転職の成功は、足もとを見つめ、先の見通しを持てるかが鍵
私自身、転職経験者です。検事といえば、安定した公務員で高収入。しかも、女性登用の波に乗って「女性初」のポストに抜擢され、恵まれていたはず。なのに、へそ曲がりの私は、このままお飾りポストが続くことに疑問を感じ、せっかくの経験を弁護士になった方が活かせると考え、思い切って転身したのです。周囲は猛反対でしたが、夫は賛成してくれました。生活の不安はなかったことがラッキーでしたね。
私の周囲には、たくさんの転職経験者がいます。転職を繰り返す人の特徴は、今に不満が多いこと。一方、ステップアップできる人は、当面の生活の心配がなく、自分自身の価値をきちんと見定め、それを先に活かせる見通しを立てています。今の自分の価値を測るというのは、なかなか厳しいことですが、足もとを見つめていないと、転職してもこんなはずではなかった、ということになりかねませんよ。
あなたの場合は、今の現実から逃げたいけれど、キャリアに傷がつきそうでためらっているように見えます。確かに、女性が能力を発揮しようとしても、まだまだ厳しい世の中。でも、ベストな会社にたどりつくまで転職を重ねるのは難しいですよね。お手本にしたい先輩女性や相談する相手がいるといいのですが、問題の原因があなたにあるのか、会社なのかを見極めて解決のめどを立てておかないと、転職しても幸福の青い鳥はいませんよ。周囲から、あなたの評価はどうなのかを確認してはいかがでしょうか。
恥をかくことを恐れず、ストレス耐性を高めましょう
また、キャリアに傷をつけないという発想は後ろ向きな気がします。特に、会社が原因の転職であれば、そんな心配をする必要はありませんよ。ただし、あなたに問題がある場合は、ストレスの原因は何かを見つめ、ストレスへの耐性を高める必要があるかもしれません。まじめな優等生で、今まで真の挫折経験が少なかったのだとすると、人間関係や仕事の「不出来」をあまりに悩みすぎて自信喪失していたり、上司からの叱責に対する耐性が低くなってしまうことも考えられますからね。
人はまじめであるほど、恥をかくことや仕事ができないことを恐れます。しかし、それを避けていては強くなれません。まず、意識的に恥をかきましょう。仕事でわからないことは、自分で努力するとともに、恥を忍んで質問してみる。そして、恥をかいてどん底気分を味わい、乗り越えれた経験こそ財産となるのですよ。その後は、壁にぶち当たっても「あの時より大変だ」「それほどでもない」などと、客観的に判断できるようになりますから、それができれば乗り越えたも同然です。
ところで、なにかストレス発散法をお持ちですか?私は、水泳です。なにもかも忘れて水中の感触を楽しみ、身体をくたくたにさせてリフレッシュしています。ペットや趣味など、自分の弱さをさらけ出せたり、癒されるものを見つけておくことも現代社会では必要でしょうね。お酒も適度ならいいのですが、なにごとも過度は禁物なので、依存にならないようにくれぐれも気をつけて