未来は自分が想像しているとおりになりません
これはあなたにしか決められないことですよ。海外で具体的にどんな仕事がしたいのかはわかりませんが、旅行じゃなく、しっかりと一人で生活していけるよう、準備も覚悟もして行かなくてはならないわけですから、生半可な気持ちではできないことだと思います。しかも、相談するなら、私にじゃなくて、塾長に正直に話してみるとか、実際に海外で働いている女性に、生活や年収のことを聞いてみたほうが、よっぽど役に立つと思うけどな(笑)。
ただ、あなたの気持ちは私にもわかります。今のあなたの29歳って年齢を思い返すと、私自身、すごく不安でした。二度と戻りたくないくらいに。多くの独身女性がそうだと思うんですけど、「もう結婚しなきゃ」とか、「子ども産まなきゃ」とか、年齢的に最後のチャンスのような気がして、「今のままじゃ、まずいかも」と、迷いが生じちゃうんですね。私なんか、「今は不安でも、きっと30代半ばを過ぎれば、結婚、出産をして、病院も開業できるはず」と願って信じてましたもん。まさかタレントとしてテレビに出ているとは、予想もしてませんでしたよ。
つまり、5年、10年先って、自分が想像しているとおりにはならないんですね。私は想像どおりにならないでよかったとも思っています。そのとき自分がいちばん欲しいと思うものを取って、あとは神様に委ねるしかない。先のことをあれこれ悩んでいる時間がもったいないかもしれません。ただ、何もリスクヘッジせずに30歳を迎えてしまうのはヤバいと思いますから、その準備さえしておけば、30代になって、だんだんと気持ちも楽になっていくんじゃないかしら。
正社員になることでリスクヘッジを考えましょう
では、そのリスクヘッジをどうするか。塾で正社員になって、お金を貯めたらどうでしょう?そもそも、正社員になるからといって、海外勤務の夢をあきらめる必要はないですよね。それに、「1000万円の貯金があります」というのなら別ですが、海外で暮らそうとするなら、ある程度まとまった資金が必要ですよね。正社員として働きつつ、1〜2年は海外勤務についてよく調べ、いい仕事が見つかったら、満を持して転職すればいいじゃないですか。もし、海外でうまくいかなかったとしても、そのときは塾の正社員に戻れるように取りつけておくことだってできると思います。
それに、ただ英語ができるというだけじゃ、転職する武器としては弱すぎますよね。海外で採用してもらえないんじゃないでしょうか。だから、正社員として働く中で、何かもうひとつ違う武器を身につけるようにするんです。例えば、生徒を上手に教えて、成績やモチベーションを伸ばすスキルだっていい。「それならぜひ来てほしい」と、求められるようになって、受け皿ができてから、辞めたほうがいいですよね。
私の場合、医者としての目標はありますけど、タレント活動は完全に趣味だと割り切っているんです。趣味は楽しくやれればいいですが、医者としては嫌なことも我慢しなくちゃならないし、努力も必要です。あなたも海外勤務したいと本気で目標を持つなら、そのための資金を貯めて、スキルを磨き、情報も集めなきゃならない。忙しいですよ。あとはどうすべきか頭をよく働かせ、自分で決めてください。