叱ってちょーだい

毎回著名人にあなたの悩みをぶつけていただく、このコーナー。熱く、愛を持ってお答えします。
悩
「社長がプライベートの世話を全部任せてきます…」

元上司の誘いで転職し6年。ところが、現職場の上司(社長)が公私混同し始め、プライベートの事も任せてきます。拒否しましたが、奥さんが外国人で何も出来ないと生活費の振り分けや雑務まで。また、役職をつけて電話対応も私の携帯へ24時間転送。賃金は上がらず、私にも家族や生活があり、つき合いきれません。転職を考えていますが、動けない状態で疲れています。(総務・経理・40歳・男)

社長も会社もあなた次第で変われるのです。
今週の叱り役

株式会社オリエンタルダイニングアンドリゾーツ CEO
尾崎友俐

information
『通いたくなるレストラン』
(しののめ出版)

注目の飲食店プロデューサーだからこそ知っている、尾崎さんお気に入りの美味しいお店が満載。友達を誘いたい!自分だけの隠れ家にしたい!グルメ情報誌では味わえない、個性的でバラエティ豊かな店は必見。
こちらのURLでは尾崎さんの日記が。
http://blog.livedoor.jp/
yuriozaki/
1968年、東京都生まれ。幼少期よりフルート、ピアノに親しみ、高校ではヨット部に所属。桐朋音楽短期大学卒業後、歩合制営業職などを経てバックパッカーで世界40カ国を回る。七輪焼肉店をオープンさせ大ヒット、次々と多国籍レストラン、串焼き店などを展開、現在は飲食店やイベントのプロデュースをする。テレビ番組『マネーの虎』など、マスコミでも活躍。

プライベートを任されるのは信頼の証拠

まずは携帯の電源を切りましょうよ。24時間対応しなければいいじゃないですか。通常のサラリーマンの勤務時間内だけではどうかと思いますが、たとえば夜の 10時以降はオフにするとか、常識的な時間帯で対応するようにすれば、少しは気持ちもラクになるでしょ。世の中には、相手の都合なんてお構いなしにかけてくる人がいますが、私は自分のペースでやっているので出ません。非常識な時間にかけてきたらなおさら。「かける時間帯を考えてほしい」と訴えてみてダメなら、そうやって出ないことです。「どうして出ないのか」を聞かれたら、「出たくなかったから」と答えればいい。プライベートのペースまで振り回されないようにすることです。

動けない状態というのは、まだ社長に転職したいことを言えてないのでしょうか。こうやって誰かに相談すること自体、あなたの気持ちが社長から離れているのだから、早くきちんと伝えた方がいい。でも、社長にしてみれば、プライベートをさらけ出しているということは、あなたのことをものすごく信頼しているんですよ。あなたが去ってしまったら、相当なショックを受けるでしょうね。まあ、そうやって社長って強くなっていくんですけど(笑)。

私の知り合いの経営者には、秘書に対して公私混同している人ってけっこういますよ。会社の経理と家の経理はもちろん、奥さんや愛人の連絡まですべてやらせていたり。愛人との連絡係なんてひどいなあと思うけど、当の秘書の女性は、社長にそこまで頼りにされて嬉しく思っているみたい。あなたは賃金が上がらないと嘆いてるけれど、その秘書は普通の会社員程度の年収で何でもこなしている上に、その収入でシングルマザーとしてお子さんも育てていますよ。恐らくその方のお子さんに何かあった時には、社長が惜しみなく援助するでしょう。数十億円の個人資産を秘書に預けていて、「裏切られたら僕は一文無しだよ」って笑ってるんだけど、それくらい強い信頼関係が築かれてるわけで、私から見るとすごく羨ましいです。

問題はどこまで社長や会社に惚れ込んでいるか

あなたも社長から心底信頼されているのだから、やろうと思えば、あなたが社長を操縦することだってできるんですよ。社長を育てるのも会社を育てるのも、結局は二番手の力って大きいと思うんです。あなたは経理の全てをやってるのだし、会社を動かそうとすれば動かせる立場にいるのに、今のままじゃちょっと受け身すぎるのではないかしら。要は、社長や会社に惚れて入れ込むことができるのか、それとも6年間一緒にやってきた社長を見捨てるのか、あなたの気持ち次第なんですよ。変わるのは自分。周りや誰かが変わってほしいとか、人に何とかしてもらおうなんて都合よくはいきませんよね。

ついていけるだけの価値がある経営者かどうかを見分けるには、私なりに一緒に仕事をしたい経営者の基準があります。厳しすぎて参考にならないでしょうけど(笑)。まず、社長自身が魅力的で尊敬できる人じゃないとイヤだし、修羅場をくぐって、その修羅場から這い上がって来た人じゃないとダメ。同志と思えないと仕事もやる気になりません。修羅場をくぐる体験をしてきた人って、それだけトラブルの対応にも慣れているし、人間的に成熟してますからね。

私の場合は、ほったて小屋のような店を仲間と手づくりで内装した焼肉屋からスタートして、12店舗まで飲食店を拡大した2001年、狂牛病事件が発生した。そのニュースを知った瞬間、焼き鳥店にすることを決め、わずか3日間で一気に業態変革したんです。その時は修羅場でしたよ。仕入先やいろんな人に頭を下げまくって、スタッフはごっそり辞めてしまったし。でも、会社のためスタッフのためを考え、意を決して行動したわけで、非難されても「すべて会社のためだしあなたたちのため」って言える。あなたも何故社長についてきたのか、社長とともに修羅場をくぐるだけの覚悟は持っていないのか、考えてみてはどうかしら。

EDIT
マインドシェア
WRITING
羽塚順子
PHOTO
岡本寛

会員登録がまだの方

会員登録(無料)

会員登録がお済みの方

「今すぐ転職」にも「いつかは転職」にも即・お役立ち!リクナビNEXTの会員限定サービスに今すぐ登録しておこう!

1転職に役立つノウハウ、年収・給与相場、有望業界などの市場動向レポートがメールで届きます

2転職活動をスムーズにする会員限定の便利な機能

・新着求人をメールでお届け

・希望の検索条件を保存

・企業とのやりとりを一元管理など

3匿名レジュメを登録しておくとあなたのスキル・経験を評価した企業からスカウトオファーが届きます

会員登録し、限定サービスを利用する

※このページへのリンクは、原則として自由です。(営利・勧誘目的やフレームつきなどの場合はリンクをお断りすることがあります)