好きと思うことを追求してみろ
文部省の必修科目ができる人が優秀という価値観が生まれたのは、明治以降のこと。国語、算数など、みんな平均的にできなければ、生産性が低くなる。そんな理由だった。だから、その成績が平均的だから「ダメ」、なんていうのは、明治以降に作られたいわば「国策」みたいなもんや。
ワシは、小さいころから、絵を描いたら誰にも負けんかった。だから絵は好きやし、頑張りもきく。でも、才能だけでもどうにもならへんのやで。最近、新人マンガ賞の審査員をすることがあるけど、みんな勉強せえへんから、「学園モノ」とか、身近なネタで勝負しようとしてしまう。やっぱり、他より秀でようと思ったら、努力や勉強も欠くことはできない。
だからこの人も、「自分のやりたい」「好き」っていうものを、あれこれ言う前に追求してみたらどうや。成績が平均的でも、図工、音楽、習字みたいな科目で、人より秀でたものがあったかもしれん。生け花でもスポーツでも、なんかあるやろ。やってて楽しいもの、熱中できるものを頑張ってみるんや。それも、ちょっとやって「ダメ」ではなくて、とことんやってみたらええ。そんなにすぐに、人より秀でようと思っても無理なんや。
今の仕事にもプライドを持ったほうがいい
もし、そういう分野で見つからなくても、毎日同じ仕事をコツコツ続けられるのも一つの才能。上司が「あれやってくれ」「これやってくれ」ということをテキパキ片付けるのも大変なことや。掃除一つをとっても、換気扇までキチッとキレイにする人は、なかなかおらへんし、才能があると思う。よき上司なら、小さな努力も評価してくれるはず。自分の今の仕事にも、プライドを持ったらどうや。