大学卒業後、大手ファミリーレストランチェーンに入社した西田さん。店舗スタッフとして活躍し、入社5年目には店長に昇格した。しかし30歳を過ぎ、徐々に会社の体制に不満を覚えるようになる。

「店舗の運営方法やサービス、スタッフ教育など、すべて本部が決めたマニュアルどおりに進めなければならず、店長の仕事に楽しみが見出せなかったんです。外食産業全体の不振や、店長の次のステップがなかなか見えないことも不安で、一度外食から離れて違う道を探してみようと決意しました」

12年勤務した会社を、36歳で退職。転職先に選んだのは、友人に紹介された賃貸住宅専門の不動産会社だった。来店客の希望に沿った戸建住宅やマンション、アパートを案内する店舗営業の仕事。仕事は忙しく、休みも少なかったが、それでも西田さんは物足りなさを感じてしまった。
「前職が激務だったせいもあるんですが（笑）、お客様を物件に案内する以外は、チラシを作ったり、物件を調査したりと単調な毎日で…。このまま続けていく気になれず、3カ月で退職しました」

そのころの西田さんは、「自分がどんな仕事に就きたいのかわからなくなっていた」という。家族もあり、生活に不安はあったものの、すぐには就職せず、コンビニエンスストアでのアルバイトで生活費を稼ぎながら自身のキャリアを見つめ直した。しかし、そのアルバイトで大きな発見があった。

「商品の陳列を少し変えただけで、売れ行きがガラリと変わるんです。売れ筋を読んで仕入れ量を考えたり、ディスプレーを工夫するのが楽しく、予想通りの結果が出るとやりがいを感じました。私がやりたかったのはこれだ、自分のアイディアを店舗作りに反映したかったんだ…と気付きました」

昨年末に、転職活動を再開。リクナビＮＥＸＴで、「サービス、販売系職種」から「小売関連」職種を検索し、「スーパーマーケット」で絞り込んだ。「コンビニよりも大きな売り場面積を任されたい」と思ったからだ。そして、求人広告を一件一件読み込み、目に留まったのがワイズマートの求人だった。
「『やりたいことに挑戦できる』という見出しと、自分で売り場を作れるという言葉に惹かれましたね。ワイズマートのことは名前しか知りませんでしたが、希望にピッタリだと思い、すぐに応募しました」

面接に出向いた本社ビルの1階は、ワイズマートの店舗だった。店内は清潔感にあふれ、多くの来店客でにぎわっていた。西田さんは「ここで働きたい」との意を新たにして、面接に臨んだという。
「面接では、主体性を持って売り場作りに携われるかどうかを確認しました。また、店長としてスタッフのやる気を大切に考え、積極的にコミュニケーションを取ってきたことをアピールしました」

熱意が通じ、見事内定を獲得。現在は東船橋店のグロサリー部門で、仕入れから陳列、売価管理までを任されている。「自身の工夫がどう売り上げに影響するのか、ダイレクトにわかるのが嬉しい」と話す。
「明日はあの商品をこう並べてみよう…など、アイディアが次々と湧いてくるんです。それを自身の裁量で実行に移せるのが嬉しく、毎日が充実していますね。これからは、商品に対する知識をもっと深めて、より魅力的な売り場作りに活かしたい。そして一日も早く、『売り場のプロ』になりたいです」