上司のほめ言葉を真に受け過ぎでは?
あなたが、今の職業のプロとして、本当に仕事ができるというなら、「納得できる給料を払ってください」と、会社に掛け合ってみてもいいだろうし、それで聞き入れてもらえなかったら、転職してもいいと思いますよ。一度、やってみたらいいんじゃないかな。
でも、その前に、上司は本気で、あなたの実力を「3倍仕事ができる」と評価していると思いますか?もしかすると、あなたをやる気にさせようと、励ましているのかもしれないし、単なるリップサービスかもしれない。ほめ言葉を、そのまま真に受けてしまうのは短絡的すぎるんじゃないかな。もうちょっと客観的に自分を評価してみてはどうかと思います。
今のあなたは「会社に貸しがある」状態
僕がもし、ほかの社員より3倍仕事ができると思っている部下がいて、それほど多くない給料を払っていたとしますよね。そうすると、「悪いことをしているな」と、申し訳なく思いながら働いてもらっている。つまり、その社員に対して「貸しをつくっている」わけですから、いつか必ず恩返しをしようとします。タイミングがくれば、その段階で給料を上げるし、ポジションだって上げるでしょう。
そう考えると、「会社に貸しがある」という、一時的にあなたが損をして見える力関係の中で、すぐに転職を考えるのは、ちょっと短絡的すぎるんじゃないかな。僕だって、「ああ、もっと給料を払ってやらないとならないけど、今はこいつにとっての我慢時だな。よし、じゃあ、1年後には報いてやろう」なんて思うことがあるからね。本人は気づかなくても、上の人間は、部下の先のことを考えているものです。
そんなふうに、いつかは報いてくれる会社だったとしたら、近視眼的に今の給料だけを見て、辞めようとするのはナンセンスだよね。もちろん、上司や会社をよく見極めることも必要だけど、今のあなたは、会社に貸しがある、つまりは、会社に「見えない貯金をしている」わけです。そのことを理解すべきだね。形はないけれど、この貯金はいつか必ずあなたにとって、何らかの形でプラスになって戻ってくる。今もらっている給料だけが、すべてではないんですよ。