転職に「絶対」はあり得ません
僕は今まで12回の転職をしてきました。あなたも29歳で3回転職してるのなら、僕と同じくらいのペースかもしれない。飽きっぽいけど、「いいヤツ」なんだと思います(笑)。僕は特別な才能やコネ、強運を持っていたわけではないし、決して大成功しているとはいえませんが、転職する際、次は「こういう仕事がしたい」というものを持っていた。あなたはどうでしょう?
どうも、あなたの質問からは、あまりにも虫が良すぎるという印象を受けるんです。そもそも就職や転職に失敗はつきもの。「絶対」なんてあり得ません。あなたは自分で転職をしてきて、しかも今は人事として人の採用にも関わっているだろうに、まだそのことに気づかないのでしょうか。
しかも、「長く勤め、キャリアも磨き、出世もしたい」と言っているけれど、「自分の仕事の質を上げる」という肝心なモチベーションが入っていませんよね。採用する人事の立場で考えたって、そういう気持ちで来る人を評価しないでしょう。
転職のテーマを決め、仕事内容を明確に
つまり、今のあなたに必要なのは、まず何が不満で解決したいのか、人間関係か、給与か、仕事のレベルか、転職のテーマを決めた上で、「何をしたいのか」という仕事内容を明確にすること。そうすることで、たとえまた転職することになって転職回数が増えたとしても、人事の方々からマイナス評価されることはありません。転職に失敗はつきものでも、決定的な失敗としないために必要なことです。
曲がりなりにも三つの職場を見てきたのだから、自分はその中でもどんな仕事がしたいか、どんな人になりたいか、あるいは「ああなりたくない」ということもあるはずです。それを思い起こしながら、自分の性格や得意不得意なども踏まえ、今のキャリアの延長線上に次の仕事を見つけるのか、違う職種にするのか、これからのコースを決めるべきじゃないでしょうか。
30 代前半というのは、多くのビジネスパーソンにとって、体力、経験とも最も充実して、使う側も使いやすい時期。今から30代を迎えるあなたは、あと数年でできるだけ仕事の実績を上げ、人材価値を高めることです。人材価値とは、その仕事に対する能力があることだけでなく、その能力を現実の仕事でどう活かしたかを証明できなくてはなりません。次の職場でしっかり実績を築くことが大切ですよ。