親はみんないつまでも子どもが心配
確かに、ひとつの会社にいたら、ご両親は安心するでしょう。その気持ちはわかるけど、親は最後まで子どもの面倒を見られるわけじゃないし、あなた自身の人生なんだから、そこまで言いなりになることはないわね。
親が子どものことを心配するのはあたりまえ。とりわけ、こういったご時世だから、「うまい話にだまされてるんじゃないか」なんて、余計に心配なのよ。でも、たとえだまされていたとしても、それもひとつの経験なのよね。苦労も必要なのよ。だから、獅子はわが子を谷に突き落とすんですもの。
私が、あなたの両親に会おうかしらね(笑)。「お子さんを信じてあげなさい。縛らないで」って言ってあげたいわ。「本当に子どもがかわいければ、夢を見させてあげなさい」と。「でも、“傷ついたときは帰っていらっしゃい”って言ってあげられるようじゃなくちゃ」とも言うわ。あなただって、ご両親にその台詞を言わせるためには、思いつきで転職をしたいと言ってるのじゃなく、考えてきた結果なんだと、きちんとその理由も説明しないとダメよ。
具体的に何を求めているのかを話しましょう
ただ「転職したい」「やりたい」だけでは説得力がないわよね。何かが欲しいときは、ただ「欲しい」と言うだけじゃなく、具体的に何を求めているのかまでを言葉にしなくちゃね。
その後で「今はただ見守っていて」と頼めばいいじゃない。もちろん、すべてがうまくいくとは限らないから、失敗するかもしれないけど、そういう経験をすることで大きくなっていくのよ。親子断絶もあり得ると覚悟して、そこでごまかそうとしないで、すべてを打ち明けることね。
そして、ご両親が心配してくれることに対しては、素直に「感謝している」と伝えなきゃ。その上で、「もしもボロボロになってしまったら、受け止めてほしい」って言えば、お母さんは、ほろっときて、「いつでも帰っていらっしゃい」と言ってくれるんじゃないかしら。そうすれば、あなたも自分の行動に責任を持って、次の仕事に向かえると思うの。
残念ながら、私は実際にご両親には会いに行けないから、親戚のおばさんとか、ご両親と親しい人がいるのであれば、あなたとご両親だけで平行線になっていないで、力になってもらったほうが賢いと思うな。ひとりで頭でっかちにならないで、頭とハートは柔らかくしておかないとね。ついでに体も柔らかいほうがいいわよ(笑)。水をはじかずに、スポンジや土のように、スーッと吸収しないとね。