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パイロット
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パイロットは飛行機と空の知識に長けた職人だ 向井 省吾 さん(仮名)
PROFILE 向井 省吾 さん(仮名)
年齢 54歳
学歴 経済学部卒業
住まい 戸建(妻、子ども2人と同居)
趣味 ゴルフ、音楽、ヨット
職歴 航空会社に32年
座右の銘 平常心
血液型 A型
星座 さそり座
職場の雰囲気は? 文化系 理科系 体育会系
あなたのタイプは? 文化系 理科系 体育会系 【年収】2300万円
どんな仕事?
事前の準備を万端にし、安全・快適なフライトを提供する
航空会社のパイロットとはもちろん、飛行機を操縦する人のことであり、最大の職務は乗客を安全快適に目的地に送り届けること。航空会社のパイロットとして30年超のベテランであり、現在は機長として活躍する向井さんは、その仕事内容を以下のように語る。

「例えば、私は明日、沖縄にフライトするんですが、離陸の時間が11時頃なので、その1時間半前、9時半には空港に行って、そのフライトに関するいろんな情報を整理することから始まります。乗務する機種は決まっていますが、それぞれの空港の特徴や航路の情報を調べて、当日の気象状態と考え合わせ巡航高度や搭載する燃料の量を決定します。また、乗客数や客室サービスの内容は、とか、そういった運航の環境を頭の中に叩き込んでおくんです。また、飛行機自体にも綿密なチェックを怠れません。機体の外側から異常はないか確認をし、コックピットに入ったらたくさんある計器やシステムのチェック。とにかく安全・確実なフライトに臨むための準備を万全にしておくんですよ」

向井さんの言う「安全・確実なフライトに臨むための準備」は、時として通常の航路を変更することの決定も含まれる。

「『沖縄に向かう太平洋上に大きな積乱雲があるから、いつもの焼津から太平洋上を南西に向かう航路はやめて、関西空港の上空を通って九州を抜けるルートを辿ろう』と自ら決定する場合もありますし、この間なんかは、「種子島からH-2ロケットが打ち上げられるので迂回しなさい」といった指示が出ていることもあります。そういった情報を加味しながら飛行計画を決定したら、いざフライト。決定した航路をコンピュータに入力すると、今の飛行機はディスプレイにそれが表示され、『オートパイロット』という装置をつなげばオートマティックに操縦されていますが、離陸、着陸はやはり人間の手で操縦します。離陸は、飛行機の性能を最大限使用する時なので、異常事態に瞬時の対処が求められる最も緊張する時ですね。着陸も、地上に近づくに連れ、風の変化が微妙にあって、技術を要します。乗客の評価はここに集中するでしょうから、ここもやはり緊張する場面ですね。それ以外の所は大体オートパイロットに任せています。機械に任せていた方が安定するところもある。もちろん、機械に任せているからといってノンビリ旅行気分でいられるわけはなく(笑)、常にどんな状況にも対応できるよう、飛行状況、気象状況なんかに常に目を光らせているので、コックピットは緊張感に包まれた空間ですね」
「職業病だなぁ」と思うとき
運転手に文句を言いたくなる
運転手に文句を言いたくなるイラスト
例えばバスやタクシーなど、地上の乗り物に乗ったとき、その運転が荒かったりしたら文句を言いたくなっちゃいますよね。「快適な乗車を提供するのが仕事だろ!」ってね(笑)
求められる能力は?
困難な状況でも柔軟に対応できる冷静さが必要
能力云々を語る前に、絶対に必要となるのが資格。プロのパイロットになるには、まず、事業用操縦士、機長としては定期運送用操縦士の国家試験に合格する必要がある。

「資格を取得したからといって安穏としていられないんですよね。というのも、他の資格と違って半年ごとに更新していかなければならないから。資格を維持するためには、技能審査と身体検査が必要で、例えば技能審査では、路線を飛んでいてエンジンとか計器に故障が起こった場合の緊急事態の対処などをシミュレーターを使って審査されます。身体検査で見られるのは運動機能や感覚器官を重点的に、身体全般です。視力や聴力、平衡感覚の検査、また、フライト中に突然、病気を発症してしまっては困るので、循環器系統の検査もします。身体に関してはかなり詳しく検査されますので、特に身体検査の前は暴飲暴食はできません。今、話題になっているメタボリックシンドロームなんかにも気をつけているんですよ(笑)」
かなりのハイクオリティが要求される条件だが、「あくまでそれを土台として、では、良いパイロットはというと…」と向井さんは続けて語る。

「天候、風、昼、夜、など自然が相手の飛行機の運航は、同じシチュエーションというのはあり得ません。それを理解する知識は不可欠です。また、知識があってもそれを必要なときに使用できて、さらに、行動に表さなければ仕事になりません。いかなる条件でも安定した力を発揮できなければならない。間違いは安全を阻害します。そう考えると、少々のことではものおじせず、冷静に判断ができ、正しく行動できるような人が、理想のパイロットと言えるのではないのでしょうか。空の上ではパイロットが乗客の命を預かっているわけで、何か起こったときに、責任者であるパイロットが冷静さを失うわけにはいきませんからね」
この仕事のやりがいは?
イメージした理想的なフライトを実現できたとき、
得られる達成感は大きい
航空会社に就職するまで向井さんは、パイロットとは飛行機と、またはコックピット内部の多くの計器と格闘する仕事だと思っていたそう。しかし、パイロットになってからその思いは覆された。

「実際は、コックピット内では計器を見、状況を判断しながら操縦するのは当然なのですが、運航するためには、機長と副操縦士が相互に仕事を分担しながら協力関係を保つことが重要です。また客室乗務員にも、揺れそうなポイントを伝えたり、『この辺でのサービスは中断して着席しててくれ』『どれくらい時間がかかるか』といった飛行状況の情報を伝えるなどして、こちらの意図を伝えることにより良い人間関係を築いておくことが不可欠。それらが相互に上手くいったときに、良いフライトが完遂できるのですね。思ったより、意外に人間臭い仕事ですよ。」
この仕事を 漢字一文字で表現すると…
飛
何と言ってもこの文字。人に本来備わっていない行動をするのですから。その危険要素を克服するためにさまざまな準備工夫が必要で、それらが整って初めて実現できることですからね
快適なフライト。それこそが、パイロットが思い描く理想形だ。

「例えば製造業に就いている方のように、何か形にして残せるような仕事ではありませんし、また、飛んで当たり前、無事に着陸して当たり前という、当たり前が求められる仕事のなかでどこにやりがいを見出すかというと、いかに理想のフライトに近づけるかという点でしょうね。私は常に、安全で、快適で、燃料や時間に関して効率的な、最も理想とするフライトを頭に思い描いているんです。いかなる状況であってもね。ですから、それを達成できたときにはすごく満足。まぁ、自己満足の世界ではありますけど(笑)、それが夢だったわけですから、実現できている今は本当に充実してフライトに臨めていますね」
FAQ 向井 省吾 さんへの一問一答
Q1.この仕事に就いた(転職した)動機は?
A 中学生時代にね、学校の上空を低空でボーイング727が飛んでいたんですよ。当時はまだ、飛行方法の規制もあまり厳しくなかったので、肉眼でハッキリ見えるくらい。その姿を見て、単純に「カッコいい〜!」と思って、それから志しました。夢、でしたね。
Q2.この仕事に就いて(転職して)よかった?
A なんといっても幸せに感じることは、少年のころの夢を実現できていることでしょうね。機長になる前に航空機関士、副操縦士の期間が10数年あったんですが、それもこれも、自ら飛行機を飛ばすという夢に向けてのことでしたから。
Q3.この仕事、どんな人に向いている?
A 「聖徳太子」つまり、マルチセンス人間。いろんなことに目を向けられる視野の広さを持った人。飛行機に乗っているときは、ただ前を見ていればいいわけではなく、気象条件や計器が正常に動作しているかなど、常に細かなところにまで目を光らせて変化を察知していなければなりませんから、普段の生活からそういったことを心がけている必要があるんですよ。
Q4.これからこの仕事を目指す人へアドバイス
A 決して広い門ではありませんが、夢を大切に持ち続けて挑戦してください。そして大切なのが体。本当の意味で体が資本の仕事ですので、自分の体を大切にしてください。思いと体を大切に考えることが第一歩ですよ。
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