ぜひ、子持ちの管理職に!
どちらかひとつに決めようとしないで、両方を取ってみてはどうでしょう。「もうすぐ昇進」というひとつの仕事の山場を迎えているとのことですが、これから何年か仕事をしていくと考えると、どの仕事にうつっても、山場は何度もあるものです。ひとつの山を避けたつもりになっても、またやってくる。だから、今、目の前に見えている山に対して考え込んで回避しようとするよりは、両方をやってみればいいんじゃないかと思います。「案ずるより産むが易し」とはよくいったもので、産まれると、意外とクリエイティビティが発揮できて、工夫した新しい人生を楽しめるものです。
それに出産は、予定日よりうんと早く産まれる可能性だってあるわけです。だからこそ「いつでもいい」って、自然に任せた方がいい気がします。私が一人目の子を妊娠したのは、南アフリカの総選挙が近づいていたとき。ニュース番組のリポーターとして、歴史的瞬間の現場を見たい気持ちと、大きなニュースでアピールできるという意味で、ぜひ手を挙げて取材をしたいと思っていたときでした。
そんな中、妊娠がわかり、一瞬「あ、あの取材には行けないんだ」と思いました。でも、「世界中にはたくさんニュースがあるんだから、またチャンスが巡ってくる可能性だってある」と、ポジティブに考えていく方向にしました。また、仕事を捨てることも、考えませんでした。仕事への喜びも誇りも感じていたので、辞めるという選択肢は頭に浮かばなかったし、専業主婦にならないのなら、それだけ価値ある仕事をしようと、心に誓ったからです。そして、仕事を続けることで、私自身が成長し、いいお母さんになるように自分を高めていこうと考えるようにしたんです。
管理職の方が、子育てはしやすくなります
イー・ウーマンサイトに集まる働く女性が1200人以上回答した調査で、興味深いものがあります。「子どもを産んだことが、仕事にどんな影響を与えましたか」という質問に、6割近くの女性が「プラスになった」って答えています。逆に、子どもを産んでいない女性、これから産みたいという女性は、半分以上の人が「マイナスになる」と答える。
もちろん、仕事も子育てもすべてがいつも順風満帆ということではありません。でも、子どもを育てながら、プラスの学びがいっぱいある。仲間も、ここにいます。会社と家庭の二つの場を持つ、というのは、とても幸せなことだと思います。
そう考えると、管理職になった方が、「使われる身」から「人を使う身」になりますから、実は子育てが楽になりますよ(笑)。会社で前例があるかどうかは関係ありません。ぜひ管理職になって、自分からどんどんルールを変えて、上手に仕事と子育てを楽しんでほしいと思います。