周囲からの雑音に対処する術を身につけよう
「働け」と言ってくる人に「何で働かなきゃならないんですか」なんて質問を投げかけても、もめるばかりだから、働いてるフリをして「つらいっすよねえ、世の中」なんて、社会人らしい言葉をたまに会話に挟んでいけばいいんじゃないかな。「景気はどうです?」なんて、逆に聞くくらいになれば、もうバッチリでしょう。
周囲からの雑音と闘わなくちゃ。フリーターであることをマイナスだと思っているようじゃ、「グレートフリーター」にはなれないよ。とやかく言う人と、いちいち同じ土俵に上がって対決してもダメだよ。雑音は聞かないか、ごまかすか、嘘をつくか、その人たちをかわす術を身につけたほうがいいだろうね。自分がやりたいことをやることが重要なんだからさ。
どこかでフリーターでいることが恥ずかしいと思っていて、人にそう呼ばれた時、後ろめたさを感じる部分があるんじゃないのかな。それって、自分の心の中に原因があるからで、人と比べることさえしなければ、ずっと自由でいられるんだけどね。働いてる人と比べるから、悩みが出てくる気がするんだけどな。比べないようにするのも努力がいるんだよ。
自分の中の不安に打ち勝てれば大丈夫
俺は27歳まで仕送りをもらってたよ。ずっと大学に行ってるもんだと思われてて、けっこうリッチな生活をしていたんだよね。俺から「もういい大人なんだから、お金を振り込まないで」って言ったら、親孝行じゃなくなっちゃう。親はそこで息子とつながってると思ってるかもしれないものね。俺はそのままにしておいたほうがいいと思って、お金を使ってたよ。
だから、家にずるずるいる人ほど親孝行だと思うんだ。世の中の人は親孝行じゃないから自立しちゃうんだもの。親も「子どもは自立していくものだ」と思って諦めて生きてるんだ。一般の人は、「自立しないこと」に不安になって働くんだから、あなたにはそうならないように頑張ってほしいなあ。敵は自分の中にいるわけで、不安になることが一番の敵だからね。経済的に大丈夫なんだったら、その不安に打ち勝てばずっといけるよ。
昭和30年代の映画なんかには、江戸時代の浪人が主役で出てくるけど、ぜひ観てほしいな。定職に就いてない浪人は、昔のフリーターだからね。役職を突きつけられても「あばよ」って去って行く。あくせく働いてる町人や商人よりずっとカッコいい。みんな、憧れても結局はそうなれなかったんだ。その孤独に打ち勝つことって、すごいことなんだよ。己の不安に負けるんじゃないよ。