いつも「今度こそ長く勤めよう」と思いながら、6回も転職してしまいました。飛び込み営業の毎日に疲れ果て、「今度はノルマのない仕事に」とIT会社に転職すると、デスクに向かったままで苦痛になり、「デスクワークは向いてない」と、体を使う宅配便の仕事に変えたら、毎日筋肉痛でボロボロになったり。結果、次に応募する履歴書に一貫性のない職歴を書くのが恥ずかしく、何をどうしたらよいのかわからなくなり、落ち込んでしまいます。どうすれば長く勤められるのでしょうか。（転職活動中　26歳　男性）

6回転職したバイタリティーを評価してもらおう

普通、何度も退職、再就職を繰り返すというのは苦痛だと思うので、これだけ転職できるのはあなたの才能ですよ。転職できてるんだもの。失業じゃないでしょ。6回再婚してるようなものだからね。それだけモテるわけだし、次の結婚をめんどくさいと思わずにできるってこと。うらやましいですよ。だから、気にしないで次の仕事を楽しみにしてみればいいんじゃないかな。転職を繰り返すやり方が、あなたに合ってるんだと思います。

履歴書を見て長く続かない人だと思われてしまっても、それは仕方ないです。でも、6回目でも7回目でもあまり変わらないですよ。何度も離婚した人のことを「バツ4とバツ5って違う？」って言うのと同じでしょう。バツ6もバツ7も多分変わらない。むしろ、考え方によっては、それだけ魅力があるわけだし、いい職場を求めて6回も転職したというバイタリティーを評価してもらえる会社があるかもしれないですよ。

だから、長く勤めるということを、目標にしないほうがいいと思うんです。長く勤められるかどうかは結果でしょう。僕なんかも、自分の出る番組を長寿番組にしたいと張り切ったところで、いろんな都合で勝手に打ち切りになることもありますからね。面白い番組にはしようと思うけど、長く続けようとして面白くやってるわけじゃなく、少しでも面白くしようとしていることに対して、なんとなく評価をいただけて、それが結果的に何年も続いていた、ってことだと思うんですよ。

真逆の仕事ではなく斜めに向かってみる

僕も高校を中退してるし、その後に入った落語界も、拾ってもらったラジオ局も辞めてるし、長く続かないほうだと思うんです。若いころは、もっと自分を過信していたし、理想郷のような場所が見つかると思っていたしね。でも、だんだんと自分の可能性にあまり期待しなくなってきて、そのかわり、自分が今、何に飽きていて、何に苦痛を感じていて、どれは残したいのかということは随分と考えるようになりました。それで、自分がやるのは一人でしゃべる話芸であることだけは一貫性を置こうと思ってるわけです。そうしてるうち、自然と身の丈に合った落ち着き場所が見つかってくると思うんですね。

あなたも今は26歳だから、好きなように転職できるんですよ。これがだんだんとね、年齢とともに会社も簡単には入れてくれなくなるでしょう。次の仕事が合ってるだろうという予測だけで転職する手間やらリスクやらを考えたら、今の仕事を続けたほうがいいと感じて、辞めなくなる時がくるはずです。まあ、年が少しいってる分、お節介なことを言わせてもらうと、前の仕事の嫌だった部分が全くない仕事ってないと思うんで、どこかしら良かった部分を見つけて活かすよう、いきなり真逆の仕事を選ぶんじゃなく、少し斜めの方向に仕事はないかと意識してみるといいんじゃないですかね。

例えば、きついノルマがなくて、ずっとデスクワークでもなく、体を使うんでも大きな負荷がかからない仕事って多分あると思うんですね。前の仕事でよかったところはどこなんだということを踏まえてから次に行ったほうが、結果的に長く勤められる職業に就ける可能性が高いかと思いますよ。