違う世界の人に目を向けてみましょうよ
10 人も秘書がいるなんてスゴい会社だわね。でも、私が思うに、あなたはきっと10人の中でも魅力のある、心のキレイな子なんだと思うわ。「私は秘書よ!」みたいに、エラそうな子じゃないんでしょう。上司にも大事に思われているんじゃないかしら。だから同僚の女性に誘われないのよ。女って敏感だから、そういうことがわかるのよ。
とにかく笑顔だけは絶やさずに、平常心を保つように練習することね。どんなことがあっても笑顔さえ忘れなければ、幸せが寄ってくるのよ。いじめられるかもしれないけど、それ以上に上司からは信頼を得られると思うわ。残りのみんなとあなたは違うんだから、何もその場にとらわれずに、違う所に目を向けて、違う世界の人と付き合えばいいと思うのよ。自分が変わろうと思ったときは、違う世界の人と話すのがいちばんよ。
私も今までずっと、「こういう人と出会いたい」って願うと必ず叶ってきたのよ。毎月、月末には「絶対会いたい」ってひたすら願って、月が変わったら「さあ、必ず出会えるぞ」って、あたかも実現するように気持ちを切り替えるの。小さい頃からお月様やお星様に願いをかけてるしね。そうすると、不思議なことに本当に願いごとってかなうものなのよ。
本当に知り合おうと、自分から前に出なければ出会えない
そうやって、今まで著名な方たちとたくさん知り合って、たくさんお話を聞いたわ。そして素直に感激しちゃうの。「わあ、すごい!」って。自分にないものを持っている人や、一緒にいると素直になれて恥をかける人と付き合えばいいのよ。嫌いな人とは付き合う必要はないんだから。そのかわり、本当に出会いたい人とは、自分から知り合おうとして前に出て行かなきゃ出会えないものよ。
ただじっとしているだけじゃダメで、自分から一歩を踏み出してごらんなさいよ。会社には他の会社の人も訪ねてくるだろうし、電話をすることもあるでしょ。あなたのいる秘書室だけじゃなく、もっと視野を広げなくちゃ。世の中には何万人もの人たちがいるのよ。その中でひとりだけいい友達に出会えればいいんだから。
あとね、自分から前に出れば、人ばかりじゃなくて思いがけないところに出会いがあったりするものなのよ。私は更年期障害で苦しんでいたとき、毎日通っていたジムで、ある日ふと見たらダイビングの案内が目にとまったの。瞬時に「これ、やろう!」と決めて、そのときからダイビングが生涯の趣味になったのよ。毎日目の前にあっても、自分が知ろうとしないと気づかない情報ってあるのよ。