仕事ができることを周囲にほめてあげたら?
銀座の高級クラブで働いていた頃、ホステスとして来るのは、容姿は綺麗でもプライドの高い子が多かったの。そういう子たちに、挨拶の仕方や座り方から会話の気配りまで、細かく教えてたのよ。でも、プライドが高い子って言うことをきかないから、客とトラブルは起こすし、周囲とも折り合いがつかずに浮いちゃう。私の元に「あの子を辞めさせて」って苦情が来る。そんな子は、食事に誘って飲みながら話すといいのよ。多分、あなたはプライドの高い後輩のことを誘っていないだろうし、誘っても彼は断るんじゃないかしらね。
私なら、自分一人で言ってダメだったら、2〜3人連れてタッグマッチでいくわね。最初は業務命令でもいいのよ。「とにかく一緒に飲みに来い」って。飲めば本音が出てくるでしょ。そこで、何がそんなに不満で人の意見を聞かないのか、後輩の彼の気持ちを言わせる。意思の疎通も全くないまま、言うことを聞かせるコツも何もないのよ。
それに、仕事ができる後輩なんだから、いいところがあるわけじゃない。この後輩が会社の中で孤立してるなら、彼を責めずに、「でも、いいところあるんだ」って、あなたから周囲に言って、上司や部下から守ってあげるのもいいんじゃないかしら。そうやって強い信頼関係ができることだってあるんだから。
トラブルが起きたらフォローしてあげればいい
あなた自身にも後輩にあしらわれてしまう理由があると思うのよ。「何で言うことをきかないんだよ」って、物事を上から言ってるんじゃない? 後輩といっても3つしか違わないし、相手は仕事ができるんでしょ。言うことを聞こうが聞くまいが、仕事ができるってことは、それだけでスゴイことじゃない。その後輩から相手にされないあなたは、仕事のできる先輩なのかしら? 先輩風を吹かせる前に、あなたが仕事できなきゃ、何を言っても聞かないわよ。あなただって心の中では、この後輩に対する劣等感を持ってると思うのよ。
それにね、大きなトラブルを起こさないかと心配してるけど、そんなの先に心配しててもしょうがない。気持ちはわかるわよ。今は上り調子の後輩の彼だって、人生いい時ばかりじゃないから、このままの態度で何かあれば、助けてくれる人もなくてつらい思いをするからね。でもね、もしトラブルになったら、その後をあなたがきっちりフォローしてあげればいいのよ。
私もニューハーフの子たちに何か起きた時、後の処理をしてあげるから、みんなついてくるようになったの。私の言うことも聞くし、助けてもくれる。しかも、私が最初にニューハーフの道を切りひらいてきたから、後から続く若い子たちはやりやすくなってることもあるしね。そういう風に地道に積み重ねてこないと、後輩はついてきてくれないものよ。