叱ってちょーだい

毎回著名人にあなたの悩みをぶつけていただく、このコーナー。熱く、愛を持ってお答えします。
悩
「異業種からジャーナリストを志望」

地域を良くしたいとの思いから公務員になりましたが、何をするにも上に対するご機嫌取りと根回しの世界。旧態依然として、何も動かせないお役所体質にうんざりしています。ジャーナリストになりたいと考えているのですが、全くの異業種からの転職って無理でしょうか?(公務員 25歳)

返り血を浴びろ
今週の叱り役

作家
猪瀬直樹

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●猪瀬直樹さんの公式サイト
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●メールマガジン「日本国研究・不安との決別/再生のカルテ」(毎週木曜発行)
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1946年、長野県生まれ。87年、『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で96年度文藝春秋読者賞受賞。政府税制調査会委員、道路関係四公団民営化推進委員会委員、東京大学客員教授、東京工業大学特任教授など、幅広い領域で精力的に活躍中。

現状突破する糸口を見つけなさい

旧態依然としたお役所体質というのは、確かにそうでしょう。しかしそれは、あなたのいる職場に限ったことじゃない。ジャーナリストになる夢を持っているようだけど、マスコミ報道関係の大手企業だって、ものすごいお役所体質。システムは同じです。憧れの職業に就けたからと言って、その構造から解放されるというわけではありません。

お役所体質は、日本中、どこにでもはびこっている。今のあなたの発想のままでは、ジャーナリストになっても「結局、同じじゃないか」と幻滅することになりかねません。動かせない体質の中にいて、ただ評論家のように文句を言ってるだけじゃなく、突破していく糸口を自分で見つけていく必要があるでしょう。

まずは、今いる職場での問題点をしっかり把握すること。ジャーナリストだって、真っ正面からぶつかるだけじゃダメなんだよ。コミュニケーションや決裁のための回路もひとつじゃない。それを全て解明していくと、職場の権力構造のマップがつくれるようになるし、どの部署の誰に何を言えばいいかが、だいたい見えてくる。そうすれば、わかってもらえる仲間とチームを作るとか、上に提案できる道は必ず出てくるはずです。

固定観念の中で、本当の物語は始まらない

そのためには「石の上にも3年」。最低3年はかかるだろうね。外の空気を吸いたいのもいいけれど、今のまま転職しても、3年やって、またダメだったってことになりかねない。今いる場所で、解決策を見出すことが、ジャーナリストになる道につながると思うし、ジャーナリストになるような人間であれば、自ずと問題解決に向けて動いてしまうはずだよ。

それから「ご機嫌取り」と「根回し」は違いますよ。その二つを同じレベルで考えていること自体、まだよく理解できていないという気がするね。どんな世界でも、自分の意見を通そうとすれば、そのための根回しは必要です。

あなたはまだ、一度も上司とぶつかっていないんでしょう?リスクを取っていないよね。今いる場所で戦っていないんだよ。悪いと思っていた人が、意外と頑張ってくれたり、いいと思っていた人が、実は味方になってくれなかったり、それは本気でぶつかってみなければわからないこと。そのままだと型にはまった公務員から、型にはまったジャーナリストになってしまう。固定観念の中にいるままじゃ、まだあなたの物語は何も始まっていないんだよ。

EDIT・WRITING
羽塚順子
DESIGN
ITコア
PHOTO
岡本寛

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