転職トップ > 転職成功ノウハウ > 転職パーフェクトガイド > 転職活動 基本の「き」 > 転職の相場
転職活動は、公にできない分、孤独になりがち。孤独のなか、応募書類が通らない、面接に呼ばれない、内定がもらえない状況が続くと、だんだん気も滅入ってくる。が、ほかの人はどんな転職をしているのか――。転職マーケットの実態値を知れば、自分の立ち位置や、次にするべきことが見えてくるはず。岐路に立ったときに的確な判断ができるよう、相場観を身につけておいて損はない。
2008年12月3日
転職期間は1〜2カ月が相場。希望条件が多いと、長引く傾向に 応募社数を見ると3分の1以上が1社と答え、面接を受けた社数も1社、内定をもらった社数も1社がいちばん多かった。転職期間は約4分の1の人が1〜2カ月未満と答えた。レジュメを送って面接を受けて内定を待っていたら、1社だけでもおよそ1カ月かかるのだろう。 |
キーワード |
賃金よりも自由な時間 土木業界に勤めていたが、将来性や労働時間の長さなどに悩まされ、転職を決意した。賃金の高さよりも残業の少ない会社を探し、現在の商社に決めた。給料は大幅に減額したが、自由な時間が倍増したので満足している。 (商社・専門職・男性・38歳) 粘り強く探せば必ず見つかる 5年間の留学生活を終えて帰国し、語学を活かした仕事を探して転職活動した。けれども、職務経験がないからか、3カ月間さんざん落とされまくった。そんなとき、1社だけ留学経験を評価してくれる企業が見つかり、給与も大幅アップすることに。粘り強く探してよかったとつくづく思っている。 (商社・事務・女性・32歳) お金よりも大切なもの 精神的に追い詰められる仕事から解放され、日々穏やかな生活を送ることができるようになりました。給与は以前より落ちましたが、肉体的・精神的な面を考えると今の職場で十分です。 (メーカー・管理・男性・34歳) 転職して気づいた適職 前職は一流企業の技術職だったが、やりがいが感じられなかった。デザイナー志望で今の会社を受けたところ、経験やスキルがないため、営業のアシスタントからスタート。最初は嫌々だったが、結果がついてくるようになると給料や地位も上がり、意外にも自分に向いているかもと思うようになった。 (情報処理サービス・営業・男性・23歳) 憧れよりも、できること どんな仕事でもいいから都心のおしゃれなオフィスでカッコよく働きたいと考えていたが、スキル不足の私は4カ月間どの会社にも落とされ続けた。そこで発想を変え、地元で未経験でも応募可能な職場を探したところ、すぐに採用が決まった。 (福祉施設・介護・女性・27歳) 時間をかけて給与ベースを死守 PC関連メーカーの課長職だったが、目指すキャリアパスが見つからず、転職することに。将来飲食関連の仕事をしたいので、その勉強ができる仕事を探して転職活動。同程度の給与ベースにこだわったので約1年かかったが、これまでの成果を評価してくれる企業が見つかった。勇気を持って給与交渉に臨んでよかったと思っている。 (メーカー・営業・男性・35歳) 給料よりも職場の人間関係 人間関係と勤務時間の長さから逃れたくて都内の大学病院を退職。埼玉の民間病院へ転職しましたが、非常に働きやすくなりました。仕事自体は大変だし、給料も大幅に減りましたが、周囲の人が何かと助けてくれるので、もう辞めたいとは思いません。 (病院・看護師・女性・27歳) 即戦力をアピールして同業種へ 窮屈な防護服を着て行う仕事のストレス、交通の不便さ、残業の多さから転職を決意。1カ月ほど転職活動をして、会社規模こそ前社の10分の1だが、給与もほぼ同程度、同業の薬品メーカーに決まった。定時で帰宅できるようになり、自由時間が増えたので満足。即戦力になれることをアピールしたのがよかったのかなと考えている。 (薬品メーカー・製造・男性・29歳) 過去の経験が評価され昇格 土木関係のCADを経験したことがあったが、主に事務だったので、今の会社も生産管理で応募。が、いざ面接を受けてみると、「君、図面(絵)の経験があるんだね?」とデザイン課に配属され、ただいま課長補佐。全くの業界素人ですが、何とかやれています。 (商社・デザイン・女性・34歳) 社外の人間関係も大切 取引先企業からスカウトされ、希望の職種だったのでOKした。収入も増加し、やりがいと満足感が得られた。自分の仕事ぶりを知っているところへの転職は業務マッチしやすいし、対人的にも以前から知っている人ばかりなのでなじみやすい。社外の人間関係もおろそかにできないものだなあと、実感した。 (IT通信・企画・男性・36歳) 職場の雰囲気がもたらすもの 前職は個人経営の小さな会社で、仕事のやり方や人間関係になじめなかった。次はある程度社員数の多い企業で働きたいと考えていたら、希望通りの企業に入れた。給与面では多少不満もあるが、さまざまな考えを持つ同僚に囲まれ、精神面ではずいぶん楽になったので、今ではよしと考えている。 (IT通信・事務・女性・38歳) |
||||||||||
異業種は、情報収集を念入りに 転職を考え始めたとき、今の会社の募集を見つけ運良く採用された。しかし、予想以上にきつい仕事で、環境も最悪。繁忙期は残業が月150時間超もあり、体調を崩しても休むことさえできない。残業がある分収入は増えたが、定年までこの仕事かと思うと正直うんざりする。異業種に転職する場合は、よく調べてからにしたほうがいいですよ。 (メーカー・管理・男性・38歳) ブランクなしで転職活動していれば 小さな食品メーカーに勤めていたが、中国産ギョーザ問題のあおりで倒産。売り手市場だと高をくくって半年間ぶらぶらしていたら経済状況が一変。あわてて就職活動してもなかなか内定が出ず、すごく焦った。結局10社目ぐらいでようやく決まったが、もっと早く活動していたら楽だったのにと、反省することしきりです。 (メーカー・営業・女性・25歳) 勤務条件が変わるなんて 今の会社の社長に引き抜かれ、喜び勇んで転職したが、勤務条件が最初の話と違っていた。毎日約5時間のサービス残業があるうえ、休日出勤もたびたび。先日の連休も、前日に出勤が決まり、温泉旅行のキャンセル料4万円を支払うことに。休日出勤手当も出ないのに、泣くに泣けない最悪な結果。転職しなければ良かったよ…。 (サービス・専門職・男性・35歳) 景気に左右される仕事よりも… 転職した新しい会社は、景気の波をもろにかぶる業種。このところの経済危機に、景気に左右されにくい前の会社のほうが良かったかなあ、と感じています。 (メーカー・技術・男性・31歳) 焦ったのが悪かったのか… 前職で経験したことを活かしたかったが、半年以上思う求人に巡り合わず、焦って今の会社に決めてしまった。しかし、良かったのは通勤時間が短くなったことぐらいで、日々、社風や仕事の進め方が肌に合わないと感じている。もう少し慎重に会社選びをするべきだった。 (メーカー・管理・男性・37歳) |
||||||||||
|
||||||||||
キーワード |
転職相場を把握したうえで、的確な行動を

アメリカのサブプライム問題に端を発した金融危機は、瞬く間に世界中を同時不況に陥れ、今、日本の転職市場も悪影響にさらされています。今年10月末時点で、求人メディア全体の広告掲載件数は前年同月比で26.0%減。企業が求人数を絞り込む傾向は、経済情勢から見てしばらく続くと思われます。
さて、雇用の厳しい時期に転職を考えるなら、それなりの対策が必要です。例えば企業軸重視で転職を考えているのなら、不況に強い業界とか、ニッチの分野で売り上げを伸ばしている企業や、付加価値の高い商品やサービスを提供する企業を選ぶという選択肢が考えられます。給与軸重視なら、提示される金額は永遠ではなく、業績次第で来年あるいは2年後に上下する可能性があると覚悟しておかなければなりません。会社の安定性か、報酬額か、もしくはやりがいか、自分が何を重視して会社や仕事を選ぶのかを整理し、できるだけ希望条件の優先順位を明確にすること。また有効求人倍率が0.80倍(2008年10月現在)という時期ですから、企業選びもスピードが大切になってきます。こだわりの厳選1社を待ち続けるよりも、気になる10社にまず問い合わせや応募をしてみること。さらにはブランクをおかずに転職できるよう、可能であれば在職中に次の会社を見つけること。これが厳しい時代なりの転職成功術といえます。
転職市場はいつの時代も景気と連動します。採用市場の流れもそれに応じて変化します。転職相場をよく把握したうえで、まず一歩を踏み出してください。世の中全体の景気の「平均値」が冷え込もうとも、人材を増やしたいという成長企業は必ずありますし、素晴らしい出会いを経て転職に成功する人たちもいるのですから。
リクナビNEXT黒田真行編集長
キーワード |
※本企画のデータおよびコメントは、過去1年間に転職した3大都市圏在住の20代〜30代のビジネスパーソンを対象に、調査会社ドゥ・ハウスを通して行ったアンケート調査から抜粋した(実施期間:2008年10月17日〜24日。有効回答件数432件)。
|