叱ってちょーだい

毎回著名人にあなたの悩みをぶつけていただく、このコーナー。熱く、愛を持ってお答えします。
悩
「ワンマン社長にうんざりです…」

前の会社は規模が大きく、現場の意見がなかなか通りませんでした。もっと風通しのいい会社に、と思い、従業員数の少ない会社に転職したのですが…。入ってみると、社長のワンマン経営で、意見を聞いてもらえることは滅多にないんです。これでは、前の会社と変わりません。もう一度転職した方がいいでしょうか。(エンジニア・30歳)

覚悟に勝る決断なし!!
今週の叱り役

シダックス野球部監督
野村克也

1935年、京都府生まれ。高校卒業後、南海ホークスに入団。26年間の現役時代、生涯一捕手として貫き、試合数3017試合出場(球界記録)、打数歴代1位などの輝かしい成績を残す。ヤクルト監督時代には4度のリーグ優勝・3度の優勝に導き、「野村ID野球」としてその手腕を世間に知らしめた。2003年より、社会人野球・シダックス野球部の監督に就任。

調査不足が失敗の原因

そもそも、小さい会社だから風通しがいいだろうと思って選ぶこと自体、間違いだ。どういう会社で社長はどんな人なのか、よく調べなかったことが失敗の原因。もしまた転職するならば、今回の教訓を活かすこと。転職するかどうか、それはあなたの判断と決断ひとつでしょう。

とはいうものの、これは社長が悪いわな(笑)。ワンマン社長というのは、すべてを把握しないと気が済まない。つまり、部下に任せるだけの度量がないわけで、社長になるべきでないんです。これじゃあ、部下も会社も伸びない。社長自身が変わってくれるのが理想だけれど、こういう人を変えることは非常に難しい。

辞める気で社長に立ち向かってみる

どうせ転職しようかと考えているなら、その前に戦略を立てて、いくつかの手段を試してみてはどうだろう。たとえば、何かひとつ、社長に勝てるものをつくってみる。こういった社長は、意外と気が小さいから、自分がかなわないものを持つ相手に対しては一目置いて、ワンマンな態度にはならないもの。だから、会社のために大きな仕事を取ってくるとか、システムをつくるとか、会社へのすごい貢献度を示して見せればいい。

もしくは、社長の弱点を見つけて、そこを突くというのもひとつの手。どんな人でも弱点は必ずある。こういう人は、自分の弱点を隠そうとして、強気に振る舞ってるんだよ。「敵を知って己を知る」で、相手を調べれば、そこから自ずと戦略と戦術が生まれてくる。弱点を突いて「ぎゃふん」と言わせればいい。

恐らく、周囲の人たちも社長に向かっては、当たり障りのない、気持ちのいい言葉しか言ってないはず。だから、社長も余計つけ上がるんだ。かつて僕は、オーナーの立場の人と3時間激論したことがある。相手は経営のプロだけど、野球については僕が専門家。だから、野球に関しては譲らず、機嫌を取るようなことを一切言わなかった。その場では、オーナーも激怒したけど、後でオーナーも「あいつの言うことは正しい」と認めてくれて、それをきっかけに編成部の大きな意識改革になった。

あなたも覚悟を決めて、激論をかわしてみてはどうだろう。「社長は間違っています」と、膝をつきあわせて組織論とリーダー論をぶちかます。こういう社長は、理路整然と正論を言われることに弱い。もちろん、それなりの準備も必要だけど、「覚悟に勝る決断なし」。いい会社にするには、勇気ある風雲児も必要です。

EDIT・WRITING
羽塚順子
DESIGN
ITコア
PHOTO
岡本寛

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