「目標は一度決めたら変えてはいけない」は大間違い!

なりたい自分になる!「仮置き」目標設定法

今、20代の間で「成長したい」という強い気持ちはあっても、実現のための具体的な行動の仕方がわからなかったり、目標が立てられないがために、なんとなくそのまま毎日を過ごしてしまっている人がいる。そこで、今回の特集では、だれでも簡単に「成長するための第一歩」を踏み出せる方法を伝授したい。

2012年2月22日

「成長する」ために、まず何から始めれば良い?

成長への一歩を踏み出すためには「仮置き目標設定」が必要

株式会社リクルート
『リクナビNEXT』
黒田真行編集長
リクルートの求人情報誌『B-ing』『とらばーゆ』『フロム・エー』各関西版編集長を経て、2006年4月より『リクナビNEXT』編集長。約20年にわたり、転職・アルバイトなど求人メディアづくりに携わる。

面白い仕事をしたい、仕事で自己実現していきたいと考える人も多いだろう。そのためには、自らの実力をつけていくしかない。このところ、「成長したい」と考える若いビジネスパーソンが増えているが、それは当然のことだろう。ましてや、不況やコミュニケーション手段の変化によって、雇用・給与・人間関係といったあらゆる不安を抱えやすい昨今では、自分自身を高めたいと強く意気込むのは極めて自然なことともいえる。

しかし、そう思ってはいるものの、「成長」の具体的な中身が伴わず、目標そのものが立てられずに悩んでいる人が多いのではないだろうか。その理由について、『リクナビNEXT』編集長の黒田真行は次のように解説する。

「最初からきちんとした、自分に合った目標を立てようと考えすぎるため、余計に悩んでしまう人が多いように思います。それは日本人固有の『有限実行』『一度決めたことは最後までやり通さなければいけない』という意識が大きく影響しているのかもしれません。この考え自体は素晴らしいものではあるのですが、あまりここに固執し過ぎると、何にもできなくなってしまいます。これだけ変化の多い流動的な時代においては、一度目標を立てても、その目標そのものがなくなってしまうこともあるわけです。途中で目標を変えることは悪いことではないのですから、もっとフレキシブルに物事を考えてみるといいでしょう」

そんな黒田編集長が提案する方法が、「仮置き目標設定」だ。

「ささやかなものでも大丈夫です。何か一つ、目標を『仮置き』してみましょう。何でもいいので目標を設定すれば、やるべきことが具体的に見えてくる。そうすれば、動き出せます。成長するためには、『達成するために、一歩前へ踏み出してみること』が何より大事なんです。前進しながら違う目標が見つかれば、変えたっていい。最初の一歩は、もっと肩の力を抜いて考えていいと思いますよ」(黒田編集長)

目標を「仮置き」するメリットはもう一つある。

「少なくともそのときの自分に必要なことを間違えずにすることができる、ということです。登山の例で考えるとわかりやすいでしょう。同じ『山を登りたい』という目標でも、標高600メートル弱の高尾山と、富士山、エベレストでは、準備する道具や服装だけでなく、トレーニングの内容も全く違いますよね。『成長したい』という目標を立てるのも同じことで、大事なのは「どれくらいのレベルの目標を設定するのか」なんです。レベルがわからないと、何をどう行動すればいいのかがはっきりしません。そしてもう一つ、「いつまでにその目標を達成するのか」を明確にすること。この2つをきちんとおさえておけば、今何をすればいいのかは自ずと見えてくるはずです」(黒田編集長)

悩んでいる時間はもったいない。前へ一歩進んでみることで、見えてくるものもたくさんある。どうしたらいいかと悩む前に、「仮置き目標設定」を始めてみよう。

「仮置き目標設定」を実践してみよう

例を参考に、自分なりの目標を立ててみよう

それでは、ここからは「仮置き目標」を立てる際のコツを紹介する。大事なのは「レベル」と「期間」を意識すること。以下の10個のケースを参考に、自分なりの目標を立ててみよう。

(1)英語を話せるようになりたい

【仮置き目標】
半年以内に、取引先のAさん(アメリカ人)に英語を使ったプレゼンテーションをする
【具体的な行動】
・毎朝15分、外国人講師と会話ができるサービスで会話を行う
・通勤時間に、録音した英語教材を聞き流す
・英語が得意な同僚や、英語を使った仕事をしている友人に話を聞いてみる

(2)営業力を高めたい

【仮置き目標】
半年以内に、最低20件、新規開拓して受注を取りつける
【具体的な行動】
・今の自分の営業のやり方を整理してみる
・営業が得意な同僚に、コツや心がけていることを聞いてみる
・初対面の人との会話に慣れるために、積極的に交流会に参加してみる

(3)企画力を高めたい

【仮置き目標】
半年後に、社内の新規事業立案のコンテストに応募し、予選を通過する
【具体的な行動】
・ヒット商品を生み出すプロデューサーが書いた本を1カ月に5冊読む
・世の中に出回っている各種調査データを1日3つ以上チェックして兆しをつかむ
・企画力がある同僚と食事に行き、日々やっていることを聞いてみる
・メモ帳を持ち歩き、思いついたことを何でもいいからメモする

(4)プレゼンテーション力を高めたい

【仮置き目標】
1カ月以内に、新規企画のプレゼンテーションを行い、上司に企画の承認をもらう
【具体的な行動】
・効果的なパワーポイントを作成するためのコツを記した本を1週間に2冊読む
・朝食読書会に参加し、積極的に人前で話す機会をつくる
・プレゼンテーションが上手な先輩にコツを聞いてみる
・(歴史が好きなので)週に1回、歴史人物をプレゼンテーションする資料をつくって、個人ブログにアップしてみる

(5)マネジメント力を高め、役職に就きたい

【仮置き目標】
2年以内に、課長になる
【具体的な行動】
・今の部署の課長に自分に足りないスキルが何かを聞いてみる
・後輩を飲みに誘い、自分のいいところと理想の上司像を聞いてみる
・管理職向けビジネス本を、2カ月以内に5冊読む
・何かを判断する際「自分が課長ならどうするか」を常に考える訓練をする

(6)海外でも通用するグローバル人材になりたい

【仮置き目標】
3年以内に、海外事業部のある部署に異動し、マネジメントを任されるようになる
【具体的な行動】
・海外に住んでいる友人に会いに行き、生活や文化の違いを知る
・TOEICの点数を今より200点アップを目指して勉強する
・週に1度、英会話学校に行き、外国人と話す機会を増やす
・月に2回、グローバルに働いている友人とビジネスランチをする

(7)後輩に信頼されるような先輩になりたい

【仮置き目標】
3カ月以内に、10人の部下から「営業同行」を頼まれる
【具体的な行動】
・後輩に積極的に話しかけ、仕事上の悩みを聞き出すようにする
・自分の営業内容を、部署の会議で積極的に共有してみる
・信頼できる上司の「すごいと思うところ」を10個紙に書いてみる

(8)ゆくゆくは起業したい

【仮置き目標】
3年以内に、ウェブサービスに関する会社を設立する
【具体的な行動】
・実際に起業した友人に話を聞きに行く
・資金繰りの計画を立て、貯蓄を始める
・常に最新の技術動向を把握するため、週1回はセミナーに通う
・ソーシャルメディア上で著名人のフィードを積極的に購読する

(9)今とは違う仕事に就きたい

【仮置き目標】
3カ月以内に、異業種の仕事に転職する
【具体的な行動】
・Webサイト、転職エージェント、フリーペーパーなどで求人情報を集めてみる
・気になる業界の知人に、業界の現状や、今後の展望を聞いてみる
・会社の同僚や友人に、自分の「長所」「短所」を聞いてみる

(10)市場価値を高めたい

【仮置き目標】
1年以内に、ヘッドハンティングされる
【具体的な行動】
・成果を出している同僚や先輩に、仕事の進め方について聞いてみる
・ソーシャルメディアで情報発信しているヘッドハンターとつながる
・社外にアピールできそうな仕事に積極的にかかわってみる
・これまでの経験を棚卸し、高く買われそうなスキルを考えてみる

臆せずに一歩踏み出せたら、必ず成長できる!

「成長したい」というエネルギーは、いい仕事をするうえでとても重要なもの。悩んでしまって逆にストレスや負い目になってしまわないように、まずは一歩を踏み出すことが大事。そのためにも、「仮」でいいので、まずは目標を持ってみてはどうだろうか。今回紹介した例を参考に、今のあなたの「成長したい意欲」をうまく行動目標に落とし込み、ビジネスパーソンとしての可能性を広げるきっかけにしてほしい。

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EDIT
高嶋ちほ子
WRITING
志村 江

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