仕事が好きで楽しければ、寝食は気にならないのでは
デザイナーさんのように、クリエイティブな仕事だったら、丁寧に自分の仕事をしてみたいと思うでしょうね。そういう職場を探して転職するのもいいと思いますよ。でも、忙しくてイヤだということと、丁寧にできない仕事の内容がイヤだということは別問題ですよね。
まず、仕事が忙しくて食べる時間がないのは当たり前のことで、私も移動中のタクシーでおにぎり食べることなんてしょっちゅう。つらいなんて思いませんよ。書籍の原稿を書いている時は、寝食考えずにキーボードをふらふらになるまで打ち続けてますし、営業時代は、39度の熱があってもクライアントにプレゼンしてました。別に自分が頑張ったことを自慢したい訳ではなく、そういう経験があってこそ、私は「やればできるんだ」ということが実感としてわかったし、それがまた嬉しくもあり、自分を成長させてくれたと思っています。
つまり、あなたは今の仕事が楽しくなくて、やり甲斐を見いだせないから、コンビニのおにぎりや会社への泊まり込みがつらいんじゃないかと思うんです。仕事が好きで楽しければ、食べる時間や寝る時間がなくてもやってしまうものではないかしら。
「あれを乗り越えた」という自信は、今だからつくれる
次に、仕事を丁寧にできる職場が仮に見つかったとしましょう。でも、納得いくまで時間をかけて仕事をしていたら、毎日徹夜や泊まり込みで、食事の時間も取れないかもしれません。結局、今の職場と変わらずに、また同じ悩みが出てくるのじゃないでしょうか。
それから、たくさんの仕事を回して行く方が、会社としては利益が出る訳で、ひとつひとつの仕事に時間をかけていては利益になりません。だから、あなたのお給料はうんと下がるか、もしくは自分のお給料分を稼ぐために仕事を回すようになって、結果的に同じ思いをするようになると思うんですよ。
忙しいことは決して悪いことじゃなく、猛烈な忙しさの中で仕事をこなせるようになった自分を発見できるんです。こういう経験をしていると、後で忙しい思いをしても「あれを乗り越えたじゃないか」って自信になるけど、もし10年、20年後に初めて忙しい思いをしたら倒れちゃいますよね。今は21歳なのだから、毎日泊まり込んででもたくさんの仕事をすればいいと私は思うんですよ。
私の実感から、忙しいという状況は、次に何をするべきか、常にスイッチを切り替えながら脳みそがフル回転するので、頭がよくなりますよ。私は子供の頃からのろまなタイプだったんですが、脳がトレーニングされて、同じ仕事量をこなすにもスピードアップしました。短時間でいかにいい仕上がりの仕事ができるかを訓練できます。後になったら、忙しかったことは「青春だったなあ」みたいな笑い話になりますよ。その忙しさをくじけずに乗り越えてきた人たちが、人の上に立つ人になると思うんです。頑張ってくださいね。