原さんは、これまでプログラマー一筋に歩んできた。前職は勤続20年。製造業の社内情報システム部で、販売・物流システムを担当していた。
「長年同じような仕事をしてきて、言語はCOBOL以外使えません。この年齢になって新しい言語を覚えるのも難しいし、扱うシステムもどんどん新しくなる。何となく居づらくなってきたんです」

悩んだ結果、追われるような気持ちで退職。失業給付をもらいつつ仕事を探すが、年齢がネックになって、なかなか決まらない。
「転職先を決めてから辞めればよかったと後悔しました。できる仕事はCOBOL関係だけ。ほかに何かやりたいことも特にはなく、漫然と仕事を探すしかなかったんです」

9カ月ほどが経ち、半ばあきらめていたころ、見かねた親戚が求人情報を持ってきてくれた。そのうちの一つが、リクナビＮＥＸＴに掲載されていたテスコのエレベータ基盤試験担当の募集だった。
「知らない分野だし、最初は乗り気じゃなかったんです(笑)。でも、未経験OKというところに賭けて、物は試しと応募することにしました」

今までの経験はアピールできないので、面接ではこれまでの仕事で人間関係を大切にしてきたことを伝えた。自然体で臨んだことが良かったのか、結果は見事採用となった。
「自分でもびっくりしました(笑)。やるしかない、と決意を新たにしました」

現在は納入前のエレベータ制御盤の検査を担当。
「時間・スケジュールがきっちりしているのがいいですね。突発的な残業もありません。新しい技術を身につけるのは大変ですが、周囲に聞きながら少しずつ知識を深めています。周囲の人に聞く回数を減らしながら、今後もまじめに仕事に取り組みます」