叱ってちょーだい

毎回著名人にあなたの悩みをぶつけていただく、このコーナー。熱く、愛を持ってお答えします。
悩
「給与規定に納得できない会社は転職すべき?」

上司から「あなたは普通の人の3倍以上の仕事ができる」と、よくほめられますが、会社の給与規定により、個人の業績はほとんど給与に反映されません。人間関係には満足しているので、転職は考えたくないのですが、自分の持っている力をきちんと評価してくれる会社に転職したほうがいいのでしょうか?(営業 29 歳 女性)

給料が安いと思う時、会社に対して見えない貯金をしていると思いなさい
今週の叱り役

ワタミ代表取締役社長
渡邉美樹

information
●『ワタミFan〜ワタミの秘密大公開〜』
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●ワタミ株式会社
http://www.watami.co.jp/
1959年、神奈川県生まれ。小学校5年生のとき、父親が経営する会社を清算したことから、「将来は社長になる」と決意。明治大学卒業後、経理会社・運送会社を経て84年に創業。「つぼ八」FCオーナーとして起業。2000年に東証一部上場を果たす。外食、介護、農業、環境などの事業会社を持つほか、個人では学校や病院の経営、NPO活動などにも精力的に取り組む。

上司のほめ言葉を真に受け過ぎでは?

あなたが、今の職業のプロとして、本当に仕事ができるというなら、「納得できる給料を払ってください」と、会社に掛け合ってみてもいいだろうし、それで聞き入れてもらえなかったら、転職してもいいと思いますよ。一度、やってみたらいいんじゃないかな。

でも、その前に、上司は本気で、あなたの実力を「3倍仕事ができる」と評価していると思いますか?もしかすると、あなたをやる気にさせようと、励ましているのかもしれないし、単なるリップサービスかもしれない。ほめ言葉を、そのまま真に受けてしまうのは短絡的すぎるんじゃないかな。もうちょっと客観的に自分を評価してみてはどうかと思います。

今のあなたは「会社に貸しがある」状態

僕がもし、ほかの社員より3倍仕事ができると思っている部下がいて、それほど多くない給料を払っていたとしますよね。そうすると、「悪いことをしているな」と、申し訳なく思いながら働いてもらっている。つまり、その社員に対して「貸しをつくっている」わけですから、いつか必ず恩返しをしようとします。タイミングがくれば、その段階で給料を上げるし、ポジションだって上げるでしょう。

そう考えると、「会社に貸しがある」という、一時的にあなたが損をして見える力関係の中で、すぐに転職を考えるのは、ちょっと短絡的すぎるんじゃないかな。僕だって、「ああ、もっと給料を払ってやらないとならないけど、今はこいつにとっての我慢時だな。よし、じゃあ、1年後には報いてやろう」なんて思うことがあるからね。本人は気づかなくても、上の人間は、部下の先のことを考えているものです。

そんなふうに、いつかは報いてくれる会社だったとしたら、近視眼的に今の給料だけを見て、辞めようとするのはナンセンスだよね。もちろん、上司や会社をよく見極めることも必要だけど、今のあなたは、会社に貸しがある、つまりは、会社に「見えない貯金をしている」わけです。そのことを理解すべきだね。形はないけれど、この貯金はいつか必ずあなたにとって、何らかの形でプラスになって戻ってくる。今もらっている給料だけが、すべてではないんですよ。

EDIT・WRITING
羽塚順子
DESIGN
マグスター
PHOTO
刑部友康

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