何もできないのに、お給料をもらって“教えてくれる”?
入社してまだ半年、しかも未経験でデザイナーとしての仕事ができないのは当然ですよね。
もしあなたが、会社で仕事を教えてもらえると思っていたなら、それは違いますよ。だって、学校なら授業料を支払えば教えてもらえるけど、会社はお給料をもらう所。何もできないのに、お給料をもらいながら教えてくれるなんて、そんな都合のいい所ではないですよ。入社する時の心構えが甘過ぎたのではないかしら?
仕事って、教えてもらうものではなくて、「身に付けよう」という意志を持って自分で覚えていくものだと思うんですよ。先輩たちの仕事を見て、そこから奪い取るくらいの気持ちがないと。まずは、仕事を教えてもらおうとか、何かしてもらおうという受け身の気持ちを捨てることですね。
だいたい、あなたは希望する業種の会社に入社して、お給料をもらえている。私なんて、作家として食べていけるまでは何のあてもなく、「好きだから」というだけで、会社員を続けながら、ただひたすら書き続けてた。そう考えると、すごく羨ましい環境よ。
もし、以前の仕事と比較して、「雑用なんてカッコ悪い」とか、「こんな使われ方ではプライドが許せない」と思っているのだったら、それは単なるあなたの虚栄心。“プライド”というと聞こえはいいけど、すぐに結果が欲しくてとらわれているだけ。“虚栄心”という言葉に置き換えてみると、違った見方ができるはずです。
頑張る期間を区切ってみる
本当に好きなことで入社できたのなら、雑用だろうと何だろうとやってしまうのではないかしら。無意識のうちに、つい、先輩たちの仕事を食い入るように眺めてしまったり、自分でもこっそり練習したりするはず。お使いだって、「何番の色を買ってこい」とか、勉強になるでしょう。そんな気持ちがわき起こらなければ、特にクリエイティブな仕事は、続かないような気がします。
要するに、スポーツに置き換えてみれば、毎日のトレーニングみたいなもの。どんな競技でも基礎体力づくりが必要不可欠なのと同じで、いずれ血となり肉となるはず。どんな仕事も下積みはあると思う。私もOLを続けてきて、仕事と人との関係が見えるようになる3年位まではひとつの会社でやったほうがいいと実感してます。
今の環境が良いか悪いかは別にして、まずは頑張る期間を区切ってみたらどうかしら。3年が長いと感じるなら、2年でも1年でもいいから、期間を決めて自分の前に置いてみる。そして、その間、「これは雑用」というように区切らないで、何でもやってみることが大事なのだと思いますよ。