南アフリカ共和国、ナイジェリア、エジプト、ギニア

「世界の30歳」ライフスタイル全比較【アフリカ編】

ビジネスチャンスが世界中に広がる中、あなたはどれくらい、世界で働くほかの国のビジネスパーソンのことを知っているだろうか?リクナビNEXTでは、いろいろな国のビジネスパーソンに、自国での仕事について話を聞いた。調査機関の情報や各国発表のデータ調査なども参考に、世界のビジネスパーソンについて比較してみよう。第4回目はアフリカの4国を紹介する。

2013年4月17日

【出典】

「データブック国際労働比較2012」(独立行政法人労働政策研究研修機構)

「ARCレポート・南アフリカ/ナイジェリア/エジプト」(ARC国別情勢研究会)
「世界統計白書」(木本書店)
「賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)
「世界人口白書2012」国連人口基金
外務省HP
全国関税会総連合会HP
 
※1ドル=95.55円、1ランド=10.21円、1ナイラ=0.599円、1エジプトポンド=13.96円、1ギニアフラン=0.0136円で換算(2013年3月25日現在)

南アフリカ共和国の30歳

南アフリカ共和国の基本データ

●人口:5070万人
●名目GDP:4086億ドル(29位)
●民族:バントゥー系民族、イギリス系、アフリカーナー、アジア系
●言語:英語、アフリカーンス語、バンツー諸語(ズールー語、ソト語ほか)の合計11が公用語
●主要産業:畜業・とうもろこし・柑橘類・その他果物など、金・ダイヤモンド・プラチナ・ウラン・鉄鉱石・石炭など、食品・製鉄・化学・繊維・自動車など
●消費税率:14%
●首都圏のタクシーの初乗り運賃:メーターなし、運転手と交渉
●地下鉄の初乗り運賃:地下鉄なし
●ハンバーガーの値段:約230円

南アフリカではワインが定番

●30歳の平均年収:約290万8000円(製造業・エンジニア/ヨハネスブルク・2011年)

●大卒正社員の平均初任給:約12万5000円(2010年)
●1時間あたりの労働生産性:データなし(OECD 未加盟)
●定番の昼食:サラダやサンドイッチ、タパスなど(250円から500円)
●仕事後の飲み会の乾杯:自国産ワイン(約300円)、またはジン、ウォッカなど

南アフリカ人ビジネスパーソンに聞きました

レコード会社勤務
製作担当
カースティン・モファトさん

Q1.今まで仕事をしてきて、いちばん嬉しかった瞬間は?
ケープタウンにあるレコード会社で、アシスタント・プロデューサーをしています。タイアップの企画などを考えてアーティストに音楽製作をしてもらったり、音楽を作るアーティストにアドバイスを行う仕事なので、私が関わった音楽が南アフリカでヒットした時は嬉しいですね。曲を口ずさんでいる人を見かけた時は、もっと嬉しいです!
また、私に任されたとても大きな仕事の一つに、新人ミュージシャンの発掘があります。インターネットやライブバーに足を運んだり、音楽好きの仲間の紹介などで、いろいろな音楽家と会うことがあります。最初から完璧なミュージシャンはいませんが、われわれのチームと一緒に会話を重ねたり、協力して音楽製作をしていく中で少しずつ商品としてのクオリティを上げていけた時に、この仕事を選んでよかったと思いますね。
 
Q2.人からよく褒められる、自分自身の「一番の強み」は何?
私の求める音楽は、どうやらユニークなものが多いそうです。「あなたの視点は人と少し変わっていて、とても面白いね」と言われることが多いんです(笑)。自分では特に意識しているわけではないんですけどね。だからこそ、意見を求められることがあるので、役に立てればとても嬉しいです。これまで仕事でいろいろな音楽に触れたり、先輩たちがアーティストに対してしているアドバイスを聞いてきたことが、経験値として私に蓄積されているということだと思うので、この仕事を長く続けてきてよかったと思っています。
 
Q3.尊敬している人はいますか?
私の周りにいるすべての人を尊敬します。私が長くこの仕事を経験したといっても、周りにはもっと経験豊富でプロフェッショナルな先輩がたくさんいます。例えば、会議の場で皆が頭を悩ませて煮詰まってしまっている時に、みんなの頭を一旦リセットできる提案をして場を和ませたり、イメージだけでなく数字や具体例などを使って、上司や難しい気質のアーティストを説得したりする姿を見るたびに、「私にはとてもできない!」と思ってしまいます。
もちろん仕事で関わる人だけではなく、家族や友達もすべてです。人にやさしかったり、困っている人を助けようと考えていたり、人の何倍も努力できたり…。皆それぞれいいところがあります。その部分を尊重すべきだと思いますし、人を判断するときはその人の長所から判断したいといつも考えています。
 
Q4. 10年後の自分はどうなっている?
もちろん、今と同じ音楽業界で働いています。ただ、そのころは自分で会社を立ち上げて、今よりもワールドワイドな仕事をしていると思いますね。私はデジタルの音楽配信にとても興味を持っているので、その分野で起業し、優れた音楽の一つとして、南アフリカの音楽をもっと世界中の人に知ってもらえるように努力していきたいです。そのためには、音楽業界のことだけでなく、デジタルメディア全般についての知識を今以上に身につけなければいけないと考えています。

ナイジェリアの30歳

ナイジェリアの基本データ

●人口:約1億6660万人
●名目GDP:2440億米ドル(40位・2011年)
●民族:ハウサ人、ヨルバ人、イボ人など(民族数は250以上と推定)
●言語:英語(公用語)、各民族語
●主要産業:原油、天然ガス、農業など
●消費税率:5%
●首都圏のタクシーの初乗り運賃:メーターなし、運転手と交渉
●地下鉄の初乗り運賃:地下鉄なし
●ハンバーガーの値段:データなし(チェーンの出店なし)

ナイジェリア風シチューを主食のキャッサバと食べる

●30歳の平均年収:約198万1000円(製造業・初級エンジニア/2011年)
●大卒正社員の平均初任給:約2万5000円から4万2000円(2009年)
●1時間あたりの労働生産性:データなし(OECD未加盟)
●定番の昼食:エグシ(ナイジェリア風シチュー)とガリ(キャッサバ)。(約100円)
●仕事後の飲み会の乾杯:地ビール(約100円) 

ナイジェリア人ビジネスパーソンに聞きました

飲食店経営
ラッキー・エソギエ・シーウエさん

Q1.今まで仕事をしてきて、いちばん嬉しかった瞬間は?
希望していた部署に配属が決まった時ですね。私がかつて勤めていた繊維工場では、機械のライン作業工もメンテナンスや修理を担当するエンジニアも一括で採用していました。3カ月にわたる研修でいろいろなセクションを経験し、適性を判断され配属先が決まる仕組み。私は幼いころから機械が好きで、エンジニアを希望していました。だから、「ゼネラル」と呼ばれる工場全体の機械を包括的にメンテナンスする部署に配属された時は、本当に嬉しかったです。そこはほかのセクションに比べて仕事の難易度が高く、幅広い機械の知識と、あらゆるシステム構築に携われるだけの高度な技術が必要とされました。約2000人いる全従業員の中でも、5人ほどしかいない部署で、待遇も良く、外部研修に行かせてもらえるなど、ステップアップのチャンスがどこよりも多く、みんなが配属を希望します。適性があると判断されての配属ですから、喜びはひとしおです。
 
Q2.人からよく褒められる、自分自身の「一番の強み」は何?
物覚えが早いとよく言われました。難しい作業でも一度見ただけで覚えましたね。機械が好きで得意だというのもあったのでしょうが、人のアドバイスを素直に聞き入れ、何事にも真面目に取り組もうとする性格も影響したのかもしれません。また、きれい好きな性格なため、私が修理した機械はいつも仕上がりが美しいと褒められました。せっかく修理しても、きれいに掃除していなければと直し終わった気がしないんですよ。道具の手入れなども怠らずにきちんとやっていましたね。
 
Q3.尊敬している人はいますか?
メンテナンス部門の総責任者を尊敬していました。機械に関する知識や経験が豊富で、工場の誰よりも技術を持っていました。私たち一般のエンジニアに比べ、道具の使い方が全然違うんです。彼は普段はオフィスにいることが多く、現場に顔を出すことはまれでしたが、私たちでは対応しきれない高度な問題が発生した時などは、彼が実際に現場を担当しました。そんな時は、いつも技術を盗もうと懸命に彼の仕事を見ていましたね。また、口数の少ない控えめな人で、自分の技術や能力を自慢するようなところがなく、いつも黙々と仕事をこなしていました。多くのエンジニアが彼に憧れていましたよ。
 
Q4. 10年後の自分はどうなっている?
日本に来てからは、いろんな店でレストランビジネスを学び、今は自分のお店を持っています。まずは今のお店・会社を大きくしたいですね。そして、年に一度ぐらいはナイジェリアに帰れるようになりたいと思っています。ただ家族や友人に会って楽しむだけではなく、ナイジェリアの現状を常に肌で感じていたいからです。日本と違い、まだまだ発展途上のナイジェリアではビジネスチャンスがたくさんあります。向こうでレストランビジネスを展開したり、ナイジェリアと日本の間で貿易のビジネスを始めるというプランもあるんです。

エジプトの30歳

エジプトの基本データ

●人口:約8400万人

●名目GDP:2357億米ドル(44位・2011年)
●民族:主にアラブ人(その他,少数のヌビア人,アルメニア人,ギリシャ人など)
●言語:アラビア語
●主要産業:農業、製造業、石油・天然ガス、小売・卸売など
●消費税率:10%
●首都圏のタクシーの初乗り運賃:メーターなし、運転手と交渉
●地下鉄の初乗り運賃:約14円
●ハンバーガーの値段:約250円

ランチはエジプト人の誰もが食べる「庶民の味」

●30歳の平均年収:約51万5000円(製造業・初級エンジニア/2011年)
●大卒正社員の平均初任給:約2万9000円
●1時間あたりの労働生産性:データなし(OECD未加盟)
●定番の昼食:コシャリ(約100円)
●仕事後の飲み会の乾杯:「ステラ」など国産ビール(約70円)

エジプト人ビジネスパーソンに聞きました

生鮮食品卸売会社勤務
エルモナヤリ・ヒシャムさん

Q1.今まで仕事をしてきて、いちばん嬉しかった瞬間は?

専門学校で会計の勉強をした後、大学時代はアメリカに2年間留学。帰国後は外資系信販会社のカイロ支店へ就職し、私は航空券やホテル、ツアーの手配を担当する部署で主に航空券の予約を受け持っていました。やっぱり一番嬉しかったのは、世界的に有名な会社の、希望していた観光関連の仕事に就けたことですね。スーツを着てネクタイを締めて働き始めた時の喜びは、今でも忘れられません。
 
Q2.人からよく褒められる、自分自身の「一番の強み」は何?
コミュニケーション力など「人とのつながり」が一番の強みです。仕事において、時にはチケットの予約を取るために、社内外の人たちに無理をお願いしなければいけない状況もありました。だから普段から人とつながっておこうという意識は常に持っていました。コネクションを広げておけば、いざという時に役立ちますからね。
エジプトでは、観光業界は一番大きな産業です。国外からたくさんの観光客が訪れます。彼らに居心地がよいと感じてもらえるよう、そしてまたエジプトに来たいと思ってもらうよう、良質のサービスを提供しようといつも心がけていました。例えば、海外から来たお客様に対して、帰国する航空券の手配を確実にしないと、予定通り帰国できない事態となります。そんなことがあれば、そのお客様は二度とエジプトを訪れてくれないでしょう。
 
Q3.尊敬している人はいますか?
残念ながらエジプトにはいませんでした。ただ、2011年に日本で起きた東日本大震災の時に、日本人がお互い助けあっている姿を見てとても感動しました。自分のことだけを優先するのではなく、周囲の仲間のこと、国全体のことを考えて行動していて、素晴らしいことだと思いました。エジプトにも昔はコモンセンスがありましたが、現在は少し薄れてしまったように私は感じています。年長者を敬い、困っている人がいれば助けるという、エジプト人本来の良さをもっと発揮できるようになってほしいです。
 
Q4. 10年後の自分はどうなっている?
日本人と結婚したので、彼女のためにも日本で暮らしていると思います。今の仕事か別の仕事かはわかりませんが、今よりももっとリーダーシップを発揮できるようなポジションで、人々の役に立っていたいですね。日本人の働き方を見ていると、仕事が円滑に進むように常に努力しているように感じます。私ももっと日本のやり方を勉強したいです。そして、現場で人と関わる仕事だけでなく、エジプトで学んだソリューションのスキルを発揮できるような、責任ある仕事も任されたいと思います。

ギニアの30歳

ギニアの基本データ

●人口:約1050万人
●名目GDP:51億米ドル(147位・2011年)
●民族:マリンケ,プル,スースーなど20あまり
●言語:フランス語,各民族語(マリンケ,プル,スースーなど)
●主要産業:農業(米,キャッサバ)、鉱業(ボーキサイト,アルミナ,金,ダイヤモンド)
●消費税率:18%
●首都圏のタクシーの初乗り運賃:約200円
●地下鉄の初乗り運賃:地下鉄なし
●ハンバーガーの値段:データなし(チェーンの出店なし)

家族が届けてくれるランチを社員みんなで食べる

●30歳の平均年収:約36万円

●大卒正社員の平均初任給:約5000円
●1時間あたりの労働生産性:データなし(OECD未加盟)
●定番の昼食:自宅から持参したマーロ(ビーフやチキン、ホウレンソウのスープ)、ラチリ(ギニア風クスクス)などを職場で食べる
●仕事後の飲み会の乾杯:なし(イスラム教徒が多い国なので、基本お酒は飲まない)

ギニア人ビジネスパーソンに聞きました

PCリサイクルショップ経営
バー・ハーディさん

Q1.今まで仕事をしてきて、いちばん嬉しかった瞬間は?
伯父が営む建築用の鉄筋を輸入する会社で働いていました。お客様に商品を商品について上手に説明でき、納得して購入してもらった時は嬉しいです。でももっと嬉しいのは、一度買ってくれたお客様が、リピーターとして再び買いに来てくれた時。そして、「ハーディさんにいい店だと聞いたんだ」と紹介でお客が増えた時ですね。ビジネスでは信頼関係やつながりが大事。再び買いに来てくれたり、人に紹介してくれるということは、私とそのお客様の信頼関係がうまく築けている証拠ですからね。
 
Q2.人からよく褒められる、自分自身の「一番の強み」は何?
お客様を大事にするところですね。常に相手の満足を一番に考えていました。私が心がけていたのは、ニーズを的確につかむこと。どういったものを必要としているかしっかり把握し、それにピッタリのものを提供できれば、必ず満足してくれます。私が働いていた会社で販売していない商品でも、取扱っている会社を紹介するなどして、お客様が満足できるために最善を尽くしていました。
 
Q3.尊敬している人はいますか?
伯父さんですね。お金もうけよりも、自分の力で周りの人を幸せにしたいという気持ちを優先できる人です。例えば、社員の中に家を建てたいという人がいれば、資金面でサポートしてくれますし、その時に会社の利益が十分でなければ、希望が叶えられるようにみんなで仕事を頑張っていこうと目標を示してくれます。しかも、自分が社員たちにしてあげたことを自慢せず、こっそりとサポートするのです。いつの間にか家を持っていたり、気がついたら仲間が結婚していたりといったことがよくありました。そんな伯父さんのことを、社員全員が慕い、尊敬していたと思います。
 
Q4. 10年後の自分はどうなっている?
このまま日本にいると思います。私は幼いころから日本のメーカーが作る製品に興味があり、日本のエレクトロニクスやテクノロジーに憧れていたので日本に来ました。そして、少しでも関連する仕事をしたいと考え、パソコン販売の仕事を始めたのです。日本人が作る製品を見ていると、真面目さが伝わってきます。私は、日本人の勉強熱心で真面目なところを尊敬しているので、少しでも長くこの国で暮らしていきたいと思っています。日本で今のビジネスを続けながら、日本に働きにきた外国人の仲間たちの力になれたら最高ですね。 

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EDIT&WRITING
志村 江、竹田 明

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