叱ってちょーだい

毎回著名人にあなたの悩みをぶつけていただく、このコーナー。熱く、愛を持ってお答えします。
悩
「自分より若い子が上司に…」

つい先日の人事で、上司が替わりました。新しい上司は、転職で入社してきたばかりの、3つも年下の女の子。しかも未経験。いまの会社で10年もコツコツ頑張ってきた自分には、ぽっと出てきた若い子の下につかされるなんて、納得がいきません。会社に貢献している自信があったのに、悔しいです。転職もアリかと思っています。 (制作・31歳)

オマエ! それは試練だ。
今週の叱り役

デザイナー
ドン小西

1950年、三重県生まれ、68年に文化服装学院卒業。81年に(株)フィッチェ・ウォーモを設立後、アバンギャルドなデザインを提案し続け、熱狂的なファンに支持されると同時に経営手腕も発揮。TV、雑誌などでの辛口ファッションチェックも人気を集めている。

こんな理由で辞めたら負けたことになる

僕も昔、あなたと同じように上司でイヤな思いをしたことが2回あったよ。1回目はひとつ年下で有名企業から来た、口だけ上手い上司の時。「デキるのが来たぞ」って周りが言うから、口惜しくて毎日辞めることばかり考えていた。意地でもそいつの2倍3倍成果を出すよう頑張った。「やっぱり小西はスゴい」ってことになるまで、半年から1年かかったかな。そいつは辞めて行ったよ。

2回目は僕と同期の人間がいきなり上司になったんだ。これまた口惜しくて、必死になって1年後に抜いてやった。振り返るとその1年間はつらかったけど、結果として僕にとってはよかったんだよ。自分を試すことができたし、自信を持つことにもつながったから。確かに心地悪いことはよくわかる。でも、これはあなたの試練ととらえることだね。

こういう理由で転職すると、どこへ行ってもまた転職することになるよ。僕は何回転職したと思う? 何度も転職しようといつも辞表をポケットに入れていたけど、結局、独立するまで1度も転職しなかった。心のどこかで、「こんな理由で辞めたら負けだ」と思ってたんだ。だって、仕事に苦難苦痛がつきまとうのは当たり前。組織の箱の中に入れられて、強制的に同じ方を向かされるんだからさ。要は、その中でよりよい自分を見つけ出して、どう生きて行けるかなんだよ。

相手をよく観察して冷静に自分と比較してみる

冷酷なように聞こえるだろうけど、僕も経営者になって、100人以上の社員を雇う立場から、同じような人事の采配をしたことがある。その理由は、社員にやる気を出してもらいたいから。もうひとつの理由は、やる気のないヤツに辞めてもらいたいから。だいたいは辞めて行っちゃうよ。でも、中には奮起して伸びるヤツもいる。つまりわざと試すわけだ。経営者としては、あなたみたいな悔しい気持ちになってもらったほうがいいんだよ。

そういうことをふまえ、冷静に考えてごらん。会社に貢献してる自信があると言うけど、何を根拠にそう思ってるのかな。もし、「10年ちゃんとまじめに会社に通ってるから」という理由だったら、それは給料をもらってるから当たり前のこと。あなたがプラスαで本当に会社側が貢献してると評価していたら、こんな人事をしないんじゃないだろうか。

相手を攻めちゃいけないよ。中途採用の新人で年下上司だからと嫉妬するんじゃなく、どれだけ仕事ができる相手なのか、観察しながら自分とよく比較して、判断することも大事だと思うよ。自分には何が足りなかったのか、その人を上司にするってことは、よっぽど優れた何かを持つ可能性だってある。理由もなくそんな無茶をする会社はないはずだよ。だって、人の目というのは、自分より客観的なものだからね。

EDIT・WRITING
羽塚順子
DESIGN
マグスター
PHOTO
鈴木慶子

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