一人の人と仲良くなるのも時間がかかる
人見知りが激しいのに営業ができるなんて、たいしたものですよ。でも、いくら仕事でたくさん出会いがあるといっても、仕事で知り合った人たちと友達関係には発展しにくいですよね。私だってそう。一人の人と仲良くなることって、とても時間がかかることだし、先を急いでもいいことはないと思います。
今、私には幼稚園に通う息子がいるんだけど、彼を見てると、友達の輪の中に「いーれて」「いーいよ」って言いながら入るんですね。そういうのができるのって、幼稚園生くらいまで。それ以上になると、入りたい仲間の輪に気を配りながら、タイミングを見計らって、もう少し自然に入るようになるでしょ。縄跳びのような要領で。あなたは、いじめられてしまったことで、それがずっとできなかったのでしょうね。
私は子供の頃から、友人はいてもいなくても気にしないタイプだった。でも、プライベートで仲良くなりたいと感じた人がいたら、メールをしたり、さりげなく「仲良くしたい光線」を発しますよ。それくらいはしたほうがいいんじゃないかな。もしかして、会社の飲み会にも行かないで、まったく周囲とつき合いをしてないのかしら?
喫煙室から出てくる同僚を見て疎外感を感じるっていうのは、ちょっと重症のような気もするな。確かに、若い頃は自意識過剰になることはあるけど、あなたはずっと昔のままのこだわりに囚われて、先に進めないのですよね。
留まっているだけでは何も変わらない
実は私も、その場に留まっているだけでは状況が変わらないから、こだわりを流さなきゃならないって、ある専門家の先生に相談して気づいたんですね。私の場合、トラウマは母親だったんだけど。先生に話を聞いてもらいながらも、落ち着いたと思うと、また感情がぶり返してきちゃって、長い間その繰り返し。でも、それは仕方ないことで、根深い心の問題って、繰り返しやらないと克服できないことなんだとわかったんです。
あなたも、たとえ外見では営業ができるようになって取り繕ったとしても、つらかった過去の経験を消し去ることはできないでしょ。だから、口惜しかった思いや、そういった感情を一度吐き出して、誰かに聞いてもらうことも必要なのじゃないかしら。たとえ、カウンセラーのような専門家にお金を払ってでもね。
そして、いじめられてた頃の担任の先生とか、当時の友人、あなたをいじめた本人にも、会って話をするといいかもしれませんよ。自分にとって苦痛だったことも、案外、相手はいじめるつもりはなくて、ノリでやっていたのかもしれないし、もしかすると「悪かったと思ってる」と謝ってくれるかもしれないでしょ。そうすると、あなたの気持ちも大きく変化するのではないかしら。
私も、20年ぶりくらいに同窓会で担任の先生に会った時、「実はあの時こうだった」なんて、知らなかったことや忘れてたことを話してもらって驚いたんですよ。まだ25歳のあなたにとって、当時を振り返ることはつらいことかもしれない。でも、こだわって留まっているだけでは、何も前に進みませんよ。