「階段から落とす」以外の方法を考えよう
7 人で楽しい職場にすればいいじゃない。りんごはひとつ腐ってると、回りがみんな腐っちゃうから取り除かないとね。とは言っても階段から落としたら後から大変なことになっちゃうしな。7人で会議を開いて知恵を出し合ってさ、他の会社に飛ばすか、嘘のヘッドハンティングをさせるとか、その中で一番いい方法を試してみればいいんじゃない?
まあ、7人が結託していることがわかっても、こういうヤツは変わらないだろうけどさ。人の失敗を責めるってことは、回りの人たちは失敗してるわけだな。ってことは、こいつは仕事がデキるヤツなんだろう。じゃあ、7人が束になってかかっても苦しいかもな。そうしたらこいつにひれ伏すしかないかもね。
それに、あなた以外の営業6人が彼のことをどう思ってるかもわからないところだね。本当は「関係ないや」と思ってるかもしれないしね。営業ってだいたいは外に出て売り上げてくればいいわけでしょ。だったら、一人で成績を上げればいいことで、同期のことをガタガタ言うのもどうかな。職場を良くしようなんて考える前に、自分の仕事だけやっていればいいんじゃないかなあ。
異端分子は褒めちぎって独立させちゃおう
僕が以前勤めていた宝石会社もそうだったけど、10人くらいの小さな組織だと、営業の中でも確執があるんだな。僕がデザインした宝石を誰が売りに行くか、年功序列で決まるみたいな力関係もあったりね。100人規模の大きな会社になれば違うけど、小さい会社ほど細かな人間関係が目についちゃうものなんだね。上司じゃなくて同期に失敗をどうこう言われるなんて、象徴的なことのような気がするな。それがイヤなら、大きい会社を受けてみることだね。
でもさ、きついことをハッキリと言ってくるヤツって、実は優しいんだよね。ハッキリ言ってくれるだけよくわかる。普通は言わないでしょう。自分さえよければいいって思うような営業仲間だったら、そんなキツイことは絶対言わないよ。失敗したことを何も言われずに過ごそうとすること自体がいけないわけさ。
もちろん、何とかよい雰囲気にしたいというあなたの考えは素晴らしいよ。だけどさ、こいつみたいにキャラクターが変わってる異端分子って、才能があるヤツだったりするじゃない。だから、この異端分子を一人で独立させるって手もあるな。「お前はこんな所に収まっている器じゃない。もったいない」と言って、7 人ではっぱかけてみるとかね。そうだよ、相手を褒めちぎり、独立させちゃえ。それがいいや。