未経験からエンジニアへ転身☆レポート
未経験ながらエンジニアへの転職を成功させた3人の体験談を紹介。エンジニア経験ゼロのハンデがありながら、どのように人事にアピールし、採用を勝ち取ったのかを紐解く。会社の選び方や入社後のスキルアップ制度など、未経験転職を目指す人は必見!
ITの専門家になるために研修が充実している会社を選択した坂田旭さん(28歳)
興味を活かし、住宅営業からソフト開発者へ転身した桑原崇司さん(25歳)
転身レポート02
「手に職」にあこがれ、エンジニアに転身。初めて組んだプログラムが稼働したときの感動は、一生忘れません
鈴木孝史さん 日本SE株式会社 SI事業本部 鈴木孝史さん(32歳)
営業の仕事は楽しかったが会社の経営陣に不満
 コンピュータのシステム設計やソフトウエア開発などを手掛ける日本SEで、プログラマとして活躍中の鈴木さん。現在は保険会社向けの計算システムを構築するプロジェクトに携わっているが、「入社するまでコンピュータのことはほとんど知らなかった」と笑う。

 前職は、スポーツウエアの加工を手掛ける企業で営業をしていた。

 「私自身、スポーツが大好きで、大学時代も野球をしていました。人と接する営業職に興味があったし、どうせ働くなら、自分が好きな分野がいいと考え、選んだ会社でした」

 入社後は念願かない、野球のユニホームを担当。大手スポーツ用品メーカー、問屋、小売店など約10社の顧客を受け持ち、主に高校野球のようなアマチュアチームのユニホームの背番号や選手名、チーム名などの加工業務を受注していた。

 「加工業なので、営業といっても売って終わりではありません。誤発注を防ぐためには顧客から詳しく要望を聞かないといけないし、工場への発注、納期管理、納品など、すべての工程に携わっていました。納期に間に合わせるため、自らワッペンを取り付けたこともありました(笑)」

 加工は最終工程の作業のため、納期まで時間がなく苦労させられることも多かった鈴木さん。だが、好きなスポーツに貢献できるのは幸せだったし、顧客と信頼関係を築いていく営業という仕事が楽しくもあった。

 「仕事は楽しかったんです。ただ、会社がどうしても合わなかった。同族会社で、経営陣が社員の声に全く耳を傾けない。加えて、競合が少なかったこともあり、顧客に対しても誠意が感じられませんでした。上層部のそんな態度を見るにつけ、『こんな会社では働きたくない』と思った。先輩には反対されましたが、早く再スタートを切った方がいいと判断し、入社2年目で退職したんです」
IT業界に興味。きっかけは『ビーイング』の未経験特集
 転職活動を始めたときは、「IT業界なんて考えてもいなかった」と鈴木さん。仕事が嫌で会社を辞めたわけではなかったため、当初は業界内転職、つまりスポーツ関連企業の求人を探していたという。

 「ところが、いざ転職情報誌で求人を探してみると、スポーツ関連業界の求人なんてめったにないんですよ。これは枠を広げないとダメだと思い、次に営業全般で探してみたのですが、どの求人広告を読んでも、ピンとくるものがなかったんですよね」

 健康器具メーカーや農機具メーカーの営業職など、何となく興味が持てた求人に応募してみたものの、結果は不採用。どんな業界や職種なら本気で「やりたい」と思えるのだろう。悩み、答えを求めて手にした『ビーイング』が、鈴木さんの転職活動を予想外の方向に導いた。目に飛び込んできたのは、未経験者向けのコンピュータ業界の求人特集だった。

 「未経験という言葉にひかれて読んでみたんです。当時、IT業界は脚光を浴びていたし、全くの未経験でもエンジニアになれると知り、すごく興味がわきました」

 それだけではない。前職時代、自身の業績とは関係なく、すべてがトップダウンで決まってしまうことを理不尽に感じていた鈴木さんにとって、エンジニアは「手に職」のイメージがあった。会社の方針や景気などに左右されにくい、どこに行っても通用する技術を身に付けることは、それまで意識はしていなかったものの、心のどこかで強く望んでいたことだった。

 「営業職で求人を探していたときとは違い、なぜか入社後の自分の姿が具体的にイメージできました。とにかく挑戦してみたいと思った。それで、未経験者がたくさん入社している日本SEに応募したんです」
念願かなってプログラマに業務の傍ら資格取得にも励む
 2度の面接を経て、2001年5月に入社。その後はオペレーター、製品テストの進捗管理、DVDレコーダーの評価、ヘルプデスクなどを経験し、晴れてプログラマになったのは昨年秋のこと。エンジニアになるまで、入社から約4年半かかったことになる。

 「長かったですね(笑)。同期の中には1年でプログラマになった人もいたので、焦った時期もありました。だから、仕事をしながら初級システムアドミニストレータやJAVAプログラマなど、スキルアップの指標となる資格を取得し、会社にやる気をアピールし続けました」

 プログラマになって初めて任されたのは、電力会社の業務システムのデータの書き換えだった。自身が組んだプログラムが稼働したときの感動は、今でもはっきり覚えている。

 こうしてあこがれの「手に職」を実現した鈴木さんだが、まだ足を踏み入れたばかりと気を引き締める。

 「この仕事って、やればやるほど奥の深さを実感するんです。プロジェクトによって必要な業界知識は異なるし、使用言語やデータベースのことなど、勉強すべきことがいくらでもある。これからですよ」

 今の目標は、利用者が使いやすいプログラムを書くこと。そして、10月に実施される国家試験「情報セキュリティアドミニストレータ」試験に合格することだ。
鈴木さんの転職活動
1999年8月ごろ 会社に不満を覚え始める
スポーツウエア加工会社で営業職に就いて2年目。仕事は楽しかったが、親族が経営を牛耳る状況に不満が募り、転職を考え始める。
1999年10月 退職
先輩の反対を振り切り、転職先を決めないまま退職。
2000年8月 転職活動するも不採用続き
退職後はボウリング場でアルバイトをしながら、転職情報誌で求人広告を読む日々。複数社に営業職で応募するも不採用となり、壁にぶつかる。
2001年3月 初めてIT業界に目を向ける
『ビーイング』でIT業界の求人特集を読み、未経験でもエンジニアになれることを知る。日本SEの会社説明会に出席し、営業職からエンジニアへの転身を決意。3度の面接を経て5月に入社。
独立系ソフトウエアベンダーとして26年の歴史がある日本SE。さまざまな業種の顧客ニーズに合った技術サービスを提供する。
常駐先から戻ったエンジニア仲間と雑談。クラブ活動が盛んでアットホームな社風が気に入っている。鈴木さんは野球部に所属。
経験「ゼロ」ココをアピール
ITに関連のある経験を見つけ、やる気を示す説得材料にした
コンピュータに関する知識はありませんでしたが、大学で情報処理を学んだ経験と、当時、自費でパソコン教室に通っていたことを伝え、最低限の基礎は習得していることと、知識を吸収する意欲があることをアピールしました。
本気度を伝えるために「給与は少なくて構わない」と断言
アルバイト生活が予想以上に長引いていたので、「早く定職に就きたい」という正直な気持ちを伝えました。また、給与は最低基準で構わないのでとにかく勉強させてほしいと訴え、本気でエンジニアを目指している姿勢を示しました。
転職活動Q&A
Q: 在職中の転職活動で最も苦労したことは何ですか?
A: 実家にいたので、親の「いつ定職に就くのだ」という無言のプレッシャーがキツかったです。
Q: 今回の転職で応募した社数、内定した社数は?
A: 6社に応募し、内定は1社。日本SE以外は営業職で応募したものの、すべて不採用でした。
Q: 面接での手応えは? またそれはどうしてですか?
A: いまひとつでした。2次面接のとき、どのようなシステムをつくりたいか聞かれたのに、知識がないためうまく答えられなかったので。
Q: 今の会社に転職していちばんよかったことは?
A: アットホームな社風で、仲間が増えたこと。
Q: 転職を考えている人にアドバイスをするとしたら?
A: 私が「手に職をつけたい」と考えたように、まず何をしたいのか見つけること。
採用した理由
村田 孝氏
人材開発部
採用担当
統括マネージャー
村田 孝氏
環境が合いさえすれば、努力できる人材だと感じた
応募当時、鈴木さんは26歳。未経験者としてはギリギリの年齢で、しかも前職は1年ほどで辞めている。しかし私は、彼の落ち着いた雰囲気と、学生時代からずっと野球を続けている点に注目しました。前職はたまたま縁がなくて続かなかったけれど、きっかけさえあれば、コツコツ頑張るタイプだと確信したのです。今後はプログラマの枠を超え、顧客のニーズに柔軟に対応できるSEに成長してほしいと期待しています。
会社データ
日本SE株式会社
設 立 1980年1月
資本金 7億5500万円
売上高 51億円(2006年3月期)
従業員数 638人
本 社 東京都新宿区
事業内容 コンピュータのシステム設計およびソフトウエア開発、コンピュータ技術者の客先常駐型技術サービス・教育、
コンピュータおよびその周辺機器の賃貸・売買・輸出入
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未経験からでもエンジニアに採用される可能性は十分にある!
「教えてもらう姿勢や意欲」や「仕事を進めていく上での協調性」が大切
全くの未経験からエンジニアに採用される人には3パターンあります。
エンジニアの知識も経験も全くない人
エンジニア経験はないが、学校や独学である程度知識を持っている人
「プログラマからシステムエンジニアへ」など、隣のフィールドへの転職を考えている人
ですから、求人広告に「未経験者歓迎」とあっても、どの程度の“未経験”を指しているのかを確かめることが大切です。例えば企業側の募集条件に、「ワード・エクセルが使える人」、「工業系・理工系の勉強をしてきた人」とあれば、同じ未経験者でも、ある程度のハードルが課せられます。エンジニアの知識や経験が全くゼロの人でも、採用されやすいのが「コミュニケーション能力」のある人です。技術職とはいえ、仕事自体はチームやプロジェクト単位で働き、顧客のニーズにかなった製品やソフト、システム構築が求められるためです。また、研修制度や先輩社員からの技術指導により、知識や技術を高めていくので、「教えてもらう姿勢や意欲」や「仕事を進めていく上での協調性」は欠かせません。特に面接では、前職では周囲とどうコミュニケーションを図って仕事をしてきたのかをアピールするとよいでしょう。
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