鮭がもがいて上流に進む姿は美しい
「楽しませよう」「盛り上げよう」って思い込むから、コミュニケーションが難しくなってしまうんです。まずは、相手の目を見て、きちんとした姿勢で話すこと!
調子のよさより、誠実さをアピールしましょう。鮭が産卵のために必死になって、下流から上流に水の中をもがいて進む姿はとても美しいものです。人に調子を合わせて、流しそうめんのようにスルスルと流れにのって話すより、現実と向き合って、たとえ少しはつっかえても、自分の言葉で話すのは素敵だと思います。
ただ、そんな美しい鮭になるためには、しっかりとした「自分」を持っていなければダメ。まずはあるがままの自分を受け入れて、それを相手に伝えるようとする気持ちが大事なんです。
以前、初めてのお客様で、ギラギラした時計やアクセサリーをつけて、夜なのにサングラスをかけてくる方がいました。「危ない人かしら」って一瞬思ったんだけど、実は銀座の街で遊ぶのが始めての方で、虚勢を張っていたんですね。話してみたら、とってもいい方だったんだけど。いいカッコしたり無理してみても、誤解を生むだけなんです。
自分はどんな人か知ることから始めて
だから、まずは自分がどんな人なのか知ってほしい。「好きな言葉」「好きな人」「好きな食べ物」……自分について一生懸命考えてみてください。自分がどこの川に辿り着きたいのかが見えないのなら、いろいろな川を泳ぎ続けてください。
鮭は産地で味も変わるし、塩、醤油、ポン酢など、味付けによっても様々な姿に変わる。自分はどんな川を泳いで、どんな味付けをすればいいのか、問いただしてみましょう。そして、自分が見えてくると、言葉にも力が出てきて、きっと自信を持って人と話せると思いますよ。