「市場価値」に絶対基準なんかない!

企業ごとに違う「評価のモノサシ」を探る方法

「自分のスキルや経験は世の中ではどの程度評価されるの?」と悩んでいる人は多いのではないだろうか。しかし、求人市場における自分自身の評価とは、 “絶対的”ではなく“相対的”なものであり、企業側のニーズに合わせて変化するものだ。同じスキルや特性が、ある企業ではプラスの評価を受け、ある企業ではマイナスの評価を受けることもある。だからこそ、まずは、企業が自社の採用ニーズに対してどういったモノサシで応募者を評価しようとしているかを知っておくことが大事になりそうだ。なかなか見えにくい「企業のモノサシ」を探ってみよう。

2012年12月19日

転職時に気にしがちの「市場価値」とは、一体何だ?

市場価値という言葉に惑わされてはいけない

求人市場は、常に変動している。時代によって価値の高い経験・スキルは変わるし、求められる人物像も違ってくるのは当たり前だ。つまり、絶対的な「市場価値」などというものは、そもそもあるはずがない。仮にあったとしても、売り手である応募者は一人ひとり違うし、買い手となる企業の募集背景も、1社1社で異なる。何かの型にはめ込んで考える方法が成り立つわけがないのだ。

ならば、人材の価値について考える際、何に注目しておかないといけないのか。
採用において、応募者の市場での価値を判断するのは、採用側だ。企業が募集背景や任せる仕事内容、社風などと照合したうえで評価し、採るべき人材かどうかを決めていくことになる。
つまり、企業が求めている人物像と合致する割合が高い人材こそが、企業が「価値が高い」と評価する人材ということになるわけだ。 

企業は1社1社、独自のモノサシで応募者を評価している

では、企業が人材の価値(採るべき人物か)を測るモノサシとは何だろうか。それを知るカギは、「募集する仕事の内容と、その評価基準を知ること」にある。

例えば同じA社の求人でも、事務職と営業職では求める人物像は大きく異なるのは当然。同様に、営業職と一括りで言っても、仕事内容やポスト、募集背景などによって求める人物像は大きく異なる。つまり、「企業側が任せたいと思っている具体的な仕事を、きちんと遂行できる人物かどうか」を見極めるための項目が、企業の持つモノサシとなる。例えば、「社風や組織風土とフィットしやすい人柄か」「活躍しやすい職務能力があるか」「必要な経験・スキルを有しているか」などを応募者ごとに細かく見て測定し、自社が求める人物像といかに近しいかが、評価の決め手になる。

モノサシ(項目)を分類すると、大きく以下の3つにわけられる。

【職種適応性】
その仕事をするうえで求められる資質を、その人が有しているかどうか。SPIなどの適性検査や、テストを使って判断する場合が多い。

【個人の志向】
働き手がその仕事を通じて実現したいことや、どういった働き方を希望しているか、どのような価値観を持っているか。SPIなどの適性検査やR-CAPなどの自己分析・適職診断プログラムを使って、応募者の興味、価値観、志向などを観察・分析する場合が多い。どのような「仕事の進め方」や「組織文化」を好むか(好まないか)を判断する。

【スキル】
これまでにどのような経験をしてきたか、何ができて、何ができないか、どんな資格を持っているのかなど、応募者が持つ能力のこと。企業側からすれば、「募集している業務を進めるにあたって必要な条件」である。応募書類や面接での質疑応答から判断する場合が多い。場合によっては実技が実施されることもある。中途採用の場合、新卒採用とは違って「スキル」の比重は大きいものになる。

企業側は、こうした各項目の一長一短から、採用するかどうかを判断しているわけだ。「スキル」については、応募者側も有無を判断しやすいため、そこばかりに目がいきがち。一方、「職種適応性」や「個人の志向」は、かたちとして見えにくいが、仕事でより高い成果を出すためには不可欠な項目となる。

企業ごとに異なる評価基準の例

同じに見える仕事でも、評価基準が全く同じであるとは限らない

ここからは、入社後の仕事内容から、企業の評価基準を探るための一つのモデルケースを紹介。一見同じに見える仕事でも、企業の評価基準は異なっていることを理解しておきたい。 

【例】医療機器メーカーの営業職の場合

 

企業の求める人物像を想像するところから

たしかに、自分の市場価値は気になる。しかし、市場価値そのものを判断する明確な基準などないため、いくら考えてみても不安になるだけだ。結局は、「その企業がどんな人材を欲しているのか」を自分なりに明らかにしていくことが、不安を解消する第一歩になる。もちろん、独自の適性検査などを実施して、判断基準を設けている場合が多いため、明確なモノサシを知ることは難しいが、企業研究だと思って、ぜひ実践してみてほしい。

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志村 江

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