ジェラシーはいくつになってもつきまとうもの
人間のジェラシーって、年齢がいくつになってもつきまとうもの。仕事で1番になったというだけじゃなく、それはもう子どものころからありますよね。嫌味を言ったり持ち物を隠すなんて小学生の延長みたいなものでしょ。そういう大人がいるということなんです。女性が仕事で成果を挙げれば、心当たりがなくても「女の武器を使った」と言われます。でもね、まだ今のあなたの状況は序の口じゃないかしら。もっと陰湿な警察沙汰になるようないじめだってありますから。
脅すわけじゃないけれど、30代になるともっと大変になることも考えられるのよ。20代は仕事をがむしゃらにする年代で、若いから何かと許してもらえる部分もあるんだけど、30代になると本人もキャリアがあるという意識を持つし、後輩には疎ましく思われたり、男性上司の中にはうまく陥れようとする人もいたりするしね。仕事上の立場も本人の心理もすごく複雑になってくるんですよ。40代になってしまえば、たいていは落ち着くんですけどね。
私もクラブ歌手のころから目上の人やお客様にかわいがっていただいたけど、やきもちを妬かれて目の前で嫌味を言われたことが何度もありました。でも、そうすることしかできない人を「かわいそうだな」と思ったの。芸能界にデビューしてからはヒットが続いて、ものすごく忙しかったんですが、「なんでいつも笑ってるのよ。泣きなさい」みたいに、しつこくいじめてくる人たちがいたんですね。「だって笑っているほうがいいでしょ」と言って、私は絶対に泣きませんでしたけど。
自分の仕事を尊敬し、気持ちを集中させましょう
売れない時期を私も味わっていたので、ヒットしない歌手のつらさもわかるんです。「いじめることしかできないのね。逆の立場でなくてよかった」と思いながら我慢して、ヒットしている喜びを毎日かみしめ頑張っていたんですね。それでもふと、「もう今度いじめられたら殴り返そう」と思うときもありましたよ。そんなことをしてしまったら「八代亜紀、○○さんを殴る」と新聞に出て、歌手生命は終わりだなと頭に浮かぶんですが、そうなってもかまわないくらい追いつめられたときもあったんです。
それでもなんとか私がいじめを乗り越えることができたのは、歌が売れていろんな賞をいただき、実績を出していたから。あなたも営業成績でトップを取ったら嬉しかったでしょ?自分が嬉しいということは、陰で悔しがっている人が必ずいるのよ。2番になった人が「おめでとう、私2番でよかったわ」とは言わないし、「今度こそ私が」って心の中で思うのが普通ですよね。そのことを忘れずに、いじめられたら「私はいじめる側にならなくてよかった」と自分に言い聞かせて我慢するの。いじめをするような人は、結果的に幸せになっていませんよ。いつかは自分に返ってくるものだと思うんです。
そして、トップを取り続けて実績を積むことね。1回くらい取っても周囲は評価してくれません。だからといって、2番3番になっても落ち込まずに笑顔でまた頑張るの。そうやって地道に実績とキャリアを積めば、必ずファンやお客様が認めてくれます。あなたもきっとお客様に認められてトップの成績になったのだから、自信を持つことですよ。これからはあなたが自分の仕事を尊敬し、気持ちを集中させればいいんです。嫉妬の人間関係なんかで戦ってはダメ。仕事で勝負をすればいいんです。