人事はココに注目していた! 応募条件に満たないのに採用される人ってどんな人?
資格・経験・学歴・スキル……。「この企業でこの職種に就きたい!」と思っても、ときに壁として立ちはだかるのが「応募条件」。しかし、応募条件は全ての場合で「絶対条件」なわけではない。キャリアにマイナス面があっても見事転職を決めた2人と、彼らを選んだ人事担当者たちに話を聞いた。
・FILE 3:未経験業界への応募。前職の類似業務のアピール成功で正社員枠をゲット!
・FILE 4:販売から営業へ。具体的な転職動機と熱意を示してスキル面の不足をカバー!
FILE1 年齢と社会人経験が足りない!そのハンディを克服して転職に成功
人事 吉田さん
株式会社グローバル住販
人事担当 吉田 修さん
当時の募集要項
仕事内容:営業スタッフ
(新築ファミリータイプマンション中心)
募集条件:高卒以上20〜30歳位まで。未経験でも住宅に興味があり、前向きにチャレンジしてみたい人は可。不動産業界・設計事務所・建設会社(ゼネコン)等の経験者優遇。
応募
佐々木さん 転職者
佐々木純一さん(当時18歳)
不動産への関心が昔から強く、高校卒業後、ワンルームマンションをメインに扱う営業職に就いていた。でも本当にやりたかったのは、お客様の一生ものの「住まい」であるファミリータイプのマンションの営業。
人事担当者 吉田 修さんの視点 転職活動スタート 佐々木 純一さんの視点
社会人2年以上、異職種でも営業経験者が望ましい
ファミリータイプマンションの営業は、それ相応に社会的立場を築いてきたお客様が相手。だからスタッフも、お客様に信頼を得られる明るく誠実な対応ができる人でないと困る。そういう意味で、社会人としての経験や営業経験がある人が良い。
応募前
まさにやりたい仕事を発見!でも応募条件に不適合
あこがれだったファミリータイプマンションの営業!でもやっぱりまだ若すぎるかなぁ……。以前受けた2社も、社会人経験が浅すぎるのを理由に、面接すらしてもらえずに落ちた。応募条件を満たしていないのは承知で、もう一度チャレンジしてみよう。
つたないけれど、仕事にかける思いが伝わる応募書類
高校を出てすぐの若手だが、自分がいかに「家族が一生暮らす家」の営業がやりたいのかが書類からはっきり伝わってくる。つたない言葉ながらにも、仕事への熱意とビジョンを自分の言葉で語っている。現職も一応マンションの営業だから、この業界の大変さは分かっているだろう。
書類選考
とにかく真正直に熱意をアピール!
強みになるような経験もまだないし、とにかく熱意を買ってもらうしかない。今のワンルームマンションの営業もやりがいはあるけれど、本当はファミリータイプマンションというお客様の一生ものの買い物をサポートする仕事がしたい。とにかくいつもお客様の視点に立った営業を心がけている。その思いを正直に、履歴書とA4の応募書類にびっしりと書きつづった。
野球部で鍛えられた礼儀正しさが好印象
高校時代、野球部でみっちり鍛えられたというだけあって、ハキハキと礼儀正しくて好印象。挨拶は気持ちが良いほどしっかりしている。「現職のワンルームマンション営業でもお客様から感謝していただける仕事を心がけている」など、自己アピールもできるし、これならどんなお客様の前に出しても大丈夫
面接
緊張した!自己主張が過ぎたかも……
自分がいちばんやりたい職種での初めての面接。とにかく緊張した!高校時代の部活の話を持ち出して、自分のねばり強さとか、忍耐力、やり抜く力などを、あまりにも熱く語り過ぎてしまった。自己主張しすぎて、逆に印象を悪くしたのではないかと心配。
今後の成長が期待できる営業
社会人経験の浅さは時間が解決してくれる問題。仕事に対してこれだけ強い思いやビジョンを持っているなら、うちでしっかり育てていこう。根っからの営業という感じで期待大。
採用決定
念願の転職! 足りない知識は猛勉強してカバー
転職決定!同じマンションの営業でも、ワンルームとファミリーとでは必要となってくる知識(建築、税や法制度など)は大きく異なる。先輩を困らせるほど質問攻めにしたり、毎日深夜まで資料を読みふけったりと勉強に励む毎日
マイナスをプラスに
営業力は自分を売って、証明する!
就職活動は自分という商品の売り込み。社会人経験も営業経験も浅いというマイナス要因を抱えた佐々木さんだったが、書類選考や面接の際に、「自分は何ができるか」「いかにバイタリティがあるか」「採用してくれたら将来どんな働きをするか」などを、面接担当者の質問をきっかけに、自分からどんどん話して売り込んだ。そのアピール力こそが評価されて採用につながったと言えるだろう。「前向きにチャレンジする人なら歓迎」という企業側の要望に、まさにうってつけだった。
人事担当に聞きました
自己主張がないのは経験がないより大きなマイナス
いかに輝かしい経歴が履歴書に並んでいても、いざ面接となって実際に会ったとき、自己アピールができない人の採用はためらいますね。私たちは住宅を販売しているわけですが、お客様は営業というフィルターを通して物件を見ています。自分を売り込むことができない人では、営業の際にもきちんと物件の良さを主張できるのかと不安になってしまいます。
FILE2 英語でのビジネス経験とインターネットの知識が実務レベルには不足
人事 鈴木さん
株式会社カービュー
当時の募集要項
仕事内容:企画段階である英語版のe−コマース事業を軌道に乗せるための新規事業スタッフ
募集条件:ビジネスレベルの英語力とインターネットの知識、自動車に関する知識のある方。
応募
松原さん 転職者
松原利幸さん(当時26歳)
大手の自動車買取りチェーンで、自動車の査定・買取を行う。全社員の中の売上ランキングで4位など、営業では好成績を残す。自動車業界で培ってきた知識と経験をベースにして、別の側面から車に関わる仕事に就きたい、と転職を希望。
管理本部 鈴木 和正さんの視点 転職活動スタート 松原 利幸さんの視点
英語版のe−コマース事業を軌道に乗せるための人材を募集
この仕事は海外との取引や交渉が発生するため、英語力は必須。それにインターネットの知識と、車の知識があればベスト。スピード感のある事業なので、変化に即応できる対応力と、何が何でも目標を達成する、というマインドとモチベーションを備えた人材が欲しい。
応募前
これまでの知識や経験を活かして、新たなことに挑戦
これまで自動車の買取で得た知識や経験を活かしつつ、何か新しいことにチャレンジしたい。その点、インターネットで自動車を売買するカービューの事業には将来性を感じた。英語を使って仕事をしたこともインターネットの知識もなかったが、自動車に関する知識とこれまでの営業経験には自信があった。
前職で達成した成果の、具体的な数字に注目した
松原さんの経歴で目を引いたのは、前職での営業経験とその成績。具体的な数字で自分の営業成績を記入していたことで、目標を達成する能力を備えた人なのだと理解できた。何かひとつのことで結果を出せる人には、職種を変えてもきっと目標を達成してくれるだろうという期待できる。確かに、英語・インターネットの経験がないのはマイナス点だったが、会ってみる価値はあると思った
書類選考
今までに出してきた仕事に関する成果を具体的に
特に気をつかったり工夫をしたというわけではないが、今までどんな仕事をやってきて、自分には何ができるのか、ということを分かりやすく伝えるために、前職での営業成績や目標の達成率などの“数字”をなるべく具体的に書くようにした。一方、英語でのビジネス経験はないこと、インターネットの知識も一般的なユーザーとして、画面を見ることができるレベルのみであることを正直に書いた。
飾ったり隠したりしない、率直な言葉と態度に好感
松原さんの場合、できることもできないことも、ありのままに正直に表現してくれたことが魅力的だった。変に隠したり飾ったりするのではなく、全てをさらけ出せるということは、逆に言えばこれまでの仕事で培われた自信がある、ということ。
面接
面接では、言いたいことはすべて言い切った
面接は全部で3回。英語力もインターネットの知識もない、というのは自分が一番よくわかっている。自分に足りない部分を隠したり飾ったりするのではなく、自分にできることと、できないこと、そして英語やインターネットも興味がある分野なので、これからしっかり学んでいきたいということを率直に話した
自分にない知識や経験に対する姿勢に、期待感を感じた
自動車業界での営業経験があり、それまで経験のない英語でのビジネスやインターネットでの仕事でも物怖じすることなく興味と関心を持っていたことが採用のポイント。自分なりの判断基準がしっかりしていて、現状をよりよく改善したい、という問題意識を持っていることも当社の姿勢に合致していると感じた。最初はサポートが必要だが、即戦力になってくれるだろうという期待があった。
採用決定
英語が話せない不安よりも、楽しみのほう
採用が決まった時はやはり嬉しかった! 英語に関しては、今のところ英語のできるパートナーをアシスタントにつけてもらって仕事をしている。英語を早く身に付けなければ、という焦りよりも、今までの経験を活かして自分にしかできないことをやってやろう、という気持ちのほうが強い。
マイナスをプラスに
スキル不足は正直に話し、前職での成果とヤル気を見せる!
中途採用の場合、即戦力としての期待が大きく、募集要項にはさまざまな経験やスキルが必要と書かれていることが多いもの。とはいえ、企業サイドでもそれらを全て備えた人の採用が難しいのは認識している。松原さんの場合「新たなことへチャレンジしたい」という彼自身の気持ちをストレートにぶつけたことと、営業実績という今の自分の能力を裏付ける具体的な指標を示したことが期待感へとつながり、スキル不足を補ったと言えるだろう。
人事担当に聞きました
仕事を通じて成長したいという意欲が感じられない人は、採用しません
自分で限界を設定することなく、将来に向かって成長し続けていきたい、という意思を持っていることが大切。この転職が本人にとってどのような意味を持つものなのかが見えてこない人には、こちらも興味を持つことができません。転職の理由が後ろ向きな人、型にはまった考え方や行動しかできない人などは、いくら言葉だけを取り繕っていてもつじつまが合わなくなってくるもの。そんな人はどれだけスキルや経験があっても不採用です。
・FILE 3:未経験業界への応募。前職の類似業務のアピール成功で正社員枠をゲット!
・FILE 4:販売から営業へ。具体的な転職動機と熱意を示してスキル面の不足をカバー!

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