趣味を仕事にできたら、それは天職
イラストや漫画を描くことと営業を長年両立していた僕から言わせてもらうと、若いうちから趣味を仕事にできるあなたはとても幸せ。天職が仕事になるってことじゃないですか。幸せなことで悩むことはないと思いますよ。そのまま今の趣味をもっと突き詰め、その世界を大きく広げ、ひとつの仕事として確立していけばいいじゃありませんか。そうする中で売れる理由だってわかってきますよ。
僕の場合、最初は仕事がまっとうにできてこそ、絵もきちんと描けると思っていたものだから、うまく両立させるまでに随分と時間がかかりました。営業しながら絵のアイデアを考えてしまったり、仕事で売り上げの数字が上がらないと、絵に集中できなくなったり…。このままではどっちつかずになってしまうと、考え方を切り替えたんです。平日の5日間は営業の仕事に専念しようって。金曜日、営業先とカラオケにつきあうところまで完全燃焼する。すると、スッと週末の2日間は絵の世界に没頭できるようになったし、月曜からの仕事も楽しくできるようになったんです。
社内でも上司に絵を描いてることを報告して、会社の広報誌などのイラストも描いて公認されていました。「営業成績を下げたら絵はやめてもらうぞ」と言われて、常に恐怖はありましたけど(笑)。でも、イラストを描いてる珍しい課長ということで、若い部下が興味を持ってついてきてくれたり、集中して効率よく仕事をしようと努めていたから、全国の営業所でトップの営業成績も取った。平日と週末のスイッチを切り替えることで、好循環になったんですね。だから仕事も絵もどちらも好きでした。
でも、そんな順調だった中で幹部への人事異動が決まった40歳の時、サラリーマンに専念して出世する道もあるかと迷ったけれど、会社を辞めて絵に絞る決意をした。それは、この先何かある度に振り返っては「絵を辞めなければよかった」と後悔する自分の姿が想像できたから。10年後にまた同じ事を考えている自分も見える気がしました。あなたもその時の僕と似た状況ではないでしょうか。周囲と同じように就職しようかと揺れてるようだけど、もし今のままの気持ちで就職を選択したら、ずっと「ネットショップをやっておけばよかった」って、後悔すると思いませんか?
本物の仕事に高めれば立派なキャリアになる
「就職したほうがいいのかな」と中途半端な気持ちで続けていると、両方ダメになってしまいます。「とことん趣味で活きるんだ!」くらいの決意で、仕事にしてしまった方がいい。たとえ失敗したとしても、就職は考えずにもう一度悩んでピンチを乗り越えてみる。そうすると、ネットショップの仕事を通して、こういう成功と失敗と解決をしてきたのだという、あなたの立派なキャリアができるじゃないですか。その後に就職を考えても遅くない。だって、その時には自分の立ち上げからの実績を堂々と言うことができるのですから。
僕たちの若い頃のように、労働の流動性が少ない終身雇用の時代と違って、今は自分のキャリアさえあればいろんな仕事に就ける時代。世間一般の価値観に流されて自分を見失うより、あなたのその能力を活かせばいいと思うんです。しかも、一斉に就職していく人たちだって、果たして満足しているかと言えば、不満だらけの人がずっと多いはずですよ。キャリアを大切にするためにも趣味を本当の仕事にまでとことん高めて、ぜひもっと成功していってほしいですね。