると感じました。もっと幅広い知識、経験を身につけないと、ビジネスパーソンとして生き残れないと危機感を覚えた瞬間でした」

今までの経験を活かし、もっと広い視点で業務に携われる職種はないかと考え、ERPコンサルタントが思い浮かんだ。リクナビＮＥＸＴでERPコンサルタントの求人を検索し、上場会社クラスをクライアントに持つコンサルティング会社10社に応募。その中の1社が、BBSだった。
「じっくり腰を据えて働きたかったので、面接では社員の定着率と教育制度の充実度を確認しました。BBSはそのいずれも満足のいくもので、ここならば末永く働けそうだと感じたんです」

昨年6月に入社。会計パッケージのバージョンアッププロジェクトに携わり、現在は別の新たなプロジェクトに関わっている。教育制度を利用して、早速SAPコンサルタントの認定資格も取得した。
「コンサルタントはさまざまな知識をただ使うだけでなく、広い視点でプロジェクトを見渡し、知識をうまく運用することが必要。その経験がまだ私には足りないと痛感しています。現場で経験を積んで、さまざまな知識を結合し、運用までの提案ができるコンサルタントを目標に、努力し続けます」