本当の悩みをオブラートにくるんでない?
あのね、僕があなたの考えを「いけない」って否定したら、「すみません、改めます」ってことになるのかな?そうじゃないだろ。あなたの本音は、のんびり働くことの是非を問いたいんじゃなくて、「このままだとリストラに合いそうで不安なんです」ってところにあるんじゃないのかい。そうでしょ。
本当の悩みをオブラートに隠してるような気がするんだよ。人生相談ってみんなそうなんだ。「この問題を自分はどうすればいいのか」じゃなくて、直面している問題を自分から遠いところに置いて、一般論や観念論にすり替えるんだ。自分のような人たち全般の意見として聞こうとする。だから、相談された方も「こうしろ」とか「こうなれよ」じゃなくて、ワンクッション置いて答えるわけだよ。
でも38歳だったら、そろそろオブラートをはぎ取って、「で、俺はどうするんだ」と、二者択一をしなきゃならない時期でもあると思う。自分に向き合った経験のない中高生じゃないんだから、向き合い方はわかってるはず。ただ、それがおっかないだけなんだ。ここでしっかり向き合えよ。
決断って手術みたいなもので、しないですんだり、薬で治るものならその方がいい。だから、まずは一般論でない、自分自身の問題としてきちんと向かい合うことだよ。のんびり働くことがいいか悪いかじゃなく、「リストラの対象になること」が一番の問題なんだ。そこから必要だと感じたら決断をする。プレッシャーや責任、リスクも伴うけど、人生の中に一度や二度は、決断しなきゃならないことがあるものなんだ。
悩みの渦中にいると「決断」が大きく見えてしまう
現実問題として、成果主義になったのだから、のんびり働いていたらリストラになるだろうね。社長が代わってリスクが出てきたわけだから。後はあなたの価値観次第だよ。のんびりペースを守って働けるような会社を探すのか、自分には向かないけど会社に残るよう頑張るか、そのどちらかの選択肢なんだ。のんびりがいけないことはない。みんなそうでありたいと思ってるさ。でも、そうできない現状にあるわけでしょ。
営業職で38歳ってことを考えると、僕だったら残ることを優先するな。「のんびり働きたい人募集」なんて現実的にはないと思うもの。今まで営業でのんびりやってこれたこと自体、幸運だったんだよ。成果主義の新社長が来たってことは、相当なテコ入れなんだろうな。会社の業績が、かなりヤバかったんじゃないか?
と言いつつ、僕は会社を辞める時、1日で決めた。「こんな会社にいる必要ない!」って、会社の原稿用紙に辞表を書いた(笑)。かなり衝動的だったよ。でも、人からは大きな決断に見えても、当の本人にしてみてば我慢できなかっただけで、そんな意識を持ってなかった。振り返ってみると、「あの時の決断が俺を変えたんだな」とは思うけどね。
だから、端から見て「スゴイ決断」ってことでも、本人はそう感じてないんだと思うよ。それこそ「そこに山があるから登りました」みたいにね。悩んでる渦中にいると、「この決断はとっても大きいんだ」って頭でっかちになって、判断できなくなる。だから人に相談して逃げようとしちゃう。自分で向かい合って決断するより人に聞きたいんだよな。
でも、迷ったり悩んだりする時こそ自分と向き合えるわけで、それって大事なことだと思う。そして、人に相談するなら、「会社を辞める」って土台の部分は自分で決めて、「半年間、失業保険はあるけど、どうやっていこう」とかっていう「HOW TO」の部分を人に相談するんだよ。「辞めるか残るか」はあなた自身の問題なんだから。
「自分と向き合うのも怖いし、向き合わないと決断できないしどうしよう」なんて悩みは時間のムダ。そんなに時間は残されてないぞ。もし転職するのなら頑張らないと。